表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移の休憩室  作者: 津島 誠
自分だけがふざけた世界
4/5

1-3 世界の姿

定期考査のため、遅くなりました。申し訳ないです。

俺は今、美少女と一緒に街を歩いている。逃げるのに夢中で全く見ていなかった街は、まさにファンタジーの世界といった感じで、中世ヨーロッパ風の住宅に露店の数々。つい先ほどまで路地裏で怯えていた自分が馬鹿馬鹿しく感じる。この世界は希望に満ち溢れていた。通り過ぎる人たちは皆笑顔で、人生を満喫している、そんな雰囲気の街である。まあ、それも俺の存在が無ければだが……。


先ほど路地裏で、俺をを迎えにきたと宣言した美少女、リナ・アルカトロは、自分のフードマントを俺に被せて言った。


「街の人々のほとんどにとっては、あなたは平和を壊す災厄です。正体がバレないようこちらを着用して下さい。ここまでリナが着てきて温めておきましたから。」


そんなわけで今俺は正体を隠して街を歩いている。リナによると自分の師匠の使いで俺を迎えに来て、その「師匠」は自分の館に俺を招待しているとのこと。丘のトイレでの扱いとの差よ……。そんなことよりも、こんな美少女と街を歩けるだなんて…。元の世界では女子と話すのは苦手だったが、せっかく異世界に来たんだ、カッコいい男を目指さなければ!


「リナ、ちょっと聞いていいか?」


「はい!何なりと。」


リナは笑顔で答える。いやあ、この子は本当嬉しそうに俺と話してくれるな。元の世界の女子とは大違いだ。


「じゃあ聞くけど、俺がこの街の人達に忌み嫌われてるのってなぜなんだ?あと、それなのにどうしてリナや師匠さんは俺を歓迎してくれるんだ?」


「それは……。一つ目の質問に関してはお師匠様が説明してくださると思います。二つ目は簡単です。私達にとってあなたは世界を救う勇者様だからです。」


「いやいや、俺は非力で何も特殊能力なんて持ってないぞ。」


「ご謙遜を。あなたは失われし古の魔法『ルストレーム』を受け継いでいるではないですか。」


「その『ルストレーム』が何なのかよくわからないんだが……、トイレって意味か?」


「そのことについてもお師匠様が説明してくださるかと。私にはその『トイレ』という言葉がわからないのですが、どういう意味です?」


「えーと、排泄する場所です。」


「休憩室のことですか……。私も古魔法(ルストレーム)がどのような魔法かは存じ上げませんが、そんな下品なものと関係はないかと。」


瞬間リナは頰を赤らめた。俺だって恥ずかしいよ、こんなことを女子に聞いてしまうなんて。でも俺はトイレが原因でここに来たし、普通異世界でもトイレはトイレでわざわざ休憩室なんて言わないし、『ルストレーム』も休憩室もレストルームが関係している。糞ゲーの予感しかしない……。


***************


俺とリナは街の中心部に向かって歩いていった。そろそろ二時間は経過しただろうか。


「勇者様、見えて来ましたよ。あの一番奥に見える独特な形の建物です。」


言われた通りに見てみると、誰が見逃すだろうか。他とは違った真っ黒な色に、堂々と掲げた「武道館」の文字、日本の武家屋敷がそこに建っていたのだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ