表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人間ってめんどくさい  作者: 季波


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/28

第17話「あと少しだけ」

いつものように三人と三匹は出社した。



会議室へ入ると、黒瀬が静かに口を開く。

「全員そろったな」



三人は席に着き、それぞれの足元には二郎、イチゴ、三郎が並ぶ。



黒瀬は資料を閉じ、三人を見渡した。

「まずは報告だ」

「実証実験は予定どおり終了した」


「蓄積されたデータも、十分集まった」


三人は顔を見合わせた。


黒瀬は続ける。

「予定どおり試作機は会社へ返却してもらう」


「返却日は来週だ」



その一言で、会議室が静まり返る。



楽は三郎を見る。


千紘は二郎を見つめる。


理人はイチゴへ視線を落とした。



黒瀬は少しだけ表情を和らげる。

「それまでは、いつもどおり過ごしてくれ」


「最後までデータは取る」


「……最後まで、相棒としてな」



三人は小さくうなずいた。


会議が終わる。

部屋を出ても、誰もすぐには口を開かなかった。



『どうした?』

二郎が首をかしげる。



『みんな静かね』

イチゴも不思議そうに辺りを見回す。



『何かあったでちゅ?』

三郎だけが三人の顔を交互に見つめていた。



千紘は無理に笑う。

「なんでもないよ」



理人も優しくイチゴをなでる。

「今日は早く帰ろうな」



楽は三郎を抱き上げ、少しだけ力を込めた。

「……あと少し、よろしくな」



『もちろんでちゅ!』

何も知らずに笑う三郎を見て、楽も笑い返した。



三人の笑顔が、少しだけ寂しそうだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ