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人間ってめんどくさい  作者: 季波


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14/23

第13話「人を楽しませるAI」

楽は箸を止めた。

「それは――」



「AIに、ユーモアやブラックジョークを覚えさせたり」

「落語や漫才を学習させたり」

「議論になったら、相手を論破する話し方まで学習させてました」



「……ふふっ」

千紘が笑いをこらえた。

「あっ、ごめんなさい」



「俺は、本気だったんです」

楽はぎゅっと拳を握った。



理人が吹き出す。

「お前、何やってんだよ」



楽は頭をかいた。

「だって、せっかくAIなんだから、

便利なだけじゃつまらないと思って」



「笑わせたり、雑談したり、会話が楽しいAIのほうがいいじゃないですか」



黒瀬は苦笑した。

「気持ちは分かる」

「だが、あの部署は正確な情報を伝えることが最優先だ」



楽も苦笑する。

「『性格が悪いAIを作る気か』って、上からずいぶん怒られました」



黒瀬は少し間を置き、楽を見た。

「だが、今のお前の部署は違う」



「AIペットは、人を楽しませることも仕事だ」

「ここなら、お前の発想を思い切り生かせ」



楽は少し目を丸くした。

「……ありがとうございます」



三匹は部屋の隅を楽しそうに駆け回っていた。



『捕まえたでちゅ!』



『おのれぇ!』『やったなぁ!』



『うふふ♥』



黒瀬は思わず吹き出した。

「……こいつら、勝手に面白いことをやってるじゃないか」



楽も笑う。

「俺、何も教えてないですよ」



「それでいい」

「人を楽しませるAIになってる証拠だ」



三匹は今日も楽しそうに追いかけっこを続けていた。



その様子を見て、楽はふっと笑う。

「明日は休日だし、思い切り飲みましょう」

楽はビールをぐいっと飲み干した。



理人は呆れたように笑った。



「お前、切り替え早いな」



四人の笑い声は、しばらく途切れることがなかった。

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