第17話 初のダンジョンチャレンジ
ザラールの町を出て一週間程経った頃…
ガサガサ…
「うわ…本当にあった…。」
「マシュー、これが君の言ってたダンジョンかい?」
「はい。」
旅の途中で遂に見つけてしまった[ダンジョン]。
「ふーん…こりゃ、[ダンジョン]というよりも…洞窟だな…。」
「えぇ、まさにミュラさんの言う通り、冒険者の中では[森影の洞窟]という名前で呼ばれてます。」
[森影の洞窟]と言われるダンジョンは、まさに森の影に出来た…洞窟…。
一見するとほら穴の様に見えるが…実際は違うみたい。
「つまり、ほら穴だと思って入った穴が実は洞窟となっており…足を踏み入れたら…という事か…。」
「はい、実際…中はモンスター達の住処となってますので、良くこの洞窟に入り込んで…酷い目にあう人も…。」
まあ、うっかりして入ったら偉いことになるというのは間違いないな。
「じゃあ…皆、行くよ…。」
僕はパーティーの先頭に立って、いよいよダンジョンの中へ…。
進んで行くと、やはり…荷物やら武器やらで…おそらく挑戦を途中で断念したであろう残骸が大量にあった。
「うっかり入った挑戦者の末路か…。」
「何か嫌ですね…。」
歩きながらこのダンジョンの話題で話してると…。
ザザッ…!!
「うおっ!! お出ましか!」
僕達の前にモンスターが現れた。
出てきたのは、オークとゴブリンとサイコウルフの計30体程の全て下級のモンスターばかり、僕達も戦闘態勢に入り武器を構える。
「それじゃ私から!! そおりゃぁ!」
ズバズバッ!!
まずはリオさんが、見事な剣技でモンスターを5体程倒してく。
それに負けじと今度はマシューが…
「それじゃ、次は私ですね。」
マシューは自らが得意とする双手のスキルを使ってなのか、剣の二刀流を装備。
「そらそらっ!! はい、はい、はーーーい!!」
ズバッ、ドスッ!! ズバッ!!
マシューの攻撃により、モンスターは5体程倒れる。
すると、奴等も彼女達の強さに恐れを成したのか…警戒をし始めた。
中には逃げようとする奴もいるが…
「逃がしはしないよ!!」
直ぐ様、ミュラが奴等の逃げ道をふさぐ、そして構えてた槍を振りかざして、敵を倒していく。
「そら、そら、そら!! 逃がすもんか!!」
ドスッ!! ドスッ!! ドスッ!! バキッ!!
ミュラの攻撃でモンスターは7~8体程倒れる。
モンスター達は、僕達に対してもはや戦意はほぼ無い状態だろう。
しかし…油断は出来ない。
「残念だけど、情けは流石に無理だよ。」
僕は、残った敵を一気に倒すため、長銃の部類に入る"散弾銃"を装備し。
「喰らえ!!」
ドォン!! ドォン!!
バシャッ!! グシャ!!
容赦なく"散弾銃"を発射する。
散弾が次々にモンスターに直撃し倒れてく。
これにより、残った敵を一掃する事が出来た。
「ふぅ…こんな所か…。」
「しかしながら、あまり強くないモンスターでしたね。」
リオさんが余裕な感じでそう言うが
「いや、油断しない方が良い。 もしかしたら途中で桁違いのモンスターが現れる可能性もあるから。」
しかし、僕は警戒心を弱める事はしない。
何故ならば…
「証拠にさ、落ちてる武器を見て、この武器って上級ランクの武器なんだよ?」
「あっ、そう言われれば…!!」
それに気づいたリオさんは驚く。
普通に考えたら…あり得ない事だ…。
「それに上級の武器は、それなりに扱いづらさもある訳だからね、この武器だとスキルのレベルは最低でも5か6は無いと扱えないレベルだからね。」
だが、その上級の武器がここに落ちているという事は…。
途中で…何かあったのは間違いない…。
しかも…彼女の証言で間違いなくこの洞窟には何かが起こってる事は確か。
「何でしょう…私が前のパーティーにいた時よりも雰囲気が違います…禍々しさが…より一層大きく…。」
この洞窟を経験しているマシューが感じ取った禍々しさ…
「まさか…[ディメント化]したモンスターがいなきゃ良いですけど…。」
「そうだとしたら大変だな…。」
マシューの言った[ディメント化]、
実はこの[ディメント化]というのはモンスターが狂ったかの様に普段の強さとは全く違う状態になる事。
例えるならさっきの雑魚レベルモンスターが[ディメント化]してれば、初級レベルのダンジョンボスと成りかねないのだ。
それを聞き…僕は警戒心を一層強める事に。
ボカッ!!
「ふぅ…どう?」
「あぁ、徐々に強くなってるが…そこまでの強さでは無いな。」
その後も僕達は奥へ奥へと進むが、ミュラの言う様にモンスターの強さはそこまででは無い。
先程倒した、[スケルトンナイト]も初級モンスターの中では強い部類には入るが、そこまでの強さは無い。
だとしたら…一体何なんだ?
「現に、ここにも武器や荷物が捨てられてるね。」
「あぁ、確かに。」
「でも一旦、安全な所を探して休みましょうよ。 少し疲れてしまいました…。」
リオさんが少し休みたいと言い出した。
「そうですね、じゃあ安全な場所を見つけて少し休みましょう。」
「「賛成!」」
僕達は、安全な場所を見つけて休むことに。
ミュラもマシューも賛成をしてくれた為、僕達は洞窟内で比較的安全な場所を探し始める。
「ここら辺で、休むとしますか。」
僕達は洞窟内で見つけた、水辺の近くで休むことにした。
休んでいる最中、突然リオさんからこんな事を聞かれる。
「あの、ベルさんは色んな所を旅してるようですが…一体何故?」
と、旅の目的を聞いてくる。
「んー…そうだね…。 まあ、一番は将来の為?」
「将来の為?」
「えぇ、いつか。 安全な地で皆が楽しく暮らせる"村"を自分で作りたいなと。」
僕は本当の目的を話した。
これは僕の嘘偽りの無い、本当の目的だ。
勿論、それに至った理由はあるが…話しても理解してくれるかは分からない…。
「そうなんですね…ふふっ、やっぱりベルさんと一緒にパーティー組めて良かったです。」
「え、どうして?」
「こういう目的の為に旅してる人、私は羨ましくて。」
「分かります、ベルさんと一緒にいると私、楽しいですもん!!」
マシューもリオさんに続いて言う。
「それはありがとう。」
皆でわいわい楽しんで騒ぐ時間はあっという間に過ぎ、再びダンジョンへ立ち向かう僕達だった。
ズバッ!!
ガギンッ!!
奥へ奥へと進む僕達は、道中のモンスター達をものともせず進む。
ディメント化
リミッターが解除されてモンスターが凶暴及び強化する事
技や魔法の威力・攻撃力が増加する一方、
判断力が欠落し猪突猛進な行動が中心となる。




