口付けの浄化と純潔を散らす聖女
「…あ…ぁ…っ」
エルフレイデ様の唇が、期待と恐怖で小さく震える。
これまで数え切れないほどの民衆を癒やし、神の言葉を代弁してきたその唇は、今や一人の男、それも、自らがゴミ箱として買い叩いたはずの男の吐息を待つだけの、ただの粘膜に成り下がっていた。
俺は彼女の細い顎を指先で持ち上げ、逃げ場を奪うようにじっくりと顔を近づける。
至近距離で見る彼女の瞳は、涙の膜で潤み、どろりと溶けたような熱を帯びていた。
「汚れてもいいんですね?聖女様」
「はやくっ…もう…とっくに、汚れてるわよ…あんたの、せい、で…っ」
彼女が吐き出した言葉を、俺は唇で塞いだ。
「んむ…っ!?」
重なった瞬間、エルフレイデの体が強張る。
だが、それも一瞬のことだった。
暴力的に奪うのではない。
まるで、彼女の肺の奥に溜まった淀んだ空気を、一つ残らず吸い出すような、深く、静かな口づけ。
「…はぁっ…ふ、あ…ぁ…っ、ん…む」
彼女の舌が、戸惑いながらも俺のそれを追いかけ始める。
拒絶の仕方を忘れた小動物のように、彼女は俺の首に細い腕を回し、少しでも密着しようと必死に体を寄せてきた。
純白の法衣はすでに床に脱ぎ捨てられ、薄い下着一枚となった彼女の肌からは、霊薬の香りと、彼女自身の甘い体臭が混ざり合って漂ってくる。
…ああ。やっぱり、この人は『溜め込みすぎ』だったんだな。
ブラック企業で、理不尽な怒号を浴び続けても平気な顔をしなければならなかった俺にはわかる。
彼女の中に渦巻く、名声へのプレッシャー、神殿の腐敗への嫌悪、そして、誰にも愛されない孤独。
それが今、接吻というパスを通じて、俺の中に流れ込んでくる。
「っ、は…あ…カイル…もっと…っ…全部、吸いとって…私を…空っぽにして…っ!」
彼女は泣いていた。
唇を離すと、彼女の紅潮した顔が露わになる。
その瞳はもはや俺をサンドバッグとは見ていない。自分を地獄から救い出してくれる、唯一の理解者を見つめる目だ。
俺は彼女を抱き上げたまま、豪華な、けれど冷たいベッドへと横たえた。
背中に触れるシーツの感触に、彼女はビクンと身を震わせる。
「ねえ、エルフレイデ様。あなたが一番怖がっていること…今から、俺がしてあげますよ」
「っ…それ、は…」
俺の指が、彼女の脚の付け根へと滑り込む。
そこは、聖女としての最後の砦。
神殿の掟によって守られ、いかなる汚れも許されないはずの聖域。
「ヒールがあるんでしょ?壊れても、また『新品』に戻れる魔法が」
「っ…ぁあ…っ!だめ、そんな…っ…魔法を、そんなことに使うなんて…あなた、罰が、あたる…わよっ!」
口では拒絶しながらも、彼女の膝はだらしなく開き、俺を受け入れようとしていた。
俺は彼女の耳元で、悪魔のように優しく囁く。
「罰なんて当たらない…だって、これを望んだのは、俺じゃなくて…あなた自身なんだから」
「…ぁ…あぁっ!!」
指先が、彼女の熱く溶けた汚れに触れた。
瞬間、エルフレイデ様の体が弓なりに反り、喉の奥から獣のような鳴き声が上がる。
霊薬の効果も相まって、彼女の感度は常軌を逸していた。ただ優しく、円を描くだけで、彼女の意識は白濁し、視界が上を向く。
「きれいだ。聖女様が、こんなにぐちゃぐちゃに乱れてる」
「やだ…見ないで♡…こんな、はしたない姿…っ…でも…もっと…もっと汚れを浄化して…っ!壊して…私を、壊してよ、カイル…っ!!」
プライドも、信仰も、すべてをかなぐり捨てて、彼女は俺に縋り付く。
「いいですよ…聖女様の願い、俺が『完遂』してあげます」
俺は彼女の間に割り込んだ。
エルフレイデ様の瞳が、恐怖と、それ以上の歓喜で大きく見開かれる。
「あ…はぁ、はぁ…カイル…私…」
「一回じゃ、終わらせませんよ?あなたが無理って泣き叫んでも…ヒールで治して、何度でも、朝まで…『おつとめ』に付き合ってもらいますから」
「…っ♡…望む、ところ、よ…っ…!!」
俺が彼女の奥の汚れへと、一気にその楔を打ち込んだ瞬間。
部屋中に、乙女の悲鳴と、それ以上の、魂が震えるような歓喜の叫びが響き渡った。
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