証拠物件の押収と漆黒のダイナマイト
「ねぇ、エルフィー。これほどの『良い男(ゴミ箱)』を独占しておいて、純潔を守るなんて…神への奉仕というより、自分への拷問ではなくて?」
俺の膝の上で、すっかり毒気を抜かれたモルガナが、とろけた顔でエルフレイデ様を挑発する。
隣国の筆頭聖女ともなれば、その手の事情には目敏いらしい。
「ええ、そうね。って、何を当然のように私の旦那様の膝に頭を乗せているのよ!降りなさい、この泥棒猫!」
「ふん、ケチなこと言わないで。貴方、再生魔法の究極形『エクストラヒール』は使えたわよね?なら、一度くらいは考えたことがあるはずよ。処女膜も、魔力で再生できると…」
「な、な、ななな…何を言っているの!?破廉恥な!神への冒涜だわ!!」
エルフレイデ様は顔を真っ赤にして否定するが、その動揺ぶりは検討済みだと言っているようなものだった。
だが、モルガナは冷ややかな、けれど確信に満ちた笑みを浮かべる。
「…なら、あれは何かしら?」
モルガナが細い指で示した先。そこには、部屋の隅に干された洗濯物があった。
昨日、俺が激務を終えた後に交換したシーツだ。そこには、洗濯しても落としきれなかった、鮮やかな紅い染みが点々と残っていた。
「あっ…」
エルフレイデ様が短く悲鳴を上げ、口を抑える。
「あらあら。うふふ、ついにバレちゃいましたわね、聖女様♡」
フィオナが口元を扇子で隠しながら、楽しそうに笑う。
彼女のことだ、確信犯でわざと目立つところに干しておいたに違いない。
「カイル様が『汚れ』を飲み干す時、どうしても不可抗力で壊れてしまうものがありますもの。でも大丈夫。私と聖女様で、毎晩のように『修復』して差し上げていますから。ねぇ?」
「フィオナ!余計なことを言わないで!」
「つまり…『神殿の帳簿上は純潔、現場の実態は使用済み』…素晴らしいわ、エルフィー。貴女、意外と『黒い』運用をしているのね」
モルガナが俺の膝の上で身体をよじり、期待に満ちた熱い瞳で俺を見上げてくる。
「ねぇ、カイル。私にも、その『再生前提の徹底搾取』…試してくれるかしら?闇の聖女(私)なら、光の聖女よりももっと、ドロドロに壊してくれて構わないわよ?」
「…モルガナ様、俺の膝の上で話す内容じゃないですよ、それ」
俺は深いため息をついた。
聖女の純潔という絶対のブランドを守りつつ、現場では限界まで福利厚生(快楽)を貪り、壊れたら即座に修理して翌朝には元通り…
…これ、完全に『壊れるまで働かせて、壊れたら直してまた働かせる』ブラック企業の極致じゃないか…
だが、彼女たちの潤んだ瞳と、俺を求める熱い肌の感触は、前世のどんな過労死ラインよりも抗いがたい誘惑に満ちていた。
「はぁ。わかりましたよ。モルガナ様のシーツも用意しておきますよ。ただし、シーツの洗濯は自分たちでやってくださいね?これ以上の証拠隠滅(もみ消し)は、社畜の俺でも手が回りませんから」
俺の言葉に、四人の女性たちが同時に、肉食獣のような艶やかな微笑を浮かべた。
監獄のホワイト職場は、もはや神への背徳という名の、底なしの残業へと突入しようとしていた。
◇◇◇◇
エルフレイデ様たちが洗濯物の証拠隠滅会議のために部屋を離れ、ついにモルガナと二人きりになった。
さて、新規取引先の検品を開始するとしよう。
俺は慣れた手つきで、彼女の漆黒のドレスの梱包を解いていく。
エルフレイデ様が凛とした白百合なら、このモルガナは闇夜に咲く妖艶な大輪の薔薇だ。
だが、布地が滑り落ち、その中身が露わになった瞬間、俺は社畜人生で最大級の衝撃を受けた。
「こ…これは…」
「あら、見惚れてるの?ふふ、正直ね。エルフレイデよりもずっと、大きいでしょ?」
そこに現れたのは、まさにダイナマイトと呼ぶにふさわしい、暴力的で爆発的な曲線美だった。
取引先に優劣をつけるのはビジネスマンとして御法度だが、この圧倒的な供給量には、プロの俺でも一瞬呼吸を忘れる。
指先を滑らせれば、その肌は吸い付くような蕩け具合だ。
エルフレイデ様の肌が瑞々しい果実なら、モルガナの肌は煮詰めた極上の密のように、触れるだけで俺の理性を絡め取ろうとしてくる。
「モルガナ様、これは…維持管理が大変そうな、素晴らしい…設備ですね」
「ええ。だから、貴方に『管理』してほしいの。私のこの、溢れ出しそうな闇を、貴方のその…強靭な『ゴミ箱』に、すべて詰め込んで」
彼女の瞳が、期待と熱でさらに深く淀んでいく。
闇の聖女が抱える汚れ…それは、他国の嫉妬や悪意を一身に引き受けてきた、重圧と孤独。
その膨大な負債が、この豊満な肉体の中に、今にも爆発しそうなほど充填されている。
「分かりました。これほどの大規模案件、やりがいがあります。まずは、一番負荷がかかっている『ここ』から、集中的に浄化していきましょうか」
俺がその柔らかな二つの膨らみに深く指を沈めると、モルガナ様は「あぁっ!」と、騎士のヒルダさんよりもずっと、素直で、淫らな声を上げた。
「いいわ、カイル。壊れるまで、検品して。エルフレイデには、絶対に出せないような…最高の『汚れ』を、貴方に納品してあげるから♡」
漆黒の闇の中、最高級の素材を相手に、俺の特別残業が幕を開けた。
聖女たちの対抗意識が、俺というゴミ箱をさらに過酷な、けれど抗いがたい快楽の極致へと追い込んでいく。




