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第14話 宿屋の訪問者

宿屋に戻った僕達は、それぞれの成果を話し合った。


「僕は…まさかだったね。 今日は3万ロドだよ。」


「ええぇーーー!!? さ、さ、さ…3万!? 何でそんなに稼げたんですか!?」


「薬屋の店主さんがスゴい好い人で。 僕が作ったポーションの出来でこの位と言われたんです。」


「うわー…スゴいな…。 それだったら、僕も薬屋のバイトすれば…。」


やはり二人とも僕が3万ロドを稼いだ事に驚きを隠せないでいる。

それもそうだ…二人の稼いだ額は21000ロド、つまり僕の方が多く稼いでしまったわけだから。


「まあ、また雇ってくれるかどうかは分からないけど。 あ、そう言えば、今日、[ガラバル]の一行を見たんだ。」


僕は今日の話題の中で、あの[ガラバル]の話題を盛り込んだ。


「[ガラバル]って確か勇者パーティーだよな? そんなスゴいパーティーがこの街に?」


「あぁ、まさかのね。」


「でもまあ…僕らとは何もかもちがうだろうなぁ…。」


ミュラがガラバルと僕らを比べるが、まあ確かに違うな。


「資金に関してはどうですか? 今の持ってる私達の資金で…次の町まではどのくらい持つのでしょう…?」


ここでリオンさんが僕達に資金の面で話をしてきた。


「そうですね…今、17万くらいですから。 普通に過ごすとなれば1ヶ月分の食料は買えると思います。」


「かなり持ちますね…。」


「とはいえ、どのくらいの距離なのか分からないですから…もしかしたら1ヶ月掛けても辿り着かない場合も有るでしょう。」


「まあ確かに。」


「取り敢えずは、30万位まで貯めてから考えましょう。」


「そうですね。」


そんな話を終えた時だった。


コンコン…


「あの、すいません。 アルベール様、アルベール様は今いらっしゃいますか?」


ここで部屋のドアを従業員さんが叩いて、僕がいるかどうかを聞いてきた。


「あっ、はい。 僕ならいますが。」


「貴方様に用事のある方が来ているのですが…。 お会いできませんか?」


何と僕に用事のある人が来たとの事…。


「ベル…どういう事だ?」


「えっ…ベルさん、貴方…もしかして、街中でヤンチャして…。」


「いやいやいや!! 僕、別に何もしてないですから!! まあ、行きますよ…。 誰なのか分からないですけども…会いに行ってきますよ…。」


リオンさんの訳の分からない想像には…流石に全力で否定した僕。

それに訪問者となれば…僕は会わなきゃならないね…。

どこの誰だか知らないけど…。


ガチャ…バタン


部屋を出ると、従業員さんが案内してその用事のある人の元へと連れてってくれる。


「(誰だ…一体…何者だ?)」


「あっ、あちらの女性です。」


「えっ、君は…?」


その正体はまさかの人物だった。

そう…あの特徴的な耳の持ち主…忘れるはずがない…。


「あっ、やっぱり…!! 良かった…。」


そう、昼間で出会ったあのエルフの女の子だ。


「いや…まさか、それよりも…どうしてここに?」


「色んな宿屋を回って、貴方様の特徴を従業員の方達に話回ったのです。」


「あ…成る程…。」


しかしながら、そこまでして僕を見つけたという事…まさかね?


「あの…昼間、私を誘ってくれましたよね?」


「え…あ、いや…その…。」


「実は嬉しかったんです…。」


「え?」


「仲間外れにされたばかりの私をこうして誘ってくれた事…本当に嬉しかったんです…。 ここまで良くして貰った方は…初めてだったので…。 だから、そんな貴方様に恩返しがしたくて…!!」


と、どうやら女の子は僕に恩返しがしたくて…


「私を貴方様のパーティーに入れてください!!! お願いします!!」


僕のパーティーに入りたい模様。

しかも土下座懇願…。

ちょっと流石にこれは…。


「いや、あの…そんな、こんなにしなくても良いよ。 歓迎するよ。」


「あっ! ありがとうございます!!」


僕は彼女の必死な願いに対して、迎え入れる事にした。

だけど、その前にやるべき事が…。


「あっ、でも…ちょっと待ってね。 僕のパーティーの人達に一応君が来る事を伝えておくから。」


まずはあの二人に報告する事。

じゃないと、厄介な事になるだろうから…。


僕は、自分の部屋に戻ると二人に「新しい人が来る」と伝えた。

二人とも、同じ様にどんな人なのか知りたいという事で、一度話し合う事に。

そして、宿屋近くの広場で四人で話し合う事になった…。

ある程度の彼女の事情を話し、それを聞いた二人は…[ガラバル]の実態を知って…。


「うわ…酷いパーティーだな…。 そんなの仲間でも何でも無いよ…。」


「私も気持ちは分かります…。 本当に…嫌ですよね…。」


彼女の気持ちを理解してくれた様子。


「私…皆さんの役に立つよう…精一杯働いたりするので…どうか、お願いします!!」


女の子は二人に対しても必死になって土下座で頼み込んだ。

それを見て僕も


「こんな事情だからさ、彼女をパーティーに入れてくれない? 何かさ可哀想に思えてさ…。」


僕からも彼女を入れてくれないかと頼み込む。


「そうだね、まあ僕は良いよ。 リオンさんは…?」


「そんな、私も大歓迎ですよ!! 仲間が増えるのは旅としては最高じゃないですか!!」


「おおっ! じゃあ、決まりだね!!」


「あっ…ありがとうございます!!!」


女の子は深々と頭を下げてお礼を言った。

こうしてまた一人、旅の仲間が増えた。

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