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裏切られた英雄、奴隷剣闘士として本物の絆を選び直す  作者: CHARA
第二部「金の影、諜報の網」
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次なる標的


翌朝、俺たちは、これまでの成果を整理するため、レンドルと共に、改めて情報を突き合わせた。


「導師の正体、影楔の目的、ゼインの妹の件、そしてフィアの故郷」


セラが、羊皮紙に整理した情報を、順に読み上げていく。


「バラバラに見えるけど……全部、無属戦役という一つの出来事に、繋がっているのかもしれない」


レンドルが、静かに頷いた。


「私の研究も、突き詰めれば、無属戦役の理論に行き着きます。……この符合、偶然とは思えません」


俺は、静かに考えを巡らせた。前世の記憶、そしてこの世界で積み上げてきた真実―それらが、少しずつ、一つの大きな絵図を描き始めている。


「次の標的は」


ガロの問いに、俺は、静かに答えた。


「導師の正体を、突き止める必要がある。そのためには、影楔の、より深い部分に迫らなければならない」


「危険は、これまで以上だろうな」


「ああ。だが、避けては通れない」


セラが、真剣な表情で言った。


「ゼインとの協力関係も、活かせるはずよ。彼も、導師について、独自に調べると言っていたし」


俺は、静かに頷いた。


「まずは、帝都そのものへ向かう必要があるかもしれない。影楔の中枢は、恐らく、帝都に近い場所にある」


フィアが、腕を組みながら言った。


「帝都、か。……いよいよ、本丸に近づくわけだな」


「気を引き締めていく必要がある」


俺は、仲間たちの顔を、順に見つめた。


「これまで、多くのものを積み上げてきた。だが、この先に待つ戦いは、これまで以上に困難なものになるはずだ」


セラが、静かに、しかし力強く頷いた。


「大丈夫。……ここまで来られたのは、みんながいたからよ。これからも、きっと」


ガロも、拳を握りしめながら頷いた。


「どこまでもついてってやるよ、前にも言ったろ」


フィアも、静かに微笑んだ。


「私も、覚悟はできてる」


レンドルが、深く頭を下げた。


「私も、微力ながら、皆さんの力になります」


俺は、仲間たちの温かい言葉に、静かな感謝を覚えた。


前世で失った、対等な信頼関係。それを、この世界で、再び手にすることができた。それは、何ものにも代えがたい、確かな財産だった。


「行こう、帝都へ」


俺の言葉に、皆が、揃って頷いた。


その日の午後、俺たちは、荷物をまとめ、ラウレンの街を後にした。


街道の向こうに、帝都エルアヴィスの威容が、次第にその姿を現し始めていた。


導師の正体、影楔の全容、そして、ゼインの妹の行方。数多くの謎と、避けられない対峙が、俺たちを待ち受けている。


だが、俺たちは、もう一人ではなかった。


積み上げてきた絆と、確かな決意を胸に、俺たちの旅は、帝都という、新たな戦いの舞台へと進んでいく。



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