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第28話 事件の真相 前編

「アルベールさん、いきなり…どうしたんですか?」


「何か…事件の真相が分かったとの事ですが…どういう事ですか?」


僕は、リュブオン家の関係者全員を玄関前のホールに集めた。

それを行ったのは勿論、事件の真相を…その経緯を全ての関係者の人に聞かせる為。


「えぇ、昨日起きた襲撃事件の真相が分かったんです。」


「まさか…あの事件が誰かに仕組まれてやった事とか?」


そう言うオルバーさん、正にその通りの事を言った。


「正しくその通りです。 今回の事件はある人物が考えた事なんです。」


ザワザワ…


やはり皆、動揺し騒ぎだす…。

それもそのはず、自分達が殺されるかもしれない恐怖が実は身内の仕組まれた茶番だなんて信じられないだろうから。


「まず、僕が昨日おかしいと思った点をお話します。 1つ目、襲撃の際、何故かは分かりませんが窓が割られず普通に開けられた事。 暗殺者の割には随分と礼儀正しく入ってきたものですから…。」


「窓…? 確かに、言われてみるとあの時は割られてなかったですね。 ただ、それのどこがおかしいんですか?」


現場にいたはずのオルバーさんはどうやら違和感に気づいてない様子。


「確かに普通ならおかしい点なんてありませんが、ただ不用心だなと思いまして。」


「不用心…? あっ…!!」


「普通に窓が開けられるって事は、[鍵が閉まって無い]ですからね。 ましてや、この街は暗殺者がはびこる治安の悪い街、そんな街でこんな行動するなら、[どうぞ入ってください]な行為ですよね?」


その理由を説明すると、関係者のほとんどは納得した。

だが、唯一彼だけは…。


「そう言われると…だが、それだけならば、たまたま鍵を閉め忘れた事だって…。」


やはりタイラーさんだけは、言い逃れの出来る言葉を投げ掛けた。

しかしながら、これに関しても関係者の人達はまた納得する。


「まあ、確かにそれだけだとそう考えてもおかしくは無いですね。 ただ、それだけじゃないんですよ。」


「他に理由が? どういう事でしょうか?」


アミーナさんが食いついてきた。

それに応える様に、僕が次に説明した不自然な点は


「はい、僕が不自然に思った2つ目は、依頼内容の相違です。 求人に書かれた内容と実際のと違うので、何故なのかと思ったんです。 そしたら、うちのパーティーの中にタイラーさんを良く知る人物がいましてね。 その人に聞いたら…タイラーさんは昔、熟練の冒険者だったとお聞きしました。」


「えぇ、貴方の言う通り、私は昔…冒険者でした。 ですが、それが関係有りますか?」


最初は僕もそう思った…依頼内容が違う事がおかしいと…。

しかし…それは大きな勘違い…実際には、依頼内容という事じゃなく…


「まあ…依頼内容の相違というよりかは…依頼そのものが不自然だという事ですかね? この家は見て通り、暗殺者に狙われてもおかしくないくらいに豪華で資産も多くあります。 そしてあるパーティーメンバーから聞いた話によると、貴方は10年程前からここに住んでる模様ですが、今でも住み続けてる事が何よりもおかしいんですよ。 仮に用心棒を毎日雇ったとしても資産が枯渇するわけですからね、それは難しい。 しかしこうして安心して過ごせてるのは…貴方の実力が高いからでしょう。」


僕は長々とその説明をする。

するとタイラーさんの様子が…先程と違い…図星をつかれた様に…何も言えなくなってしまってる。

だが、それでも僕は構いなしに3つ目の不自然な点を話す。


「そして…3つ目は、タイラーさん貴方の様子です。 昨日、暗殺者を撃退した時、貴方は何故か心配しましたよね…?」


僕は、あの時の不自然な事をタイラーさんにぶつけてみた。


「心配…まあ、暗殺者とはいえ、そりゃ無事なのかと心配しますよ。」


「ただ、家族を狙った奴を心配するのは、一家の主としてはどうかと僕は思いますけど。」


「う…。」


「あ…あなた…。」


タイラーさんは僕の反論に何も言い返せなかった。

その様子を見たマーベルさんは不審な目でタイラーさんを見る。

そして…


「そう…今回の事件…考えられるのは一つ。 これはタイラーさんとその暗殺者が仕組んだ茶番劇であるという事、そうとしか考えられないのです。」


僕は思いきってその言葉を関係者に伝えた。

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