個性豊かな生徒会
俺、びっくらは少しイライラしていた。
それはいつまで経っても校長の話しが終わらないからだ。
「先ほど一年生は勉学を頑張るように言いましたがやっぱり運動などもーーーー」
あぁもう、話しが長い!
周りも多少イライラしてるのが伝わる。
今日は週に一回の全校で集まって話をする日。
最初に校長の話しから始まり、各学年の連絡事項を知らされ、最後に何かある、というのが大まかな流れになってるのだがその最初が長すぎる。
「はい、まぁ話しが長くてみなさんうんざりしてそうですね。この辺で終わります」
校長はそういうとマイクを降ろす。
「姿勢を正して、礼」
星喰いセンセーのハキハキとした声がマイク越しに体育館に響く。
「次は今週の各学年の連絡事項です。二年生は明日学力検査、三年生は放課後イベントの手伝い、明日数学のテストです」
(イベント.....?特に話しは聞かされてないけど、なんのことだ?)
わざわざ何のイベントかも伏せられている辺り何か面白いことだろう。
とてつもなく気になる。
「最後に、今回は生徒会のメンバーの自己紹介からです」
生徒会、そういえば二、三年の顔を俺はまだ良く知らない。
というか一年で生徒会決めみたいなのはないがどうなっているんだ。
「それでは生徒会の皆さん、舞台上へどうぞ」
何人かがスッと立ち上がり舞台上へ登る。
「…おい、まずは生徒会長から行けよ」
「は?こういうのは左側からじゃないの?だからあたしから言うべきだと思ってるけど」
「俺はどちらでも良い。早くしろ、待たせてしまっている」
……揉める内容がくだらねぇ!うちでさぇ自己紹介はグダってないのに生徒会のメンバーはここでグダるのか!?
「もう良いよ、あたしから行く。あたしはてこ、生徒会筆記だよ!まぁ生徒会の影のリーダー、って感じかな?実は漢検準1級と英検2級持ってるんだよ。彼氏はー、秘密!この学校の影のリーダーとしてみんなを引っ張っていくよ!よろしくね!」
なかなか明るいな。自慢を隠さず普通に言う感じ、俺は嫌いじゃないぞ!」
「順番的に俺か。俺は冬至、生徒会兼イベントのリーダーをしている。みなさんお楽しみにしておいてくれ」
ニッと不気味に笑いながら短い自己紹介を終える。
先ほどのてこの自己紹介が中々長かったから余計に違和感がある。
「俺はMcArthur。Mcとでも呼んでくれ。この学校1のイケメンでありモテ男だ.....告白されてきた数は両手では数えきれない。ラブレターは靴箱じゃなくて俺に直接渡してくれ。バレンタインのチョコもだ。彼女は今他校の子と付き合っている.....よろしくな」
なかなか気持ちの悪いやつだな。まぁ確かに整ってるけど、あれ量産型じゃねぇか!
「こんにちは、生徒会長のドキドキビートだ。生徒会長としての役割を務める。その他にも体育会のラジオ体操を前でしたり、放送を行ったりなどする。よろしく頼むぞ」
いや、イケメンじゃねぇか!!!さっきのMなんちゃらなんか比べものにならないぞ!!!
「以上の4人で学校を引っ張って行ってもらいます!皆さん、生徒会の4人に拍手を」
パチパチパチパチパチパチ
「それでは一年生、二年生、三年生の順番に教室に戻って下さい」
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「全員いるか?」
教室を見渡す。1人だけいない。
「E257がいないな。多分帰ったんだろう」
「.....いつからだ?」
「E257くん、集会で座っている時にはいなかったよ。多分移動中に帰ったんじゃない?」
「はぁ......じゃあ連絡事項はLINEで知らせておいてくれ」
「E257はLINEしてないぞ」
「はぁ?今時LINEしてない高校生なんているのか。じゃあまた今度空いた時間に報告しておいてくれ」
『はい』
「今から連絡するのは一年を通しての学校行事だ。5月には校外学習、6月には第一次体育祭、7月には終業式、8月には始業式と校外学習、9月には文化祭、10月と11月にそれぞれ体育祭、2月にはサバゲー、3月は何かしらのイベントと終業式だ。また、今の話しを聞いて勘のいいやつはわかると思うがこの学校は冬休みがない。その点には注意しろ」
「えーっと.....どこから触れたら良いの?まず体育祭多くない?」
普段はクールなSCが困惑した様子で質問する。
「多いがこの学校は運動を重要視している。また、体育祭を通して絆が深まる。そのためこれだけの回数ある」
「先生、冬休みないってどういうこと?冗談だよね、、、?」
雪凪が半泣きになりながら聞く。
「冗談ではない。マジだ」
「雪凪チャン、ドンマイダヨ」
生気の抜けた表情をしている雪凪をカンソが慰める。
いやほんとに冬休みないってどういうことだよ!?ふざけてんだろ!
「それでは連絡事項は終わりだ。起立、気をつけ、礼。」
『ありがとうございました!』
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「はぁ......ゆめさぐりちゃん、遅いなぁ」
私、Roriaはコンビニでいわゆるヤンキー座りをしながらゆめさぐりちゃんを待っていた。
数日前にゆめさぐりちゃんと夜会ってからほぼ毎日このコンビニで会うようになった。
「あ!ゆめさぐりちゃんちょっと遅いよ〜」
「申し訳ありません、塾の先生が終わらせるのを少し遅らせてしまって」
最初は天ノ橋のような雰囲気を持っているように見えていたけど、今では天ノ橋とは全然違うように見えていた。
「見て下さい!この猫、可愛くないですか?」
「え!可愛いね、その動画送ってよ!」
天ノ橋とは趣味が合わないためこんな話しはできないのだが、ゆめさぐりちゃんとは意外と趣味が合う。
おすすめのゲームを教えてもらったり、お互いに買ったお菓子を一口交換してみたり。
そうしてる間にこの時間が私の中で、何よりの楽しみになっていた。
「このアイス美味しいですよ。一口食べてみます?」
「ありがと。......んー、美味し!ん、あれってびっくら君かな?」
「ん?誰か呼んだか?」
びっくらくんがキョロキョロしている。
「おや、ほんとですね。おーい、びっくらさん。こちらですよ」
「ん?ゆめさぐりに、Roria?お前ら何してんだ?」
「塾帰りにここで雑談してたんだよ〜」
「ふーん、そうなのか。ってゆめさぐり、お前そのキャラって」
「あ、気づきました?実はガチャ、10連で引いたんですよ」
ゆめさぐりちゃんがドヤ顔でびっくら君に自慢する。
「はぁぁぁぁぁ?意味わかんねぇ!!俺は100連しても出なかったのに、なんでだよ!!!」
「ふふ、仕方ないですよ。強キャラが出やすくなる方法教えましょうか?」
ゆめさぐりちゃんとびっくら君が楽しそうに会話する。
何か心の中にモヤッとしたものができたような気がする。
「じゃ、俺は帰らないとだから。またな」
「さようなら」
「.....私も、帰るね。時間あれだし」
「あ.......すいません」
「大丈夫だよ!ばいばい〜」
私はわざと明るく見せてその場から離れる。
今さっき出てたモヤッとした感じ。
天ノ橋に感じるのとは別の、なんとも言えない嫉妬のような感情。
なんなんだろう。
私の感情は、嫉妬で埋め尽くされてるのかもしれない。




