第37話 奴隷売買
奴隷売買の事実を知った僕達。
だが、最初に気になったのは、バロリックさんが何故こんな所に入れるのかだ…。
「あの、バロリックさん。」
「ん、何だい?」
「バロリックさんはどうしてここに入れたりするんでしょうか? その目的って何ですか?」
バロリックさんは真剣な表情で、こう答える。
「ここから解放するためだ。」
その答えは単純な物だった。
バロリックさんは続け様に、その内容も教えてくれた。
「何年か前にな、噂で聞いて入ってみたんだ。 それで…この現状を見て、俺は心が痛くなったよ…中にはまだ幼い子供まで売られてたからな。 そんなのを何としてでも解放しようと、何度か買い取ったりもしてた。」
何と、バロリックさんは実際に買取も行ってたみたいだ。
「で、買い取った人達は…どうしてるんですか?」
「何、買い取った連中は俺の店で従業員として働いてるよ。 ちゃんと普通の生活もできるように給金までやったりもしてる。」
どうやらバロリックさんは、買い取った人達を普通に生活できるようにしたみたいだ。
それを聞くと、疑った事に罪悪感を持ってしまう…。
「俺は、こういうボロ雑巾の様に人を扱う行為は嫌いなんだ、だからここから解放させて、そいつらに普通の生活ができるように手配してるんだ。」
バロリックさんは、奴隷の制度に関して嫌悪感を露にしてる。
何だかんだで、この人面倒見の良い人なんだろうね。
ここにラウネさんが通ってるというのは間違いないが、ただ何の為に通ってるのか、何をする為にあれだけのお金を稼ぐ必要があるのか…それが気になる。
だがまずは、奴隷売買の詳しい内容から知る必要があるな…。
僕はまたバロリックさんに聞く。
「バロリックさん、奴隷として売るメリットなんて有るんですか?」
「まあ、買い取られた額の8割が売った奴の元に入るからな。」
「つまり、50万で買い取られたら40万が売り手の元に入るんですね。」
「そうだな。」
つまり、高ければ高い程、手元にくるお金が増える訳か…。
「成程…では、この奴隷の人達のレートって最低の額は幾らなんでしょうか?」
次にレートだ。
「あぁ、レートかまあ…ここだと種族に関係無く最低でも10万ロドは懸けられる。」
ここだと最低でも10万は懸けられる様だ。
「成程…やっぱり10万は最低でも懸けられるんですね。 後は…どんな基準で値段が変わるんですか?」
次に僕が聞いたのは、値段の変動だ。
さっき見たのでも、少し値段は違うわけだからね。
「そうだな、やっぱ年齢とか出自、そいつの持つスキルの取得レベルや内容かな。 ここだと、重要なのは持ってるスキルの最高レベルだな。」
どうやら奴隷の値段となる基準は、幾つかあるみたい。
年齢、出自、持ってるスキルの内容・取得レベル・最高レベル。
奴隷となる対象人物の能力で決まるみたいだ、ここだと重要になるのは持ってるスキルの最高レベルが大きく影響する様だ。
そう考えると…
「おそらく、この奴隷売買所の中で高額の部類に入るのがラウネさんの買いたいやつでしょう。」
僕の予想だと、ラウネさんの目的は高額の奴隷を買う事だろう。
「え、なんでだ?」
「どうして、そう考えるんだ?」
バロリックさんとミュラからそう聞かれた僕。
「対象者と依頼者の両方から報酬を貰ってるという事は、相当な額になります。 当初は、何の為にとその意味を考えてました。 ですが実際は逆、目的があるからこの仕事をやってるという事です。 そして、その目的こそ高額の奴隷を買い取る事なのでしょう。」
僕なりの推理を皆に伝える。
じゃないと、そんな仕事をする理由が見られない…。
そう考えればすべての辻褄が合う。
「そうか…!! その買い取り額があまりにも高額だから…手っ取り早く稼ぐ為にあんな仕事をしたのか…!!」
そして僕は次に、バロリックさんにこれを頼んだ。
「バロリックさん、ここの関係者の人に聞いてくれませんか?」
「ああ、構わねえが。 いったい何を聞けばいいんだ?」
「タイラーさん、ラウネさんの写真を貸してくれません?」
「え、ああ分かりました。」
僕はタイラーさんにラウネさんの写真を借りると、バロリックさんに渡して。
「[この女の人が特に見ていた奴隷が何番か]という事を聞いてくれません?」
「ああ、分かった。」
お願いを聞いてくれたバロリックさんは、関係者の人の元へ行って僕が頼んだ内容を聞き始める。
話してる内容は分からないが…それと同時に、僕は少々不安もあった…。
ここの関係者が果たして口を割るのかという事、実際に高額の取引を行ってるわけだから、それを迂闊に喋ってしまえば…その取引が水の泡に成り兼ねないから…。
そしてバロリックさんが戻ってくる。
「バロリックさん、どうでした?」
「あーすまね…やっぱ、それは話せねえって…ただ、来てた事は間違いない。」
予想通りだった、やっぱりそう簡単に口は割らなかった…だが間違いなくラウネさんはここに通ってるのは確定した。
「まあ、高額の取引を行ってる訳ですからね、やっぱりそう簡単には口を割らないのも無理は無いです。 ですから、今度は…。」
僕は、関係者の人に近づき次の事を聞いた。
「すいません、ここの中で今日の最高額の奴隷を教えて欲しいのですが…。」
今度は、最高額の奴隷が誰なのかを聞いた。
そう、ラウネさんが買いたいのがいるなら、おそらく最高額の可能性が高い。
その人に直接聞けばラウネさんが来たのかどうかも分かる。
「ん、今日の最高額、あぁそれならば…13番の奴隷だな。」
僕はさらに詳しく聞くと、その13番の奴隷は…半年くらい前に来たが…ここ4ヶ月は最高額がその13番で固定されてるみたいだ。
「そうですか、ありがとうございます。」
僕はその人物の元へ向かおうとしたが…。
関係者の男に引き止められてしまう。
「待ちな、そいつは別の部屋に入れてるんだ。」
「え?」
疑問に思い僕が聞くと、彼が言うには500万以上の買い取りが必要な奴隷はそれぞれ独自の部屋に入れるとの事らしい。
しかも高額の奴隷は、あの金額が書かれたでかい表と違い、部屋の近くにあるプレートに貼り付けられた紙に金額が書かれてるみたいだ。
つまり、あの表に書かれてるのは、一般的な500万未満の奴隷って事になるのだろう…。
最高額の人物はその部屋のどれかにいるみたいだ…。
僕はバロリックさん達の元へ戻り、それを伝える。
「なるほど…それじゃあ片っ端から探してくか!」
こうして始まった部屋探し。
高額奴隷の部屋を片っ端から探していくも…何れも最高額の13番の奴隷は見つからない…。
「くそ…見つからないのか…?」
「ベルさん、いました! 13番の…!!」
「本当に!?」
何とリオさんが見つけた模様、僕達は直ぐにその部屋の前に向かう。
「ここが…。 えーときんが…」
僕はその金額を確認すると…言葉を詰まらせる…。
僕だけじゃない…確かめた全員だ…。
その金額は…1820万ロド…!!!!
「なんちゅう金額…!! 家が買える金額だぞ…!?」
「一体…この人は…? 何でこんな金額に…!?」
あまりの金額の高さにミュラとマシューがパニックになる。
それはそうだろう…そんな額が1人の人間に懸けられてるのだから…。
僕は…その人物がどんな人なのかを知るため、その人物がいるだろう部屋の覗き口から拝見する事に。
中を覗くと、いたのは…後ろ向きであぐらをかいてる、年端も行かない男の子だった。
着ている半袖の服から見える腕は細いながらもちゃんと鍛えられてる。
だが、見るからにどうしてこの子が1820万もの値がつくのかは分からない。
「あんな男の子に…1820万って…一体どういう事なんだろう…? 一度聞いてみよう。」
僕は、また関係者の人にあれだけの値がつくのかを聞いてみる事にした。
それは驚愕の理由が!
「あぁ、あいつはまだ15歳になったばかりのガキだが、持ってるスキルの最高レベルが8だからな。」
何と、その男の子は15歳になったばかりなのにスキルの最高レベルが8だという事!!
それを聞いた僕達は正直、驚きを隠せなかった。
「15歳で…レベル8って…普通じゃ考えられませんよ…。」
そのスペックの凄さにマシューは驚くばかりの様子…。
ただ、それが分かったとしてもその彼がラウネさんの買い取りたい奴隷なのかは不明だ。
「ベル、どうするんだ? まさか…お前…買うつもりじゃ…?」
ミュラが買うつもりかと聞かれるが、僕は真っ先に否定した。
僕はむしろ…
「ラウネさんに直接聞こう。 その方が早い。」
本人に直接理由を聞く事にした。
バロリックとタイラーの年収
バロリックは、年間で1500万ロド程
タイラーは、年間で2億ロド程
稼いでます!!
ちなみに、バロリックが経営してるお店の品物はタイラー経由で格安で手に入れた買い取った物です、質は良好ながら親友料金という事で安くしてます。
その為、利益は他のお店よりも多いです。




