↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/79

第29話 事件の真相 後編

「…ちょ…ちょっと待ってくださいよ…! 父が暗殺者と手を組んだ茶番劇って…そんな冗談なんて…。」


「お兄さん、確かに貴方の言う通り理屈はそう考えてもおかしくは無いだろうけど…何よりも証拠が無いでしょ? ふざけた事だと…。」


オルバーさんとベニーさんが真っ先に否定していく、

それに続いて関係者の人達が僕の結論に対して抗議し始める。

だが、勿論証拠はある。


「証拠なら有りますよ。 と言っても、ある不自然な事が証拠ですけどね。」


「え…それ、どういう意味?」


「ミュラ!」


僕はミュラを近くに呼ぶ。


「何だ、ベル?」


「ねぇミュラ、あの"メイドさん達"の中にさ、僕達が初日に会った[背の高いメイドさん]いる?」


「え…?」


僕は、集められたメイドさん達を指してミュラに確認させる。


「ほら、リオさん並に背の高いメイドさん。」


「あの人か……あれ?」


ミュラは集められたメイドさんを全員見て確認するが。


「…いない…。」


「…やっぱりね。」


ミュラの答えは[いない]。

僕の記憶通り、あの[メイドさん]は確かにいない。

するとその答えに、真っ先に反応を示したのはタイラーさんだった。


「な…何を言ってるんだね? うちの所属してるメイドはこれで全員だぞ!?」


タイラーさんはこれで全員だと言い張るが、誤魔化したってそうは行かない。


「タイラーさん、誤魔化しは良くないですよ。 昨日、貴方の元に依頼について話を聞いてくれたり、貴方の元へ案内してくれたメイドさんを知らないとは言わせませんよ?」


「…ぐ…だが…。」


往生際の悪いタイラーさんに追い討ちをかけたのは…。


「確かに…言われてみたら…一人いないような気が…。」


「あの子…一体どうしたのかしら…?」


「今日、いなかったよね?」


「うん、というよりもご主人様と頻繁に何か話してたし…。」


タイラーさん以外の家族そして屋敷の関係者。

それもそうだろう、目撃したのは僕とミュラだけならばともかく、屋敷の関係者全員が見てるのならば、言い逃れなんて出来ない。

これだけ多くの証人がいるならば…。


「…。」


タイラーさんは言い返す力も無かった。

そして僕は…暗殺者の正体を突きつける。


「これでもうお分かりでしょう…。 昨日、この家を襲った暗殺者は…その[メイドさん]です。」


僕は、あの[メイドさん]が暗殺者だというのを皆に伝えた。

次に僕は、彼女が来ていない理由を教える。


「彼女が今日姿を見せていないのは、僕が昨日、彼女を屋根から落としてしまった為、つまり怪我をしてしまったから今日は来ていない…いや来れないんです。 もし仮に今日、姿を現せば…怪我をした姿を見せてしまい、一目でバレる訳ですからね。」


「そうか…だから…。」


「だとしても…何故、父はそんな事を?」


オルバーさんが、その計画を立てた理由を僕達に聞く。

ここからは本当に僕の推測だ…当たってるかどうかは分からないが…こうでも無ければ、やる理由が見当たらない…。


「それは…この騒動を止める為ですね。」


「…は?」


「おそらくタイラーさんは、貴方とベニーさんがマーベルさんと言い争ってるのを聞いていて、何とか止めなきゃいけないと思ったのでしょう。 暗殺者が現れて家族が再び一丸となる為に…。」


僕は、その理由を全員に教えた。

というよりもこれは僕の推測だけどね…。

それを聞いたタイラーさんは…もう観念したのか…自ら本当の理由を話し始めた…。


「えぇ…貴方の言う通りです。 家族内で言い争ってるのが…辛くて…私は嫌になりました。 ある騒動を起こして、その家族内の争いを無くすことが出来ればと思い…!!」


やはり僕の推測通りの理由だった。


「だからですよね。 メイドさん達に負担を掛けないように、住み込みにしないで、別館を作らせて住まわせるのも。」


「えぇ…。」


何とも言えない気持ちだった。

家族内での争いを止める為に…わざわざこんな気配りまでするとは…。

それを聞いたマーベルさんは…落胆してこんな事を…。


「そんな…やっぱり…私が原因…。 ようやく分かったんです…やっぱり、私はここにいてはならない…!!」


「それは違います。」


リオさんが、ここで話に入る。

するとリオさんは…


「多分、お2人はマーベルさんが…心配だからなんでしょう。 確か…お2人のお母さんは…旅をしてる途中で亡くなってしまったんですよね。 それで…自分達のお母さんみたいにまた失いたくない…そう思って…お2人は敢えてマーベルさんを…。」


続け様にマシューも


「それにマーベルさんは、献身的にタイラーさんを支えていたんですよ。 その姿を2人も見ていた訳ですから…。 多分、愛情の裏返しなんでしょうね。」


マシューがリオさんの話にフォローを入れる。

その2人の言い分を聞いていたオルバーさんとベニーさんは…それに対して何も言い返さずに…次の瞬間、2人は…。


「…怖かったんだ…。 また…失うんじゃないか…父を献身に支えた人ですよ…? そんな人が…いなくなるなんて…私は…。」


「だから…あたし達、敢えて傷つけさせて…出ていかせよう…ここから離れさせようと思って…。」


声を震わせながら、その理由を語る2人。

しかし…それを聞いて…ある人物の怒号が飛び交う。


「そんなのは愛情でも何でもない!! ただ、素直に言えないのを言い訳に甘えてた愚かな考えだ!!」


ミュラの怒号で、周りの空気が一気に変わる。

リオさんもマシューもそれに驚きを隠せずにいた。

怒号を飛ばされた当の本人達はそれに唖然としてしまう。

そしてミュラは続けて…


「家族だから、大切だからって…愛情の裏返しだから? そんな考えがマーベルさんに伝わると思うの!!? 二人が今までやってきたのは、この人をただ傷つけてただけ!!! 愛情の裏返しなんて…ただの言い訳!!! 素直になれないせいでどんな事が起きたのか分かってるんですか!? マーベルさんだけじゃなく、タイラーさんも周りのメイドさんも、お二人の兄妹も、そんな行為のせいで皆傷ついて、最終的に昨日の事件を起こしたですよ!! そんなのも理解できないんですか!!!?」


ミュラの激しい怒号は…屋敷中に広がり…全員が唖然としてしまってた。

それを直接で聞いた、オルバーさんとベニーさんは…青ざめた表情に変わり…最後にミュラは…。


「お二人がこれから行うのは、リュブオン家の関係者全員に謝る事ですよ!!!」


2人に謝罪を要求させる。

それを聞いて、オルバーさんとベニーさんは…青ざめた表情で泣きそうな顔になりながら…リュブオン家の人達に謝り始めた。


最後にマーベルさんに謝る際は…2人は声を震わせて…泣きながらマーベルさんの前で土下座をして今までの事を詫びた。


その後、ミュラは流石に言いすぎたのか…。

リュブオン家の人達に…


「部外者が…怒鳴り散らしてしまい…申し訳ありませんでした…。」


と謝罪する。

だが、タイラーさんは


「そんな事は無い、これで家族の溝が無くなったんだ…。 君には改めて感謝をするよ。」


と感謝の言葉を述べてくれた。

そして、その合間に僕は…タイラーさんにあの事について聞いた。


「タイラーさん、ちょっと良いでしょうか?」


「ん、何だね?」


「その…昨日この屋敷を襲った人について…教えてくれませんか?」


最後にディレンの怒号が炸裂、ディレンはこう見えても純粋なタイプの人間で、「愛情の裏返し」的なツンデレの行動は大嫌いなタイプです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。