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祝・二周年! 異世界司令官〜【統帥】スキルで召喚されし無敵の帝国軍よ、誇り高き軍旗とともに前進せよ!〜  作者: Altemith/あるてみす
最終章

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第488話 戦闘準備

 俺のもとに再び結束を固めた帝国の陸海空軍。

もう迷うことは何もなく、ただロキの復活阻止という大いなる目標に対して進むことができるようになった。

次々と指揮系統は回復していき、次なる作戦に向けた調整が進められた。


「陛下、こちらが我々の立案した作戦に関する情報と、概略図です」


「ふむ……ロキの素体を積んだ艦船を撃沈することが前提条件である以上、その後にコアレシアとの開戦を避けることはできないからな。準備しておくに越したことはない」


 ロキの素体を積みこむのはコアレシアの艦船である。

それを撃沈するということは、コアレシアと戦争の火ぶたを切るということと同義語である。

そのため、ロキの素体を載せた艦船を撃沈する直前に宣戦を布告する。


 その際に陸上でも戦闘が起こり、コアレシアはザイエルンとローゼンブルクに侵攻してくるだろう。

ヒンデンブルクをはじめとする陸軍の大部分は、ロキの素体の破壊が完了するまで国境線で敵を足止めすることが目的だ。

残りの少数の陸軍と海兵隊は、敵の予想もつかない場所から郷愁上陸をかけることで混乱を招く任務が与えられている。


「我々陸軍は素体の破壊確認後、総力を挙げて反転攻勢を開始、敵の首都をめがけて一気に制圧します」


「……もしも首都陥落後も抵抗を続けるとしたら? ロシアのように大陸の奥へ奥へと引き下がられると厄介な泥沼の戦争になるぞ」


「その際は短期決戦を望むのではなく、持久戦に切り替えます。既にコアレシアは通貨の暴落により経済がマヒしており、長期的な戦争を戦い抜く体力は持ち合わせていません。持久戦となった際は敵のインフラや重要施設を徹底的に破壊することで補給線を断絶させ、戦争継続を困難なものとさせます」


「持久戦となれば明らかにこちらに理があるからな。しかしこの戦術はコアレシアの経済が壊滅的な被害を受けているからこそ。この経済状況をあらかじめ作り出したビスマルクの手腕は素晴らしいものだ」


 味方にするとこれほど頼もしい存在はないが、逆に敵に回すとこれほど恐ろしい存在はない。

そう思いながら、俺はヒンデンブルクらとともに軍の細かい配置や補給の導線を決定していく。

――そうしていると突然、司令部内に設置された電話が鳴り響いた。


『親衛隊情報部より陸軍大本営へ通達。本日一五〇〇において、敵主力艦隊の出港を確認。現在、同艦隊は東に進路を取り、海底大陸を目指しているものと思われます』


「了解した。引き続き敵艦隊の動向を注視するように」


 ついに、ついにコアレシアが行動を始めた。

主力艦隊を動かしたということは、あちらも勝負に出るつもりなのであろう。

ならばこちらも、急いで海上封鎖を行わねばならない。


「諸君。先ほどの連絡により、敵艦隊が行動を開始したとの情報が入った。これをもって帝国は国家非常事態宣言を発令するとともに、全軍における即時戦闘可能な状態への移行を命じ、火器の無制限使用を許可する」


 この時をもって、イレーネ帝国全体は戦闘体制へと移行した。

その情報は各地に配属された軍を仲介して全土へと広まり、開戦前特有のピりついた空気が張り詰めていた。

――そしてそれは、海の上でも同様であった。





 ウルシー環礁、停泊する帝国海軍第一機動部隊、旗艦ニミッツ。

湾内に停泊していた艦艇は相次いで出港の準備を進め、弾薬や燃料などの積み込み作業が行われていた。

ニミッツの飛行甲板上に立ったニミッツ元帥は、自身と同名の乗艦に掲げられた戦闘旗を見つめる。


 かつて太平洋に翻ったその旗は、今度はコアレシアに対して牙をむこうとしていた。

また旗を見つめるのは、何もニミッツ元帥だけではない。

帝国海軍に所属するすべての艦艇が、同じく戦闘旗を掲げ、戦闘状態にあることを示していた。


~中部太平洋・通商破壊艦隊旗艦リヴェンジ~


 航行するR級戦艦の長女たるリヴェンジ。

この艦隊は当該海域を通過すると思われるコアレシアの船団を臨検する役を担っている。

そして見えないが、海中にはUボートが待機しておりいつでも撃沈可能となっていた。


 リヴェンジを指揮するアーチャー提督は、水平線の先をじっと見つめている。

レーダーには既にいくつかの艦影が写っており、近海に味方艦隊が存在しないことから敵であることはほぼ確実だと思われていた。

だがまだ撃沈命令は下っておらず、


「提督、我々は攻撃してはならないのですね?」


「……そうだ、今回の敵の船団はあくまでもコアレシアを出発した船団。そこには何も積まれていないため一度泳がせる必要がある。奴らの船団が戻ってきたときには――分かっているな?」


「AyAy Sir! その時には敵の脇腹にどでかい一発をかましてやりましょう」


 その言葉と時を同じくして、水平線のかなたから黒煙がもうもうとたなびいているのが視認できるようになった。

コアレシアが自国の存亡と栄光をかけて建造した、数十の戦艦と補助戦艦からなる正真正銘の主力艦隊であった。


 それと対峙するのは、リヴェンジを旗艦としたイギリス戦艦10隻と護衛の水雷戦隊。

コアレシアの栄光と大英帝国の栄光が、海という舞台を前にしてお互いの輝きを競い合っていた。

やがて距離は縮まってゆき、望遠鏡を使わずとも視認できる距離にまで近づいてきた。


「敵戦艦2隻、本艦の正面に接近。このままですとこの二艦の間を通過することになります!」


「構わん、針路そのままだ。奴らに戦艦とは何かをじっくり見せつけたまえ」


 リヴェンジは針路を変えることなく、コアレシアの戦艦と補助戦艦の間を通過した。

それに続き、他の戦艦たちも堂々と間を通過し、さながら展示航行のようにすれ違う。

お互いの戦艦のマストがそれぞれにらみを利かせたまま、コアレシアの艦艇は海底大陸へと向かってゆく。

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