第15話 追放された彼女の正体、「ガラバル」の実体
エルフの彼女が仲間になった後、僕達はまず彼女の為にお風呂に行かせたり、服を買ってあげたりした。
さらに、宿も改めて4人に更新し、本格的に仲間として宿屋にも入れさせた。
「あの…私にこんなにしてくれるなんて…本当にありがとうございます!!」
「良いの良いの。あ…後、今更だけど…自己紹介しても良いかな?」
「え…自己紹介ですか?」
今になって気づいたが、僕達と彼女は自己紹介をしてなかった。
「そう言えば…まあ、今からでも遅くないね。 じゃあ、まずは僕から!! ディレン・ミュラリア、年齢は18で誕生日は1月15日!! 名字のミュラリアから愛称はミュラと言われてるよ。 得意なスキルは槍術と回復魔法、宜しく!!」
「次は私ですね。 リオン・ザーランド、年齢は17、誕生日は2月10日。 愛称は…特に有りませんけど…気軽に呼んでくれれば有りがたいです。 得意なスキルは剣です。 宜しくお願いします。」
二人ともそれぞれで自己紹介をして、続いては僕の番。
「僕はアルベール・リベルディ。 年齢は18で誕生日は12月の19。 愛称はベル。 得意なスキルは、まあ何だろうね? 自分で言うのも何だけど、オールラウンダーに全部レベルが4だから分からないかも、取り敢えず宜しく!」
僕達の自己紹介が終わって、いよいよ彼女の番。
「えーと…私、[マーシュア・ミラン]と言います。 歳は16、誕生日は7月19日の蟹座。 愛称は…分からないです、すいません…。 得意なスキルは、双手のスキルです、私は両利きなので。 こんな私ですけど、宜しくお願いします。」
彼女の自己紹介が終わった。
彼女は、マーシュア・ミランさんと言う。
やっと名前を知る事が出来たが…
「あの、マーシュアさん。 一つ聞いても良いですか?」
「はい、構いませんが。」
ここでリオンさんがマーシュアさんに何か質問が。
「マーシュアさんってエルフの種族なんですか? 耳が特徴的なので。」
どうやら彼女がエルフなのかどうかを聞いてきた。
まあそれは確かに気になるな。
「あー…実は私、エルフと人間のハーフなんです。 父親がそうでしたので。」
彼女の答えは何と意外なもの、実はハーフだった事。
そして彼女は続けざまにこんな事を。
「あの…アルベールさん。」
「ん? 何?」
「こんな事を聞くの…図々しいかも知れませんが、私にもディレンさんのような愛称を…。」
何と彼女は僕にミュラの様な愛称が欲しいと頼まれた。
「えぇ、いきなりそう言われても…。 う~ん…そうだなぁ…。」
僕は名前の[マーシュア]から考えることに…。
そして少し時間を掛けて…。
「それじゃ、[マシュー]ってどう?」
僕が考えたのは[マシュー]という愛称。
それを聞いた彼女は…
「マシュー…マシュー!! ありがとうございます!!」
どうやら気に入った模様。
するとその直後、リオンさんから。
「えー…ズルいですよ…。 ベルさん、私にも良い愛称を~。」
「ちょ…ちょっと!」
何と腕に抱きついて頼み込んできた。
しかしながら…意外と豊満な胸が僕の腕に当たってるし…!!
「分かりました! 分かりました!! えーと…じゃあ…リオンさんは…んー…。」
僕は理性が飛ぶ前に短い時間の間に考えた。
その際にチラリとミュラの方を見たが…嫌にニヤニヤしてこっちを見てるし…!!
くそー…ミュラめ!!
「じゃあ、リオンさんは…[リオ]でどうですか?」
「リオ…リオですか…良いですね♪」
「そ…そうですか…気に入って何よりです。 後、すいませんけど…離れてくれません? 理性が持たない…。」
「えっ…あぁ~これは失礼しました。」
と何とか気に入ってくれた為、離れる事が出来た…。
危ない危ない…。
「よし!! それじゃ、早速。 マシュー、良いかな?」
「はい、何なりと!!」
僕はマシューに僕のパーティーについての事情と説明をした。
「実はぼくらのパーティーはギルドに加盟してなくてね。 冒険者という立場でも無いんだ…その為に資金を求人のアルバイトとかで稼がないと行けない…。」
「つまり、収入源を得る為に働くという事ですね!! 分かりました、私も明日働きます!!」
「いやいやいや、いきなり働くって行っても…。」
マシューは、話が早いのか、明日から働くと言い出す。
ありがたいにはありがたいけど…いきなり入ったばかりのメンバーに働かせるのは…。
「いえ、私も似たような感じでしたから。 [ガラバル]にいた時なんて私は私で収入源を作ってましたから。」
「あ、そうなの?」
「それなら、問題ないね。」
マシューもあのパーティーにいた時は自分で収入源を確保してたとの事。
「じゃあ…悪いけど大丈夫?」
「任せてください!!」
「んー…ありがたいけど…やっぱ心配…。 マシュー、明日、僕と同じ所で働こうよ。 その方が多分、君にとっても良いと思う。」
僕は頑なに、マシューを一人で働かせる訳には行かないと…少し過保護な事を思い付く。
「分かりました、じゃあ明日宜しくお願いします!!」
どうやら、マシューも理解はしてくれた模様。
ただ、それを見ていたミュラとリオさんは…嬉しそうな表情で見ていたのは…ちょっと引っかかるが…。
そして翌日…。
僕とマシューは薬屋、ミュラは図書館、
リオさんは料理屋でバイトをする事に。
今日の仕事が終わって、宿屋に全員が集まったら、リオさんがご機嫌斜めだった。
何が有ったのかを僕は聞くことにした。
「あ…あの、リオさん? どうしたんですか?」
「全く…本当に酷いですよ! [ガラバル]ってパーティーの連中!! 最悪ですよ!!」
ご機嫌が悪い原因は[ガラバル]が原因だった様子。
彼女が言うには、今日の料理屋でのバイトの最中、[ガラバル]の一行がやって来たらしい。
対応をしている最中、連中の話が耳に入ってリオさんはそれで不機嫌になった模様。
しかもその内容は…
「追放したマーシュアさんの悪口、言いまくりでしたよ!!! 本当に…最悪…!! 役立たずとか追放して良かったとか…根性無しとか…メンバーの事、何だと思ってるんですかね!?」
大半がマシューの悪口だったらしい。
自分達で追放しておきながら、こんなに悪口を言うとは…信じられん…何より僕もそれを聞いて嫌な気分だった。
特に、自分達で追放しておきながら根性無しって…。
「何か…勇者パーティーって言うけども…実体、ただのクズパーティーだね。」
「それは言えてる。」
正にミュラの言う通りだ、勇者パーティなんてただの飾りだ。
「本当に…私、もしあの場で剣持っていたら斬ってやろうと思いましたよ…。 本当に腹が立ちました…。」
「マジですか…。」
それを聞いたミュラが委縮してしまう…。
リオさんの思いがけない告白に僕達は「この人、怒らせたら危ない」と思った。
「まあ…取り敢えず、今日は…全員で合わせて…87000ロド!」
「てことは…ベルがまた一番って事?」
「そうなんですよ! ベルさん、ポーションの作り方上手くて、あんな高純度のポーションなんて見たこと無いですよ!! 流石ですわ~♪ その結果としてベルさんだけでも5万ロドは貰えましたから!!」
マシューが僕のポーション作りを大絶賛、まるで自分の事の様に嬉しそうだ。
まあ…昨日と同じ様な事をやったおかげで、今回はより高純度なポーションが出来上がってしまったからな。
その結果として僕は5万ロドも貰ってしまった…。
「となると…今持っているロドは…22万8000ロドになりますね。 まだ不安が残る~。」
これだけあれば食料も一月ぐらいは持つが…いかんせん今回仲間がもう一人増えたからな…。
まだ不安が残る…。
「取り敢えず…ふぁ…もう寝ようよ。 考えるのはそれから…。」
「そうだね…そうしようか…。」
ここで眠気がやってきた僕達は部屋の明かりを消して…寝ることに…。
目標の30万まで…後8万…頑張らないとな…。
次回は、リオンとマーシュアの紹介です。




