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閑話 アレンへ
私に、恋はわからない。
だから、彼の気持ちもよくわからなくて。
どうして、彼が、あんなにも妹に惹かれたのか。
誠実で、理知的な人だった。
家を継ぐものとして、立派に教育されてきたはずなのに———それでも、彼は妹を選んだ。
ひょっとしたら、家族も、親しい人への義理も、貴族の身分すら全部を捨てる覚悟をして。
わからない。
恋なんて、そんなもののために?
……でも、
わかってしまうの。
きっと、それほどに。
誰かを愛するというのは、そういうことなのね。
だから、私も選んだ。
どんなものを捨てても、
傷ついても、
願いをかなえてみせる。
私は、欲しかったの。
誰かに選ばれる瞬間が。
神様、
どうか———
私の願いを。




