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エピローグ

かつて、王立フォボロス学園の生徒会は、生粋の貴族のみで構成されていた。

『学園内では身分に関係なく皆平等』という理念に反しながらも、その決まりは暗黙の了解として長く続いていた。


しかし、ある年――三年生に第一王子、一年生に第二王子が在籍した年のことである。


生徒会役員に、一人の平民が指名された。


もちろん学園内外からとんでもない反対が起こったが、その平民は卒なく任期を全うし、卒業していったという。


それ以降、しばらく平民が指名されることはなかった。


それから幾世代もの時が流れ――

後にラスカーダ賢王と呼ばれるようになる、当時の第二王子が会長に就任した年。


先祖代々の由緒なきド平民が、またしても庶務に任命された。

ちなみに彼女は、かつて学園初の平民庶務となった人物の娘であったという。だがその事実は、一部の関係者のみが知るところであった


就任当初、皆から疎まれていた彼女だが、

その後、世紀のクーデターとも呼ばれる「学園崩壊事件」を解決した立役者となり、彼女が三年生になった年、学園史上初の平民出身の会長に選ばれた。


彼女は自分は会長の器じゃないと愚痴をこぼしつつ、しっかりと学園をまとめあげ、その任期中、生徒たちの日常を平和に導いた。


彼女は会長職の傍ら、新聞部の監督やファンクラ部の参謀としても活躍したということが、当時の生徒会庶務の日誌に記されている。


影のヒーローという二つ名を持った彼女の名は――



『クィアシーナ・ベック』



彼女は学園卒業後、民主主義の台頭に貢献し、ラスカーダの発展にも尽力したとか、しないとか――そう政治史に語り継がれている。


ちなみにゴシップ面では、ラスカーダの良心と呼ばれた王の側近である彼女の伴侶と、議会の終わりにハグを交わす姿が、傍聴に来た庶民の密かな名物になっていたという。

もっとも、この話を知るのは当時を知る者たちだけだが。



(おわり)

最後までお読み頂き、ありがとうございました。これで完結です。

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