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第26話 ベルの感じた不自然な点

「違和感…? 何かおかしい所でもあったんですか?」


「うん…実はさ、マシュー。 今回の起きた事件で何か不自然な点が幾つか有るんだよね。」


僕は、今回起きたリュブオン家襲撃の違和感がどうしても離れなかった。


「まず1つ目、そもそもの依頼内容が違う事だよ。 求人に書かれてたのは主人のタイラーさんを守る事なんだけども、実際には家の人達を守って欲しいって事、良く考えればタイラーさんの実力が高いからだろう。」


1つ目は依頼内容。

タイラーさんを守る事の内容だったはずなのに、実際は家の人達を守るという事だった。

今思うとおかしいはずだ、けどもマシューに言われたタイラーさんの実力の高さを考えれば、依頼の内容が違うのも合点。

自分の事を守る必要は無いからね。


「そうか…依頼の内容が違うのはそういう事か。」


「あぁ、それにまだ不自然な点はあるよ。」


「どういう事だよ、ベル?」


僕が感じた2つ目の不自然な事。


「2つ目は窓の鍵だよ。」


「窓の鍵?」


「そう、あの時おかしいと思うんだよ。 何でさ、窓が何故か普通に開くようになってたのか? もし、僕達が侵入する立場になったらどうやって侵入する?」


僕は皆に侵入する際の質問をした。


「侵入する時…ですか…?」


「そりゃ…まずは鍵が開いてるかどうかを確かめるかな…?」


「そうだね、じゃあ鍵が開いてなかったらどうする? マシュー、君ならどうする?」


次に聞いたのは、[鍵が閉まってた場合どうするか]。

その答えをマシューに聞いた。


「ええっ!? そりゃ…やっぱり、割るしか…。」


「ん? ちょっと、待ってくれ? ベル…あの時確か…!」


どうやらミュラはやっとで気づいた様だ。


「そう、あの時窓は割れてなかった。 むしろ、窓がキレイに開くなんておかしいだろ?」


「でも、ベルさん、窓の鍵を閉め忘れることなんて…。」


リオさんはタイラーさん達がうっかり閉め忘れたと言いたいのだろうが…


「普通の町とか村だったらね。 けど、この街の状況って…。」


「あっ…!」


そう、普通ならあり得ないのだ。

窓の鍵を閉め忘れるなんて…むしろ、こんな[暗殺者]がいつ現れるかも分からない…襲われるかも知れないこの街でこんな事は…自殺行為に等しい。

ましてや…


「そんな事、絶対あり得ませんよ! その上、資産家の家だったら尚更です! こんな危険な治安の街で、鍵を閉め忘れたら、[どうぞ入ってください]と言わんばかりの行動ですよ!!」


マシューが僕の言いたい事を代弁してくれた。

いや、むしろこの街に来た事のあるマシューが言えば、説得力は僕が言うより数段上だ。


「先程、マシューの言った様に、あんな鍵を閉め忘れるなんて事は普通ならあり得ない。 だとすれば、誰かが故意に鍵をあらかじめ開けといたって事になる。」


「そんな…じゃあ…。」


「そして…僕が感じた不自然…これが最後の3つ目。 タイラーさんの様子。」


僕が感じた3つ目の不自然な点は、タイラーさんの様子だ。


「そもそも暗殺者を撃退した時、少し心配そうにしてたんだ。 こんな街中で暗殺者が何をする奴かは分からない、まあ…普通だったら安堵するはずなのに、そんなにしなくても…大丈夫なのかみたいな反応をしていたんだ。」


あの時…タイラーさんは「え…屋根から?」とまるで屋根から落ちた暗殺者を心配するかのような事を言ったのだ。

しかも…それだけじゃなくマーベルさんが僕達に依頼を頼んだ際も、タイラーさんは…まるで僕達に頼みたくない…そんな雰囲気が漂ってた…。


「そう言われると…確かに…。 僕だったら、喜ぶには至らないけど、少し安心はするかな…?」


ミュラもタイラーさんの反応にはおかしいと思ってる様だ。

僕はこの事から、今回の出来事はおそらく…


「もしかしたら、タイラーさんの[芝居]なのかもしれない。 何の理由が有るのかは分からないけど、そうじゃなきゃ…こんな不自然な事は…!!」


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