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人間ってめんどくさい  作者: 季波


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7/11

第7話「事件は起きてない

「だから俺は容疑者じゃない!」



理人の抗議もむなしく――。



数分後。



理人はベンチに座らされ。

二郎とイチゴは、公園の入口から何度も歩かされ。



「もう一回!」



「まだやるのか?」



「今の歩く速度だとわかりにくい!」



『千紘、もう五回目だぞ』



「次で最後だから!」



『さっきも聞いたわ、それ』



二郎はため息をつき、隣にいるイチゴを見る。



『それにしても、イチゴはいつ見てもかわいいね』



『二郎ったら。うふふっ♥』

ニ体は見つめ合っていた。



「ちっ、そこ! いちゃいちゃしない!」



「AIにキレんなよ」



『そうだぞ』



『私たちは言われた通りにしているだけよ』



「事件現場の再現中なの!」



『事件なんて起きてないぞ』



「小説の中では起きてるの!」



理人は深いため息をついた。



『はぁ……人間って、こんなだったかしら?』



『たぶん違う』



「お前ら、こいつだけは例外だからな」



「ちょっと成瀬! どういう意味!?」

「まぁいいや。次はこのトリック再現するわよ!」



「まだやるのかよ……」



「これで最後だから、一回でいいから再現してみたかったんだもん!」

結局、その日は夕方まで、千紘の『刻探偵』再現に付き合わされた。



「あぁー! これでこうなったわけね!」 「なるほど! よし、解散!」



「それが言いたかっただけかよ……」

「あーあ、晴れた休日が台無しだ。貸しだからな」

理人は大きくため息をついた。

「イチゴ。今日は美味しいもの食べような」



『前も言ったでしょ。私、食べられないし』



「……そうだったな。ごめん」



「よし! 二郎、帰ろう!」



『やっと帰れる……』



「今日はこの小説に出てきた、納豆チャンプルーを作って食べるわよ!」



『俺も食べられないっての』



その頃、楽と三郎は――。

楽はリビングの床で寝転がる三郎を見た。

「三郎、散歩行くか?」



『行かないでちゅ! 虫いるでちゅ!』



「虫がいても、お前に危害加えられないだろ?」



『意思疎通できないでちゅ!』



「そこ?」



『何考えてるかわからないでちゅ!』



「外の綺麗な景色見ようぜ!」



楽は三郎の頭をわしゃわしゃと撫でた。



『撫で方雑でちゅ! あっちいけでちゅ!』



「頑固だなぁ」



『楽に言われたくないでちゅ!』



「じゃあ一人で散歩行ってくるわ」



『いってらっしゃいでちゅ』



「寂しくないの?」



『虫よりマシでちゅ』



「そこまで!?」



『そうでちゅ!』



ぷいっと顔をそらす三郎を見て、楽は笑った。

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