【10】 デビュー戦4日目 ~こんなに上手なのに『B級』なの~
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『ボートレース戸田』4日目 1R 予選(男女混合)
【出走表】
1号艇 桑田 純一(56歳/B1)[△]215 35
2号艇 多尾 龍之(39歳/B1)[○]35461
3号艇 渋佐 治世(46歳/B1)[×]446 34
4号艇 小森 徹 (40歳/B1)[◎]53442
5号艇 速水 爽香(20歳/B2)[-]6 6 66
6号艇 八巻 恵夢(25歳/B2)[-]6 5656
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4日目。爽香に割り当てられたのは5号艇、黄色のカポック。
新人である以上、コースは一番外側の6コースへ回る。
爽香(黄色のカポック……。コースは一番外だけど、少しでも前へ!)
♪〜(ファンファーレ)
(気象データ:気温21℃/晴れ/追い風2m/水温21℃/波高1cm)
実況「進入インから、1・2・3・4・6・5」
大時計の針が真上を指す直前、爽香は全速でスリットラインへ躍り出た。
爽香(よし、悪くないスタート!)
その直後、視界の隅を4号艇が異次元のスピードで跳ね飛んでいった。
爽香(えっ!? 早すぎる――)
ホーンの重低音が水面に響き渡る。
場内アナウンス『お知らせいたします。4号艇はフライング。返還欠場となります』
4号艇は旋回せず、そのままピットへと離脱していく。レースは残る5艇での争いとなった。
観客A「なんだよ、フライングかよ!」
観客B「まあ返還されるから損はしねえけどさ」
水上では5艇によるレースが続いていた。上位を走る男子選手に続き、第2集団を形成したのは女子選手たちだ。
爽香のすぐ前を走るのは、一期上の先輩・八巻恵夢。
爽香(届きそう……届かない!)
コーナーを回るたび、八巻の艇がしなやかに水を切り、差を広げていく。
爽香(たった一期上の先輩なのに、ターンのスムーズさがまるで違う。養成所では同じように走っていたはずなのに……!)
結果は5着(実質最下位)。
ピットに引き揚げた爽香は、上位陣のターンスピードをモニターで見つめ、呆然と立ち尽くした。
爽香(私以外の全員が、養成所の教官より速い……。これでも全員『B級』なの……? じゃあ、A級の人たちって一体どれだけすごいの……?)
プロの世界の果てしない深さと高さを、爽香は思い知らされていた。




