※16話 解説+SIDEフィンレー
『勇者フィンレーと聖女エスタ』
***16話の解説になります***
※読み飛ばしてもOK!
私が書いた小説「復活した悪魔は……(以下省略)」では、『勇者フィンレーと聖女エスタ』二人の詳しい過去話は書いていない。
本編内で―――聖女エスタは、
「勇者フィンレーと勇者の剣に振り回された」
と、言っていたが、実際、振り回していたのは聖女エスタのほうだった。
当時。聖女エスタは、様々な事情が重なり精神的に不安定な状態に陥っていた。そんな彼女を献身的に支えていたのが『勇者フィンレー』だった。
テオドールとリラが駆け落ちする一年前(今から約11年前)。
フィンレーは、『勇者候補だったテオドールと、護衛騎士リラ』の密会現場を目撃。仲睦まじい二人を影ながら応援していた。
本来、明るくおちゃらけキャラだったフィンレーは、その時はこんな大事になるとはつゆ知らず、『テオドールとリラがくっつけば、あわよくばエスタが自分に目を向けるのでは!』という淡い打算も多々あった。
(※当時の王国には「勇者は聖女と生涯を共にする」という伝統があった。それにより、勇者候補のテオドールと、聖女エスタは正式には婚約していない。)
それから間もなく。
テオドールを取り戻そうと、豹変するエスタ。
駆け落ちしたテオドールとリラには、「見つけ次第斬首せよ」と王命が下され、王国騎士団による大規模な捜索が行われた。テオドールの父エドワード・ハワードも『海流しの刑』に処された。
***(SIDE フィンレー・告白スタート)***
俺はずっと後悔していた。
テオドールが逃亡したことで、自動的に俺が新たな勇者に選ばれた。
―――自分があそこでテオドールを止めていれば……こんなことにはならずに済んでいたかもしれないのに……
エスタは、王宮内はもとより、王国全土で「勇者に逃げられた聖女」と陰で罵られていた。だから、少しでもその矛先が自分に向けられるように。あたかも俺が勇者になりたいがばかりに、テオドールを陥れたと思わせるために、人前では『横柄な最弱勇者』に見えるよう振舞った。
そんな俺を、エスタは冷たいまなざしで見つめるだけだった。
それでいいと思った。
俺にとってエスタは幼馴染で、友人で、そして……ずっとずっと昔から密かに思いを寄せていた。命よりも大切な”エスタ”を守るためなら、俺はどんな不名誉も苦役も厭わない―――と。
***(SIDE フィンレー・告白終わり)***
そして、これより15年後。
『勇者の剣』に指示されるがまま、勇者フィンレーと聖女エスタは、アレキサンドライト王国国王襲撃事件を起こす。
そこで、小説の主人公ルーシーに敗北した勇者フィンレーは、国王襲撃の罪で収監。
エスタ様は、元王族ということで(宰相スチュワート様の配慮により)重罪には問われなかった。
エスタ様は、国王襲撃の際。テオドールとうり二つの彼の息子と会い、自らの間違いを悟り深く後悔する。贖罪のため、主人公ルーシーを立派な勇者に育てあげるという決意を抱く。
そして、元勇者フィンレーに対して自責の念に駆られていたエスタ様は、今まで自分の我儘で縛り付けてきた(と思っていた)勇者フィンレーを「自由にしてあげて」……と願った。
フィンレーはその後釈放されたが、行くあてもなくアンフェール城に滞在。
それから3年後。二人は―――
***(解説終了)***
次回、明日更新予定です
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