サウナで女騎士の純潔を散らす
この監獄の地下深くには、魔力で熱せられた石に聖水をかける、この世界特有のサウナのような施設が存在していた。
だが、そこはいつ訪れても人が居ないと言う。ヒルダに連れられて足を踏み入れた瞬間、その理由がすぐに分かった。
…暑い。暑すぎるだろ、これ。
魔力が暴走しているのかと思うほどの超高温。並の人間なら数分で意識が飛ぶレベルだが、俺は黙って彼女の隣に腰を下ろした。
社畜にとって、取引先とのサウナは我慢比べではなく、信頼の構築の場なのだ。
「ふぅ、よく付いてきたな、カイル。ここは私の『聖域』だ。誰も耐えられんこの熱さだけが、私の心を鎮めてくれる」
ヒルダは全裸に腰タオル一枚という、騎士の威厳をかなぐり捨てた姿で、火照った肌を晒していた。
立ち上る蒸気の中、彼女が口にするのは、やはりエルフレイデ様のことばかりだった。
「聖女様は、あの方は、もっと高く評価されるべきなのだ。司教連中の無能さが、あの方の心をどれほど削っているか!私は、剣を振るうことしかできない自分が…情けなくて」
彼女の汚れが、汗とともに吐き出されていく。
それは、誰にも見せられない騎士の弱音。
彼女にとって、この灼熱の中でエルフレイデ様への献身を語ることこそが、精神のデトックスなのだろう。
だが、話の合間、彼女は時折、俺の方へ視線を向けてくる。
「ところで、カイル。貴公は…その…どうなのだ。その、腰のタオル。騎士とは常に強くあらねばならんが、貴公のような『ゴミ箱』の…中身も、その…強靭…なのか?」
「ヒルダ様、俺のタオルを見すぎですよ。熱気で頭がのぼせてませんか?」
「っ!べ、別に見ているわけではない!ただの、検分だ、検品なのだ!」
顔を真っ赤にして言い張る彼女の姿に、俺は思わず苦笑した。
鎧を纏えば凛々しい女騎士だが、こうして蒸気の中で狼狽える姿は、恋に不慣れな一人の女の子に過ぎない。
彼女は、俺が自分のためにこの熱地獄に付き合っているという事実に、無自覚に心を蕩けさせていた。
「分かりましたよ、騎士様。そんなに気になるなら、後でじっくり『検品』させてあげますから。今はまず、その凝り固まった背中を流させてください」
俺は立ち上がり、彼女を洗い場に誘いその背後に回った。
騎士の背中は、数々の訓練と重責を物語るように、美しくも痛々しく張っている。
「あ、あぁっ。カイル、そこだ。そこを…」
俺は、彼女の背中を流しながら、わざと指先を念入りに動かした。
社畜の指圧とゴミ箱の浄化の合わせ技だ。
彼女が騎士として張り詰めてきた硬い殻を、一枚一枚剥がしていくように。
皮膚が触れ合うたびに、ヒルダの身体がビクンと震え、吐息が甘く、熱くなっていく。
「ふぅ、あ、カイルっ。貴公…本当に、良い『接待』を…しやがるっ♡」
魔導サウナの熱気以上に、二人の間の温度が上昇していく。
「…ヒルダ様、かなり『温まって』きましたね。そろそろ、仕上げに入りましょうか」
俺の問いかけに、ヒルダはもう、騎士らしい返しをすることができなかった。
超高温のサウナで限界まで蒸され、さらに俺の指先で弱点を的確に突かれた彼女は、真っ赤な顔をして、口を微かに動かすだけだ。
「あぁ。カイル。貴公、私は、もう…っ」
彼女の瞳はとろんと潤み、いつもはエルフレイデ様への忠誠を叫んでいる唇が、今は俺の名前を呼んでいる。
体育会系特有の一度許した相手への全幅の信頼が、完全に理性を上書きしてしまったらしい。
「騎士は強くあるべき、でしたっけ。でも、ここには聖女様も司祭もいませんよ。俺という『ゴミ箱』の前でだけは、ただのヒルダさんで居ていいんです」
俺は彼女のタオルに手をかけた。
普段、重厚な白銀の鎧で守られている彼女の中身は、驚くほど白く、そして熱気に当てられて桃色に染まっていた。
「くっ、ぅ。接待、最後まで、責任を持て。カイル!私を、これ以上ないほど…汚して、そして…洗ってくれ!!」
ヒルダは、ついに自制心をかなぐり捨てて俺に組み付いた。
騎士の鍛え上げられたしなやかな肢体が、熱い肌が、俺の身体に密着する。
彼女の汚れ…それは、清廉潔白であらねばならないという強迫観念と、その裏側で膨れ上がっていた、野獣のような独占欲。
俺は、彼女の中へと、ゆっくりと、けれど確実に、接待の続きを流し込んだ。
「あぁっ♡…おぉっ!!なんだ、これはっ♡聖女様の…よりも、あぁ…熱い…っ♡!」
彼女の叫びが、サウナ室内に反響する。
強くあれと自分を律し続けてきた反動か、彼女の反応は素直を通り越して、暴力的ですらあった。
俺の腰を脚でがっちりと挟み込み、離すまいと必死にしがみつくその姿は、戦場の英雄ではなく、ただ愛を乞う一人の女の子そのものだった。
「よしよし。全部出してください。ヒルダさんのこと、俺が一番よく知ってますから」
「カイル…カイルっ♡ 好きだ…貴公のことがっ♡…あ、あぁっ…イ、いくっ♡騎士の誇りも、全部…捨てて…いくっ♡!」
ドロドロに溶けた騎士の本音が、俺の中に、これでもかという質量で納品される。
俺は彼女の熱を受け止め、さらに深く、彼女の心の奥底までを検品し、蕩けさせていった。
数十分後。
サウナを出たヒルダは、借りてきた猫のように大人しく、俺の裾を掴んでトボトボと歩いていた。
「カイル。さっきのことは、その、他言無用だぞ。特に、聖女様には…」
「わかってますよ。これは、俺とヒルダさんの、極秘のプロジェクト(接待)ですから」
俺がそう言って彼女の頭を撫でると、ヒルダは「う、む」と、幸せそうに目を細めた。




