第20話 貸家での分担決め
貸家生活初日の夜
僕は、ミュラにあの事を話した。
「ええっ、この街ってそんな物騒な街なのか!?」
「あぁ。」
「暗殺者なんて…じゃあ、僕達も狙われる可能性が…。」
「狙われるかどうかは分からないけど、ほら…まあ実際…。」
僕はある紙をミュラに見せた。
「うわ…マジかよ…。 [暗殺者現れる]の記事…! 洒落じゃないな…。 未遂に終わってるとは言え…怖いわ…。」
ミュラが僕の渡した新聞記事を見て青ざめる。
「すいません…もう少し早くに喋っておけば…。」
それを見ていたマシューが気まずそうな顔をしてしまう。
「いやいや、そうじゃないよ! 別にマーシュアちゃんを責めてる訳じゃないから。」
「まあ、それに…僕達の最終的な目標は…[一つの村]を作る事だからね。 経験を積むためにも、こういった事は必要だと思う。」
僕はあくまで前向きな案で皆を奮い立たせようと試みたが…
「ベル、確かにお前の言う通りかも知れない。ただ、良い経験にはなるだろうが、それでも油断や警戒は怠らないのが良いんじゃないか?」
ここでミュラが僕の考えに対して反論を物申してきた。
ミュラは続いて…
「暗殺者なんてどんな奴なのかどうかも分からない、もしかしたら"暗殺"を好んでいるような奴かもしれないし、"報酬"目当てで仕事してる奴かもしれない。 それにそいつらに慈悲の心が有るのかどうかすらも分からないから…出くわした時、どう対処する? 前を向くのは良いけど、足下を良くみてから行動した方が良いぞ。」
ミュラの懸命な言い分を聞いた…。
それを聞いていくが…僕は不快に感じない。
ミュラのこの言葉が…僕を助けてくれたりしたからだ。
今回もそう…彼の言う事は確かにその通りだ。
もしかすれば…冷酷で無慈悲な暗殺者と思うと、僕達は仲間を失うどころか一気に全滅される危険性が高い、そう考えると…。
「だから、今回は…この貸家に最低でも2人はいた方が良いと思う。 1人よりも2人の方が戦力的に不安も無いし対処もしやすい、ベル…どうする?」
ミュラの意見を聞いて、僕は納得した。
だが…リオさんとマシューはどう思ったのか…?
それが気になるものだ…。
「私は、ミュラさんの意見に賛成です。 暗殺者がどんな人なのか分からないですし…危険ですからね。」
「私もです。 この街の危険性は相当ですから、一応の用心はした方が良いです。」
二人もミュラの意見に賛成の様だ。
反対するんじゃないか心配だったが、賛成してくれて良かった。
「これで決まりだ。 じゃあ、今回はバイトと待機をそれぞれ2人ずつに。 そうと決まれば、今日は寝よう。」
今回の計画が、これで決まった。
決まった後、僕達はそれぞれの部屋に戻って寝る事にした…。
次の日…
「じゃあ…決めよう…。」
「バイトと待機…どちらになるのか…。」
朝御飯を食べた僕達は、バイトか貸家の待機かを決める"くじ"をやる事にした。
4本の木の棒のうち…下が赤色に塗られてたら"バイト"という形で。
「せーの…そらっ!」
バッ!!
僕達4人は、一斉に"くじ"を引いた。
僕の引いた"くじ"は下が赤色だった。
という事は…僕は"バイト"という事になる。
「(もう一人は…?)」
「私…赤色です!」
どうやらもう一人はリオさんのようだ。
これで今日の分担が決定した。
バイトは僕とリオさん、待機はミュラとマシュー。
「よし、そうと決まればさっそく行動開始!」
僕とリオさんはバイトに行く支度準備を済ませ、貸家を出る。
貼り出されてる求人を見て、僕が選んだのは"レストラン"のバイト。
リオさんは、"カジノ"のバイトのようだ。
少し心配にはなったが…彼女が「大丈夫です!」と言って、そそくさと向かったからな…。
まあ、やるしかないな。
僕も僕で頑張らないと…。
「よしっ! やりますか!」
僕も気を引き締めて仕事場へと向かった。




