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一日一善を繰り返していたら人生が変わった件 〜現代日本に赤ちゃんとして生まれ変わったら、善い行いをするとスキルが獲得できるようになった〜  作者: 黒飛清兎
乳幼児編

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5話 赤様の1週間



 さて、生まれてから1週間ほどが経ちました。

 この一週間、色々なことが知れたわけですが、順を追って説明していきましょう。

 まずは、この一週間何をしていたか。タイムラプスでみていきましょう。


 まずは起床、その次に泣く。ご飯を貰って周りを見渡し、直ぐに寝る。

 その次は起床、その次に泣いて、ご飯貰って就寝。

 起床、泣く、ご飯、就寝………………。


 これだけであります。

 お前は何様だ! 赤様だ! と言った具合の生活を送らせて頂きました。

 まぁ、お母さんの負担を減らすためにはできる限り早く成長した方がいいだろうし、これが最適解だろう。

 それに、この行動、別にやろうと思わなくても自然と本能でやってしまうため、それならそれに従った方がいい。


 ただ、こんな生活を繰り返しているだけでなく、しっかりと色々と情報は集めました。

 まずは、ステータスという概念がこの世界にはない。しかし、それ以外は基本的に変わらなさそうだということだ。

 1週間もステータスを測られていない上、そのような会話も一切聞いていないため、これは間違いないだろう。

 もし、あの現実離れしたステータスが見られてしまうのではないかとヒヤヒヤしていたので、その点は一安心だ。


 ただ、そのステータスに1つ問題があった。

 それは……スキルだ。

 一旦これを見て欲しい


 ——————————


 紅月 一(あかつき はじめ)


 身体:4

 知能:78

 精神:48

 魅力:135

 運 :120


【スキル】

《好感度補正LV3》《視力LV1》《聴力LV2》《身体LV1》


 ——————————


 さて、一旦落ち着こう。

 俺の目がおかしいのかと何度も目をぱちくりさせたが、どれだけ見直してもその表示は変わらない。

 ステータスなんてそう頻繁に変わるものでもないから、割と暇を持て余した今日1週間ぶりに見るのだが、まさかこんな激変をしているとは……。


 まず、前世での俺の常識でいえばスキルは産まれた時から死ぬ時まで増減する事の無いものである。

 だからこそ生まれて直ぐにステータスの測定を行うわけだ。

 だが、今回俺のスキルは産まれた時には確かに無かったはずなのに何故か増えている……しかも4つも。

 …………なんで?

 いや、ほんとになんで? 前世と違う部分があるのは覚悟していたが、流石にこれは予想外だ。

 何か原因があったのかと考えてもみたが、特に特殊な手術などをされた訳でも何か特別なものを食べた訳でもない。たださっき言った通りの赤ちゃんライフを満喫していただけだ。


 考えられる可能性としては、この世界ではスキルが増えていくのが普通だということ。今の所確かめようが無いが、無くはないと思う。

 これなら別に周りと変わらないのだが、これがもし俺にだけ起きている現象だとしたら……間違いなく、とんでもないことだ。

 スキルはその人間の将来を左右するほど重要なもの。それを後から、それも複数獲得できるなんて前世の常識では考えられない。

 そんなものがこれから増えるのだとしたら……俺はとんでもない最強人間になってしまうかもしれない。


 ……とはいえ、どうして増えたのか、その条件などは一切わからないわけだから、浮かれてばかりも居られない。

 数だけで言ったらかなり多い方だが、そのレベルはそこまで高くないし、これ以上増えないのであれば前世の記憶があることも加味してかなり華々しい人生を送れるとは思うが、前世の俺は特に才能のあった人間ではないため、子供のうちは神童のような扱いを受けるかもしれないが、大人になればただの凡才に戻ってしまうだろう。

 だからこそ、これ以上スキルが増えたりすることが望ましいだろうから、ちゃんと検証は進めておかなくては。



 …………と、言うわけで次の日です。

 え? なにか考えている途中でいきなり文が途切れたって?

 そりゃあ……赤ちゃんだもの、寝ちゃうのよ。

 

 それはともかくステータスだ。

 寝る前に確認したステータスと今のステータスを確認してみたが、やはり特段変わりは無い。

 日数の経過で増えていくという可能性はこれで消えたな。


 ……よし、それじゃあとりあえず日課やっときますか!

 生後1週間の赤ちゃんにできることはほぼ無い。

 体もほとんど動かないし、喋ることもできない。

 だが、俺のこの前手に入れたスキルがあれば話が変わってくる。

 まぁ、見ててくれ。


「…………ぁ、ぁばー」

「……!? ま、また腕をバタバタさせてる……まだ1週間なのに!?」


 そう、俺の日課は体を動かす事である。

 まぁ、いっても昨日からはじめたことなんだけどな。 

 この前手に入れたスキルである《身体》はその名の通り、身体能力をあげてくれるものだ。

 前の世界でもその存在はある程度知られていた。

 効果は単純に身体能力が元のものに加算されるようなものであり、割と幅広い職種で使える有用なスキルだ。

 

 重要なのはこの加算されるという部分で、レベル1につき1加算されるため、赤ちゃんがこれを持っている場合、とんでもない上昇量になるため、生後1週間の赤ちゃんだったとしてもある程度動けるようになってしまうのだ。

 ぶっちゃけ、俺がスキルが増えていることに気が付いた原因となるスキルだ。

 いきなり体を動かしやすくなったのだから、流石に気づいてしまった。


 別に体を動かすのは生後1週間の赤ちゃんがやらなくてはいけないことという訳では無いと思うが、これをするとお母さんがうちの子凄いわ! みたいな感じで喜んでくれて、赤ちゃんのうちはお母さんを喜ばすことを善行にしようと決めているのもあってこれからはこれを日課にしようとしている。

 見てて、ちょっとにこにこしながら手バタバタさせるから。


「……ふぇ」

「ゔっ! うちの子可愛すぎ……さすが私の息子……!」


 そう言って俺の頬をぷにぷにするお母さんが一番可愛いと思うのは私だけだろうか。

 善行ついでにこの顔が見れるのだから、ついついやってしまうのは仕方がないだろう。


 そんな事を思いながらキャッキャウフフしていると、突然体の動きがすっと軽くなった。

 …………この感覚は、まさか!


 俺は急いでステータスを開き、スキルの欄を食い入るように見つめた。


 《身体LV2》


 レベルが……上がってる?

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