第19話 セイラス、第3の町 ライベリットに到着する
ダンジョンをクリアした僕達、
[セイラス]というパーティー名も決まって新たなスタートも切った。
道無き道を歩いてく僕達…全ては[ライベリット]の目的地の為に…。
そして、僕達はようやく…。
「ハァ…あ、マシュー! あの町がライベリット?」
「ん? はい、そうです!! 良かったー!」
マシューにも確認してもらい、目の前にある町が[ライベリット]かどうかを聞く、どうやら間違いない模様。
「よっしゃー!! やっと着いたー!」
「ハァ…けど、結構疲れましたね…。 ううっ…。」
「そりゃ無理も無いですよ。 ダンジョンでかなり動きましたから…。」
皆、疲労感を持って…次の町へ足を踏み入れようとしてる。
無理もない…少し前までダンジョンで激しい戦闘を行ってたものだから…。
ライベリットの町は、他の2つの町とは違い、近代的で少し都会の様な雰囲気が漂っていた。
"町"と言うよりも"街"の要素が多い町だなこりゃ…。
「それじゃあ、いつもの様に宿屋見つけましょうか。」
「おっ、リオさん、分かってるね♪」
「もう出会って一ヶ月経ちますからね。」
これには僕も、リオさんには一本とられた。
リオさんの言う通りに、いつもの事ながら拠点となる宿屋を探し始める。
ガサガサ…
「よし…じゃあ…。 早速だけども、また資金稼ぎをしましょうか。」
「おー!」
ようやく見つけた宿屋の室内で、資金稼ぎの話をする事に。
「今日はどんなバイトにする?」
「そうですね…普通に私は飲食店のアルバイトにしましょうかね?」
「なる程ね。 マシュー、君は?」
「私はお花屋が良いです。」
「OK。ミュラ。」
「僕は肉体系だな、賃金も良いから。」
「分かった、ちなみに僕は鍛冶屋にしようと思う。 じゃあ、求人を見て早速行動に移そう。」
「OK!」
こうして、今日の各自行うバイトの希望が決まった。
今の僕達の所持資金は23万1500ロド。
今回、目標の資金は…
「今回は思い切って、50万ロドにしようか。」
「ご、ご…50万って…!!」
「ちょっと、ベルさん!! そんな、今私達の所持金の倍以上ですよ!!」
と女性二人からナゼと聞かれたが…
「今回、新しい試みを行おうと思ってね。」
「試み? 何をするんだベル?」
「あぁ、今回…ここに1ヶ月程滞在しようかと思うんだ。 その為に、ある貸家を1ヶ月程借りようと思ってね。」
そう、今回は1ヶ月程この街に滞在しようと考えたのだ。
その理由も…
「やっぱ、お金が貯まらないのって、下手に宿屋に住んでいるからかなと単純に思ったんだ。 だからその対策の為に、貸家を借りようとね。」
「あー…成る程…そういう事ですか…。」
そう、手っ取り早くお金を貯める為に貸家を借りる事に。
実際、宿屋だとお金は掛かる上に、食事も外食偏りになる為、栄養バランスが取れない。
後々の事を考えると、貸家の方が利点が沢山ある。
「それに、残ってる食材を全て使いたいって事だろ、ベル。」
「まあ、単純に考えるとそうなるかな?」
僕の考えを伝えた後、彼女達の答えは…。
「まあ、貸家に関してはこの街には沢山あるんで、借りるのも悪くないですね…。 私は賛成です。」
「私も皆で囲んで料理を食べたいですし、そう考えれば貸家を借りるのが一番ですね。」
「うん…じゃあ決まりだ! ミュラ、明日貸家を借りる為に話を今から行ってくれないかな?」
「おう、分かった!」
実際の貸家は向かうのは、早くとも後日になる…。
ミュラに貸家の主と話し合いを向かわせる。
残った僕達は、マシューからこの街の事を聞いた。
「この街ですか…まあ、かなり広い街ですよ。 ここに住んでいる人…というよりこの街は治安が悪いです。 やはり、街というだけあって…色んな人がいますからね…。」
「成る程…となると、貸家には最低でも一人は家にいた方が良いかも知れないね。 物を盗まれたりしたら大変な事になる。 重要な事を教えてありがとう、マシュー。」
「いえいえ、そんな…。 ただ…。」
「ん?」
マシューが何故か言葉を詰まらせている。
何かまずい事でも知ってるのかな…?
「マーシュアさん、どうしたんですか?」
「マシュー…話したい事があるなら、早めに話して。」
「はい…分かりました。」
重い口を開いて…マシューが言いたい事を話し始めた。
「この街には…[暗殺者]がいるみたいで…結構、物騒なんですよ。」
「あ…あ…暗殺者…!! 怖っ! 物騒も物騒ですよ、そんな危険な人間がいるなんて!?」
何とこの街には[暗殺者]がいるとの事…正直、物騒がまだマシだわ…。
「前途多難だな…。」
僕らは恐怖心を抱きながら宿屋に入る。
次の日、
僕達に貸してくれるという家に行く事に。
「これが…これから一月住む家か…。」
「まあ、最近まで使われてたらしい。」
僕達の想像してたのとは違っていた。
大きめの家で、少しクモの巣が張っているものの…極度にボロボロの家という訳では無かった。
つい最近まで手入れが施してた感じだ。
「ここって幾らしたの?」
「一月でそうだな…8万ロドって所かな?」
「へー、意外だな…もっと10万以上すると思ってたけど…。」
「ま、そんな事よりも早く中に入りましょう。」
「そうだね。」
キイ…
中に入るとこれまた意外、最近まで使われた事が示される様に中はあまり汚くなかった。
その上、広い…。
これで一月8万ロドなんて…ちょっとお得すぎるような…。
「何か…おかしいですね…。 これで8万ロドって…。」
「確かに…。」
「まあ、怪しいとは思うけど…取り敢えず、荷物置いたら掃除しようよ。」
「まあ、あまり汚くないとはいえ、住むにはまだ…ね…。」
僕達は、まずこの家を掃除する所から始める事に。
最近まで手入れしてても、住むまでには至らない。
ゴシゴシ…
ザッ…ザッ…
ポンポンポン…
「ゲホゲホッ!! やっぱり、目に見えないホコリもあるもんだ…ゲホッ、ゲホ…。」
ミュラが咳き込みながらはたきでホコリを落としていく。
「まあ、今日一日でとにかく住めるまでにはキレイにしないと、後々困るしな。」
「そうですね…ベルさん。 衛生上、身体にも心にも良くないですしね。」
「エルフの血が入ってる私としても…衛生的にキツいです。 一日、二日なら掃除しなくても良いと思っても、一月住む訳ですからね。 徹底的に掃除…ゲホゲホ…しないと…。」
掃除していくと、目に見えないホコリや汚れが現れ、思わず咳き込んだりしてしまう。
「よし、こんな所で良いかな?」
一日掛けて家の中を掃除した結果、入った直後とは全く別の家に変わっていた。
「よし! じゃあ、ここらでご飯にする?」
「そうしましょうか、私…お腹ペコペコです~…。」
掃除に夢中でご飯食べる忘れてたからか…終わった後に空腹がやってきてしまった。
マシューは、ペタリと床に座り込んでしまう。
「じゃあ、残ってる食材を使ってご飯作りましょう。」
旅の途中で残ってた食料を使って、今日のご飯を作ることにした。
ただ、ミュラには後で…[暗殺者]の件は喋っておこう…。




