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一日一善を繰り返していたら人生が変わった件 〜現代日本に赤ちゃんとして生まれ変わったら、善い行いをするとスキルが獲得できるようになった〜  作者: 黒飛清兎
乳幼児編

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12話 初めての探索



 どうも、つい1週間ほど前からはいはいができるようになった赤ちゃんです。

 つい先週まで私は、ハイハイができるようになったのだから、もうなんでも調べ放題だぜ、この部屋の謎を全て解き明かしてやる……などといった調子に乗ったようなテンションでいました。

 …………ですが、それは間違いだったと一瞬で気付かされてしまいました。


「ふんふふーん……あ、はじめくん! 今日も歩きたいのかな!? いいよいいよ〜、がんがん歩いちゃおうね!」


 そう、主にこの人のせいである。

 お母さんは俺がはいはいしたのが相当嬉しかったのか、俺の様子が少しでも動きたそうにしていたらすぐにでもはいはいができるように床に下ろしてくれるようになった。

 それ自体は俺にとっても非常にありがたいことだ。

 今はまだ流石にベビーベッドから抜け出すということは難しいため、できることなら定期的に連れ出して欲しいというのは事実だ。

 だからこそ、構ってくれるのはいい……いいのだが……。


「ほら! 次はこっちにおいで! ……あ、そっちは行っちゃダメ!危ないからね!」

「……ぇぅー」


 流石にここまでつきっきりだと何も調べられないのですが…………。

 いやまぁ、別に嫌な訳では無い。

 というか、こんな顔されて嫌だなんて思うやつは恐らくは人間じゃない。

 だが、それとこれとは話が別だ。

 お母さんは基本的には俺がこの家で見た事のある場所以上の場所へ行こうとすると、危ないからと止めてくる。

 そのため、新しい情報が一切入手できないのだ。

 どうにか、情報を得る方法は無いものだろうか……?


 いや、待て、これはもしかして俺が自ら動こうとするのが間違っているのではないだろうか?

 この前読んだ育児本にもこの位まで育った赤ちゃんは好奇心も旺盛になったりするので、色んなものを見せたりするのはいい刺激になると書かれていた。

 なら、俺が興味津々にどこかへ行こうとしていたら、お母さん自らその場所へ連れていってくれるのでは無いだろうか?

 幸いなことに、今のお母さんは元気……というか元気すぎるくらいだから、多少連れ回しても大丈夫だろう。


 という訳で、作戦開始だ。

 とりあえずはずっと行きたいと思っていたリビングだ。

 リビング自体は何度も行っているが、長時間滞在したことはない。

 また、リビングから続くようにしてもうひとつ部屋があることも確認している。

 そのため、一旦リビングへ向かうことがはじめの一歩になるはずだ。

 

 俺は俺がいつも寝ているベビーベッドのある部屋からリビングの方向へとはいはいし始めた。

 はじめはお母さんもリビングへ近付こうとしていると制止していたがある程度時間が経つとなにかに気がついたのか俺の事を持ち上げてくれた。


「もしかして……あっちが気になるの?」

「あう!」


 よしよし、良いぞ、いい具合に俺の要望を理解してくれている。

 その調子で色んなところに連れて行ってくれ!

 その要望を更にしっかりとわかってもらうためにも俺は手足をリビングの方向へとバタバタさせる。


「ふふ、やっぱり君は食いしん坊さんなんだねー、すぐ気づいちゃうんだもん」


 ん? 何を言ってるんだ?

 食いしん坊……特に今お腹は減っていないのだが?

 不思議に思いながらも、お母さんは俺を抱いてリビングの方へ向かってくれていたので、一旦は身を任せておくことにした。

 お母さんはリビングへ向かうと、そのままの足でリビングでは無いまた別の場所へと歩き始めた。

 そうして歩いていった末、最終的にたどり着いたのはキッチンだった。


「私的にはそんなに匂いとかしてるようには思わなかったんだけど、食いしん坊さんはすぐ気付いちゃうんだね〜!」


 そう言ってお母さんが見せてきたのは、白く濁った少しとろみの付いた液体だった。

 これは……そうか、離乳食か。

 そういえばもうそんな時期だったな。

 育児本にもそんなようなことが書いてあったような気がする。

 俺もできる限り頑張ってはいるが、それでもやはり授乳の負担というのは大きいはずだ。

 この時期は哺乳瓶などでミルクを与えるということへの風当たりが強いためか、お母さんも基本的には哺乳瓶を使っていない。

 そのため、このタイミングでの離乳食への移行は是非ともやりたい。


「えへへ、まだちょっと練習中だからあんまり上手くできてないかもしれないから、もうちょっと待っててね?」

「あぅ! あぅ!」


 俺は離乳食へ手を伸ばしてバタバタと手を振る。

 今俺ができる表現はこれくらいしか無いが、これで俺が早く離乳食が食べたいということは伝わるだろう。

 

「ふふ、そんなに楽しみ?じゃあ明日、少しだけ食べてみよっか!」

「あぅ!」

 

 ……よし、探索は完全に失敗したが、これはこれで大きな進展だ。

 何せ、少しでもお母さんの負担を減らせる方向へと持っていけたのだからな。

 ま、リビングの奥の謎については、また今度ということにしよう。

 どうやら俺の初探索は情報収集ではなく離乳食の予約を取り付けただけで終わってしまったようだ。


 ここまで読んでいただきありがとうございます。

 少し質問です。

 はじめ君のステータスについてなのですが、毎回あとがきとかに書いておくってのはぶっちゃけありだと思いますか?

 本文に何回も出さない代わりにこっちに書いておこうかなと思うのですが、もし書かない方がいいという意見が多ければやめますので、出来れば感想などで教えて欲しいです。


 あとブクマと星などもめちゃめちゃ欲しいです。

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