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一日一善を繰り返していたら人生が変わった件 〜現代日本に赤ちゃんとして生まれ変わったら、善い行いをするとスキルが獲得できるようになった〜  作者: 黒飛清兎
小学校編

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26話 この俺をからかおうなんて100年早いわ



 

 ひめは俺が行く場所に基本的には付いてくるため、昼休みはいつもひめと過ごしていた。

 何をやっているかといえば、他のクラスメイトとかと遊ぶのが半分、あとは図書室で調べ物をしている。

 

 と、言っても昼休みはわずか20分しかない。ちゃんと調べ物をするのには明らかに短すぎる。

 まず、この学校の図書室は学校と繋がっているものの、いわゆる別館にあり、そこに行って帰ってくるまでにかなりの時間がかかる。

 くっつきながら歩いているのも時間がかかる原因だ。


 また、小学校の図書室ということもあり、その蔵書には偏りがあり、殆どが児童文学や絵本、図鑑などになっており、探すのに時間がかかる上、俺の身長では届かない位置にあるものが多く、読むまでに時間がかかる。

 しかも、それに追い打ちをかけるのが、貸し出し禁止期間だ。

 1年生の初めのうちは、しっかりとした説明を受けるまで図書室は使用できないようになっているらしい。

 蔵書を破られたり汚されたりしない為のルールという事だろう。貸し出して帰ってこないというのも問題だろうから、分からないルールではない。

 だが、そうなってしまえばあまりにも調べ物が進まない。

 今の所、やっとの事で一冊の本を読み切ったところだ。しかも、その本では特に収穫も無かった。

 …………まぁ、萎えはするが、時間が解決してくれる問題でもある。気長に待とう。


 そんなふうに日々を過ごしていたある日の昼休み、いつも通りひめは俺にくっつきに来た。


「はじめくん、今日は図書室?」

「うん、この前まで読んでた本は読み終わったから、次は…………」

「……また二人で図書室?」

 

 いつも通り図書室へ行こうとしていると、後ろから声が飛んできた。

 振り返ると、同じクラスの女の子がこちらを見ながらニヤニヤと笑っている。

 確か……稲葉 悠莉(いなば ゆうり)だったか。すこしやんちゃな女の子で、いつも休み時間はみんなで外に出て走り回っているような活発な子だ。

 体育では俺に負けて大泣きしたりもしていた。


「そうだけど?」

「へー、じゃあやっぱり……」


 ん? なんだ?

 女の子は一度ひめの顔を見て、それから俺の腕にしっかりと絡みついている手へ視線を落とした。

 そして…………。


「やっぱり、2人は付き合ってるんだ!」


 悠莉はこちらを指さして、勝ち誇ったようにそう言った。

 そして、悠莉がそういった瞬間、周りにいた悠莉の友達がそれに便乗して「ラブラブだ〜!」などとこれまたニヤニヤしながらこっちを指さしている。


「…………?」


 陽芽は何を言っているのか理解していない様子でこてんと首を傾げていた。

 あぁ、これはあれか、俺達がいつもくっ付いてるからからかいに来たってわけか。

 ふふん、この俺をからかおうなんて100年早いわ。


「別に付き合ってないよ。ただ仲が良いだけ」

 

 俺は何でもないことのようにそう答えた。

 こういうのは変に否定したり、恥ずかしがったりするから面白がられるのだ。真正面から普通に返してしまえば、向こうも拍子抜けするだろう。

 

「えー、でもひめちゃん、いっつもはじめくんにくっついてるじゃん!」

「それはひめが勝手にくっついてくるだけだよ」

「むぅ」

 

 俺の言葉を聞いたひめが、少しだけ不満そうに頬を膨らませた。

 おい、そこでそんな反応をするな、話がややこしくなる。

 その反応もあってなのか、悠莉はその調子を崩さず、更に畳み掛けてくる。


「ふふ、けど残念だね…………」

「……何が?」

「ふふ、それはね……」


 悠莉はこちらをニヤニヤしながら見つめた後、決め台詞を言うように言い放った。


「女の子同士は結婚出来ないんだよ!」

「…………」

「…………」


 えっと、この子は何を言ってるんでしょうか?

 普通に俺は男だし、まず付き合ってないから結婚とかもまだだし…………。

 はっ、まさかこいつ、俺の事女の子だと思ってるのか!?

 た、確かに俺はかなり美形だし、子供なのもあって中性的に見えるが……まさか服か!?

 お母さんが選んでくれた服だが、確かによく見たら女の子用に見えなくもない。あまりにもしっくり来すぎて特に気にもしていなかった。


 俺がびっくりしていると、今度は陽芽が満面の笑みで話しかけてきた。


「ねね、はじめくんって女の子なの? ……じゃあ、結婚できる?」

「いや、俺は女の子じゃないって! あ、だけど結婚はできるよ!?」

「…………? わかんない、けど結婚できるんだ……えへへ」


 くそっ、可愛いなっ! てか幼稚園の頃の勘違いまだしたまんまだったんかい! びっくりするわ!

 俺は驚きっぱなしだったが、陽芽の笑顔や、俺の素っ気ない返答に悠莉はムッとした表情を浮かべる。


「むー、僕ちゃんとママに教えてもらったんだから! 女の子同士は結婚できないんだって!」

「…………できないの?」

「いや、できるよ! いや、できないけど……」

「…………ふぇ」


 やばい、この流れは確実に陽芽が泣き始めるやつだっ!

 くっ、子供だからと舐めてかかっていたが、随分とやってくれたじゃないか!

 仕方ない…………奥の手を使うしか無いようだな。

 いつも行ってる水族館にガイアナカイマントカゲの水槽があるんですけど、今日行くと、そのトカゲちゃんの足場になっていた木の大きさが半分になっていました。

 お前、なんかやらかしたんか?


 ガイアナカイマントカゲ可哀想と思った方は、ブクマ、評価、感想などお願いします(?)

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