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一日一善を繰り返していたら人生が変わった件 〜現代日本に赤ちゃんとして生まれ変わったら、善い行いをするとスキルが獲得できるようになった〜  作者: 黒飛清兎
小学校編

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24話 家族



 それから先生の自己紹介や、プリントの配布などが行われた後、今日は一旦解散になった。

 そして次の日、別に1人でも大丈夫なのだが、お母さんがなんとしてでも着いてこようとするため、仕方が無く一緒に登校することになった。


 登校してからは朝の会などが行われた。

 とは言っても、まだ入学2日目ということもあり、本格的に小学校生活が始まったと言うよりは、基本的なことを少しずつ教えていくという段階のようで、先生が一生懸命に色々と教えてくれていた。

 俺やひめはしっかりとできていたが、周りの子達はまだ落ち着きが無いようで、教室は中々にカオスな空間になっていた。


 ぶっちゃけ、俺は別に先生になにか教えてもらわなくても基本的な事はだいたいできる。

 前世の記憶があるのだから当然と言えば当然だ。

 しかし、それでも俺は先生の話を人一倍しっかりと聞いていた。 

 これは幼稚園の頃も同じだったのだが、その理由は情報を得るためだ。具体的にいえば、前世との齟齬が無いかどうか。

 

 幼稚園では基本的にステータス以外は前世と同じようなものだった。前世での幼稚園の頃の記憶など無いので、もしかしたら違う部分があったのかもしれないが、少なくとも違和感は無かった。

 これが小学校でも同じなのかどうか確かめなくてはいけない。


 そのため、それからも俺は先生の話をしっかりと聞き続けた。

 その結果として得られたのは…………先生からの評価だけだった。


「ほらみんな、はじめくんを見習ってちゃんと話を聞きなさい!」


 先生がみんなに対してそう叱ると、五月蝿くしていた集団は一斉に俺の事を恨むような眼差しで見つめてくる。

 へっ、五月蝿くしたお前らが悪いんだから、俺のせいにすんなよな!

 それにしても、こうやって褒められるのは割と気分がいい。前世の俺が小さい頃は別にうるさくもないが真面目でもない感じの子供で、優等生として褒められたことなど一度も無かった。

 せっかく生まれ変わったのだから、優等生ムーブをしてチヤホヤされるのもいいかもしれない。


 小学校にあがったことによって、人によっての能力の差はかなり広がった。だからこそ、明らかに人間離れした能力でなければ、優秀な子で済まされる。

 例えば勉強などだ。全教科で100点を取ったり、作文などで素晴らしい出来のものを提出したところで何もおかしくない。

 運動などは気を付けなければいけないが、それ以外ならしっかりと俺の能力で無双してやることができる。

 いやー、楽しみだ、小学校のうちはどうやっても驚かれ、褒められる事しか無いだろうからな。


 そんな未来を考えてにやにやしていると、ひめが後ろを向いて俺の顔を不思議そうに覗き込んだ。


「はじめくん、嬉しそう」

「えっ、あぁ……なんでもないよ、早く前向きな」


 流石に顔に出すぎていたか。

 まぁ、嬉しそうなのは嘘じゃないから、別に隠す必要も無いんだけどな。


 それからは学校見学などをおこない、それからその日は下校することになり、それからの1週間も同じような日々が続いた。

 まずは学校に慣れろって事だな。

 その1週間で俺はちゃんとクラスの優等生ポジションを確保し、先生から頼られるポジションに着くことになった。

 ま、それと同時にひめと一生くっ付いているおかげで問題児ポジションにも着いているのだが、それは一旦置いておこう。


 また、1週間小学校に行ったことによって分かったこともある。

 俺は今まで情報を集めるのは小学校の中でと思い行動していたが、その情報が手に入ったのは、予想外の下校中であった。

 下校中、1年生はまだ親に送り迎えして貰っている子もおり、なんだか微笑ましいなと思いながら下校していると、少し気になる人たちを発見した。

 それは、まるで集団下校をしているかのように10人程で固まって下校している集団だった。


 友達だと言うのであれば何人かで下校するのは何もおかしくない。

 しかし、そこに居たのは全員1年生だった。

 入学して1週間程しか経っていない子達がそんなにいきなり10人も集まって一緒に帰るだろうか?

 幼稚園が一緒だとしてもいきなりそんな事になるとは考えにくい。

 不思議に思った俺は、とりあえずひめを連れてその集団に話しかけに行った。


「ねぇ、ちょっといい?」


 俺が話しかけると、その集団の先頭を歩いていた男の子が返事をした。


「なに?」

「みんな一緒に帰ってるけど、お友達?」

「うーん…………違うかな」


 あっさり否定されたことに少し驚く。

 てか、友達じゃないならなんで一緒に帰ってるんだ?

 そう不思議に思っていると、後ろで歩いていた女の子が元気よくその答えを教えてくれた。


「私達は、家族だよ!」

「…………家族?」

「うん、だから家に帰ってるの!」


 いやいや、そんなわけは無い。みんな1年生なわけだし、君たちの親は1ヶ月で子供を産めたりするのかい?

 ……いや、もしかしたらお父さんは1人だけどお母さんが10人くらいいてみたいな事があるのか……? それがこの世界の普通なのか……?

 いや、それも無い。幼稚園の頃はそんなような人は見てないからな。

 じゃあなんなんだこの子達は……?


「えっと、みんな同じ家に住んでるの?」

「うん!」


 俺の問に対して、何人かが返答した。

 俺がわけもわからず悩んでいると、道路を介して向こう側にも同じような10人前後で歩いている集団が見えた。

 それにより、この()()という集団が他にも存在しているということが分かった。

 ……どういうことだ?

 流石に偶然、同い年の子供が十人近く同じ家に住んでいるなんてことは考えにくい。

 

「ねえ、その家ってどんなところなの?」

「んー? みんなで住んでる家だよ!」

 

 答えになってない。

 だが、この子達に詳しく聞いてもこれ以上は分からなそうだ。

 後をつけようにもまだ1週間しか経っていない段階で帰りが遅れてしまえばお母さんが許してくれず、今後ある程度の期間1人で帰宅する事が出来なくなってしまいそうなため、なくなく家に帰ることにした。

 …………とりあえず、その()()という存在について覚えておくことにした。

 やはり、この世界には前世の世界とは違う部分がまだまだあるらしい。

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