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素材集め(1)

 冒険者の朝は早い。

 協会が開き、依頼が新しく張り出されるのは、朝一番のタイミングだ。

 そこで張り出される依頼の中から、少しでも割りのいいものを選ぼう、と思えば、朝早くに詰めかけることになる。


 そういう朝の騒動に巻き込まれないのは、依頼を終えた報告に来た冒険者、あるいは、そういった争奪戦に参加することを、最初から諦めている冒険者。

 そして、もう一つが、わざわざ張り出された依頼を取りに行かなくても、協会側で依頼を選別してくれる、高ランク冒険者だ。


「ちなみに、クランやギルドなら、協会から優先的に依頼を回してもらえるから、やっぱりこういう争奪戦には、あんまり参加しないな」


 アビロアに存在するギルドは、現在三つ。


 最大規模の『アドベンチャラーズ』。

 入団試験が割と緩めなのと、新人優遇の決まりもあって、アビロアの冒険者の大多数が所属している。

 これと同様なギルドは、他の街にも存在する。


 討伐専門の『紅炎遊撃隊』。

 討伐専門と掲げるだけあり、異界への挑戦よりも、モンスターの討伐に重きを置いたギルドだ。

 モンスター被害は、生活に直結するだけあって、民衆の支持の厚いギルドであり、所属者も多い。


 そして、『天意の旅団』。

 他の冒険者のギルドとは違い、貴族しか所属を許されないギルドである。

 貴族としての権力と財力をふんだんに使っているため、所属人数自体は少なくとも、各街に一際豪華な施設を備えて存在する。


 ジェシカは、ここに『虹の飛島』を新しいギルドとして並べたいらしいが、さすがにこちらは数年かかるだろう。


 ともあれ、冒険者が一番に動くのは、早朝だ。

 依頼を受けてモンスターを倒しに行くにしろ、あるいは異界に向かうにしろ、移動は早朝からだからだ。

 だから、街の門が一番混むのも、この時間である。


「さて、俺達の今日の予定だ」


 昨日の酒は残すことなく、ルディランズはブレアを伴って、都市の中を歩いていた。

 ざわざわとした賑わいと、人の流れ。

 それに流れないよう、ブレアはすいすいと先をルディランズを必死に追う。

 ルディランズが、比較的長身だからこそ、見逃さずに追いかけられる。


「お前の呪いの問題があるから」

「昨日も言っていましたけれど、呪い、とは何ですか?」

「説明は、まあ、後でしてやろう。とにかく、お前は呪われている」


 ルディランズの目から見て、それは明らかなことなのだ。

 呪い、というが、


「別に、誰かの恨みを買った、とか、そういうのじゃないぞ? お前が持っている呪いは、どちらかというと儀式魔術の結果みたいなものだ」

「魔術、ですか?」

「おう。簡単に言ってしまうと、お前は、今までの生活の中のどこかで条件を満たした。結果として、呪いを受ける羽目になった。・・・・・・まあ、運が悪かったんだな」


 ともあれ、


「お前にかかったその呪いは、その時々で何が発動するか分からないものだからな。命に直結するようなモノじゃなかったのは、不幸中の幸いだな」


 そう言われたところで、ブレアとしては反応に困る。

 加えて、それならば、なぜルディランズが自分を買ったのか。

 呪われている、と分かって、買う理由などないように思えるのだが。


「だが、さっきも言った通り、お前のそれは、儀式魔術の結果みたいなもの。もっと言うと、代償なんだ」

「代償? 私は、何かを引き換えにしている、というのですか?」

「まあな。だが、今のままだと、呪いと引き換えに得た力を引き出せない。だから、その力を引き出すための装備を用意する必要がある」


 そして、


「そのための素材集め。それが、今後の俺達の予定だな」


 ルディランズは、一軒の店の前で、足を止めた。

・ギルド

基本的に、大きな都市には、ギルドが複数存在するもの。

ギルドの最低構成人数は、64名だが、大体のギルドは100名以上が在籍している。

大まかには、新人冒険者の補助を目的とした『アドベンチャラーズ』のような補助ギルド。

異界攻略をメインとする、攻略ギルド。モンスター討伐をメインとする、討伐ギルド。

何かしらの専門クラスを集めた、専門職ギルド、など、ギルドごとにある程度の特色がある。

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