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第30話 暗殺者の正体

僕はタイラーさんから昨日襲った暗殺者が何者なのかを聞く事に。

この屋敷にメイドとして雇った訳だから…素性とかは知ってるはず…。


タイラーさんは、その素性を教えて貰う為に僕達を自分の部屋へと。

そして部屋に入るなり、彼はある一枚の紙と一枚の写真を僕達に見せた。

写真に撮されてた顔は僕とミュラで確認すると間違いなくあの時の彼女本人だった。

だが…もう一枚の紙は何なのかをタイラーさんに聞くと。


「それが…彼女の今、住んでいる場所です。」


タイラーさんが渡したもう一枚の紙は、その暗殺者の彼女が住んでる場所のようだ。

しかもその場所は…僕達の今住んでいる場所の近くみたいだ。


「まさかそんな所に…。」


まさかの近くにいる事が分かったマシュー、少し心配そうになるが、僕は気になる事がある。


「すいませんが、聞いても宜しいでしょうか?」


「何でしょうか?」


「彼女は本当に暗殺者なのでしょうか?」


「えっ?」


僕は、そもそも彼女が暗殺者なのかどうかを知りたい。

タイラーさんならそれを知ってるだろう…。


「さあ…それは私の口からは言えませんね…。」


どうやら、タイラーさんは喋る気にはならないようだ。

まあ、喋らなくても粗方予想は掴んでる…。

そもそも、暗殺者ならあんな事を頼んでくれるのかどうか…。

暗殺稼業が本業なのかも怪しいものだ。


「じゃあ…せめて…名前だけでも教えてくれませんか?」


次に聞いたのは名前だ。

何者なのか…彼ならば雇う時に…名前を知ってるだろうからね。


「名前ですか…。 まあそれならば…。」


どうやら、名前なら話せるようだ。


「彼女は、[ラウネ・ノランロド]と言います。 確か年は17だったはずです…。」


彼女の名前が分かった。

しかも年齢も僕達と変わらない事が判明したが、僕達はその名前…ラウネ・ノランロドという名前を聞いて何か引っ掛かる…。

どこかで聞いた事ある…名前…。

すると彼女の名前を聞いたマシューが…。


「もしかして、3大ロド商家ノランロド家のお嬢様ですか?」


「知ってるのですか、ノランロド家の事を?」


マシューの言葉を聞いて、僕達もようやく分かった。

3大ロド商家の一つ、ノランロド家の名字だという事に。


「通貨のロドの元となった訳ですからね。」


3大ロド商家は、文字通りこの世界での通貨ロドの元となった代表する有名な家の事。

カールロド家、ハマイロド家、そしてノランロド家。

ただ…


「確か、ノランロド家は絶家になったはずですよね?」


僕の知る限りでは、ノランロド家は絶家になったはず。

5年程くらい前にノランロド家は理由も分からぬまま突然の絶家に…。


「えぇ、確かにノランロド家は[表向き]絶家になりました。」


リオン「表向き?」


タイラーさんは続け様にこう語る。


「まだ、分家の人間が残ってるんです。自分達のお家を再興をする為、影で資金を貯めていつか再びノランロド家を名家に復活させる為に…。」


どうやらノランロド家はタイラーさんの話によると、完全に絶家となった訳じゃなさそうだ。

そんな事実を知って驚きは隠せないものだ、実際にノランロド家がまだ生きてる訳だからね。

となると、彼女は分家の人間という事になるのか…。


「分かりました、では…僕達はこれで…。」


僕達が帰ろうとするとタイラーさんは突然、「ちょっと待ってくれ」と言い、部屋に置かれてた金庫を開けるなり、入ってたお金の一部を袋に入れて僕達に渡した。

僕は、その渡されたお金の額を確認すると、中には1万ロドの札がぎっしりと入ってた…!!

タイラーさんに訳を聞く…。


「これは…一体!?」


「今回の報酬です。 60万ロド入ってます、まあ…渡せるのはこの位しか無いですが…。」


何と袋の入ってたのは60万ロド!

あまりの大金に目が点になる僕ら…それにも構わずタイラーさんは話を続ける。


「今回、貴方達のおかげで家族が一丸になれた気がするんです。 だから、今回のその額はほんのお礼です。」


「ただ…こんな大金…!!」


「お願いします、受け取ってください。」


もはや、受け取るしか無いとふんだ僕達は、タイラーさんに改めてお礼と挨拶をして部屋を出た。

そして、屋敷を出ようとした時。


「待ってください!!」


出る直前で、オルバーさんとベニーさんが息を切らせながら僕達の元へ。

取り敢えず、息を整えさせるまで僕達は待つことにした。


「ハァ…ハァ…。 実は貴方達に伝えたい事がありまして…。」


「え? 何がですか?」


何と僕達に伝えたい事があるとの事で急いできたみたいだ。

すると、2人は僕達に土下座をして…。


「セイラスの皆さん、この度はありがとうございました!!」


「貴方達のおかげで彼女を母と思う事が出来ました!! 今回の事は絶対に忘れません!!」


と僕達に何と改めてお礼の言葉を…。


「いや、そんな…僕達は別に…。」


「特に僕なんて…貴方達にあんな酷い…。」


「いえ…正直言って…嬉しかったんです…。 私達の為にあんなに怒ってくれたのは…父以外で初めてで…いや…死んだ母の姿が見えたんです。」


「だからあたし達、本当に死んだ母の姿を見れた感じがして…嬉しかったんです…!」


何とミュラの怒りをぶちまけた姿が、自分達の母親の姿が見えたとの事。

それを聞いてからかミュラは恥ずかしそうに照れてしまってる。

そして、最後に2人は僕達にこんな事を。


「あの…またここに来てくれる事は無いでしょうか?」


「皆さんに会えるのが最後と思いたく無いんです…。」


何とまた来て欲しいと頼んできた。

それに僕はこう答えた。


「分かりました。 その時は、良いお出迎えをお願いしますね。」


そう言うと2人は揃って「ありがとうございました!!」と僕達にお礼を言い…

それを聞いた僕達は、屋敷を出た。


3大ロド商家


数ある商業を栄えていた商家の中でも特に盛んだったのがカールロド家、ハマイロド家、ノランロド家。

アトミアラの貿易を盛んにさせた功績と代表を称え、それぞれ家名の最後にあるロドを取り、現在のアトミアラの通貨[ロド]を作った。


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