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最強の社畜、聖女の「ゴミ箱」になる〜24時間365日、貴女の汚れ(愛)を喜んで承ります〜  作者: 優香猫
聖女のゴミ箱編

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指先の再会と論功行賞

「早く、お粥を!誰でもいい、一番腕のいい見習い食料係を呼びなさい!」


エルフレイデ様の怒号が響き渡る中、一人の少女がお盆を持って震えながら部屋に入ってきた。彼女は、あの暗闇の中で俺に声をかけてくれた、見習いの少女だった。


「ふー、ふー。はい、あ〜んしてください、カイル様」


「…あ、あ~ん」


彼女が慎重に口に運んでくれるお粥が、五臓六腑にしみわたる。


その様子を、ベッドの脇でエルフレイデ様が、血が出るほど唇を噛み締めながら見守っていた。


「くっ… 旦那様(ゴミ箱)に、あ〜んだなんて。本当は私が、この手で、一粒残らず食べさせてあげたいのに!筆頭聖女としての立場が、私にスプーンを持たせることを許さないなんて…ギリ、ギリギ…ッ!」


…聖女様、心の声がダダ漏れですよ。


何回目かの食事を終え、ようやく俺の脳に血が巡り、意識がはっきりとしてきた。


俺は、震えながら空になった器を下げようとする少女の手を、咄嗟に止めた。


「ありがとう、ございます…あっ!」


その時、指先と指先が不意に触れ合った。

この感触、このかすかな温もり――。


間違いない。あの結界の隙間から、絶望の中にいた俺に優しいパンを届けてくれた、あの指先だ。


「エルフレイデ様。この子…この子のおかげなのです。彼女がいなければ、俺は貴女たちが戻る前に、本当にただのゴミになっていたんだ」


「え?この、ただの見習いが?」


エルフレイデ様が、驚いたように少女を見る。少女は恐縮して、今にも消えてしまいそうなほど小さくなっていた。


「聖女様。彼女は、組織の末端でありながら、上層部(司祭)の不正に屈せず、独断でリソース(パン)を現場に供給し続けた…まさに、現場の鑑です。褒美を、与えるべきではないでしょうか?」


俺はエルフレイデ様の目を真っ直ぐに見据えた。


「俺は、彼女にお礼がしたい。彼女もまた、厳しい環境で汚れ(ストレス)を溜めているはずです。お礼に…彼女の汚れを、落とさせてあげたいのです」


俺の言葉に、部屋の空気が一変した。


汚れを落とす…それがこの部屋で何を意味するか、ここにいる全員が熟知している。


「なっ!?カイル、貴方、この子を『検品』するつもりなの!?」


エルフレイデ様の顔が、驚愕と嫉妬で一瞬にして沸点に達する。

横では、フィオナが目を細めて「あらあら、新しい案件ライバルかしら?」と微笑み、ヒルダは「功労者なのは認めるが…抜け駆けは許さんぞ」と剣の柄を握りしめていた。


「聖女様。彼女は俺の命の恩人です。俺という『最高のゴミ箱』を、一度くらい彼女のために解放しても…バチは当たらないでしょう?」


俺の社畜としての信念。

それは、恩のある協力会社(食料係)には、最高のサービスで報いることだ。


「っ、分かったわよ!特別よ!特別なんだからね!!その代わり、彼女の後は…私の、溜まりに溜まったこの『怒り』を、全部飲み干してもらうから!!」


エルフレイデ様の許可(正式発注)が下りた。


震える見習い少女を優しく引き寄せながら、俺はホワイト職場の福利厚生を、ついに自分以外の人間にまで適用し始めたのだった。

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