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俺の靴下が片方ないっ...!!  作者: 三食咖哩
24/29

24足目 問いと靴下

番長の息が整ったのを確認して紅葉先生が話し始める。


「じゃあまず、今回の緑化プロジェクトの概要から話していこうかな。


「商店街や学校、駅も含めた街全体で行う割と大きな緑化活動になる。おそらく君たちが卒業する頃になっても続いているだろう。」


「卒業後もお手伝いとかできるんですか?」


間木さんが手を挙げて尋ねる。


「少し気が早くないか?ま、ボランティアも募集しているから問題なく参加できるだろう。むしろ助かるんじゃないか。」


卒業してからも顔を出してくれるみたいだ。頼もしいぜ...。


「メインの仕事管理については肥田の親父さんの会社で受け持つそうだ。」


「ワタシはむしろそっちでの参加が多くなってしまいそうねぇ。」


「まぁそれはしょうがない、跡取りだし色々あるだろう。」


「もちろん可能な限り部長として参加するつもりだから安心してね!」


こちらを向いてウインクを決める肥田さん。頼もしいぜ。


「ほどほどにな。...じゃあ次。」


「参加者は自由にアイデアを出していいらしい。必要性や費用対効果はその都度検討されるそうだ。あと若者の意見を欲しがっているようだから、君たち次第でどんどん進んでいくかもね。」


「既に決まっている案とかアタシたち学生が行う作業内容はないんですか?」


黙っていた番長も口を開く。

それを聞きたかった、頼もしいぜ!


「う~ん、まだなんじゃないかな。あったら連絡が来てるはずだし。」


「一応商店街内の完成予定ジオラマはできているわよぉ。」


「へぇ~流石だねぇ。」


「頻繁に変更が加わると思いますけどねぇ。」


「まぁそれが面白いんじゃないかな?とりあえず7月くらいからスタートする見込みらしいから、それまでに思いついた案があればじゃんじゃん私に教えてね。」


「はぁい。」


肥田さんの後にみんなが続いて返事をする。


「じゃあ私は職員室に戻るから、またね~。」


そう言って去っていく紅葉先生を尻目に早速間木さんが声を上げる。


「みんなで街を回ってみるのはどうですか?何処に花を植える、とか具体的なイメージが沸くと思ったんですけど...。」


「あらぁいいじゃない。アタシも行きたいわぁ。」


両手で親指を立てて肯定する肥田さん。


「二人はどう?」


「俺も構いません。というか先輩たちのアイデア聞いてみたいです!」


「ワタシはちょっと今日は遠慮しておこうかな~って思います。」


チラリとこちらを見てきた番長と目が合う。だがすぐに目を逸らされてしまった。なんだ?


「あ、今日じゃないよね!時間があるときにでも、お散歩がてら...ね!」


屈託のない間木さんの笑顔に負けたのか番長が口を開く。


「じゃ、じゃあ行きます...。」


顔が引きつっている。本当に大丈夫か?


「決まりねぇ〜!じゃあ時間と集合場所は後日時間が取れそうな日を合わせて決めましょうか。」





その後雑談をしていると、番長が帰りたそうにしていた事に気づいた肥田さんのひと声でお開きになった。残された3人で話し込む。


「わ、私悪いことしちゃったかな。番長ちゃん大丈夫かな 。」


「大丈夫よぉ。番長ちゃんも間木ちゃんに悪気なんてないことは分かってるわ。」


「だといいんですけど...やっぱりあんまり乗り気じゃないのかなぁって。」


乗り気かどうか、ということ以外にも気になる部分がでてきたな。なぜ番長はあの時気まずそうに俺から目を逸らしたのだろうか?何かをやらかした記憶もない。


直接聞いても話してくれるか分からないし、KINEでも使って聞いてみるのがいいか。


「考えすぎですって。俺、もう一回聞いてみようと思います。」


「うん...。お願いね。」


「もしモモちゃんだけで解決できなそうなら、ワタシたちがいっぱい力になるからね。」


「ありがとうございます!」


話もまとまり今度こそ解散になったため、フローマの待つ喫茶店へと急いだ。





相変わらず可愛らしい鈴の音を鳴らしてドアを開けると、店長さんがこちらに手を振って迎えてくれた。


「あらこんにちは〜。今日は1人?」


「こんにちは。はい、フローマに呼ばれまして。」


「フローマちゃんに?」


「ええ、話がしたいから来てほしいと...。」


「そういうことね〜。どうぞどうぞ〜!」


カウンターの扉を上げて手招きし始める。


「いいんですか?俺だけで入っても。」


「心配しなくてもめぐるちゃんはまだ帰ってきてないから〜。私は別に百束くんなら気にしないしね〜。」


「ではお言葉に甘えて...失礼しまーす。」


チリリ、とベルが鳴った。お客さんの注文ベルのようだ。


「は〜いお伺いしますね〜。」


いっぱいお話してあげてね。と耳元で言うと、店長さんはベルが鳴ったテーブルへとゆっくり向かっていった。


目線を下にやると既に階段が出ていたので、早速降りていく。


会ってまで話したいこととは一体何なのだろうか。そんなことを考え始めようとしたところですぐに部屋に着いてしまった。


「前回来たときよりも階段が短く感じたな。」


『前回は緊張によりモモツカの体感時間が長くなっていたからでしょう』


「聞こえてたか。おまたせ。」


『はい、お疲れ様ですモモツカ。わざわざ来ていただきありがとうございます』


入り口でもフローマの声が聞こえるのはスピーカーだろうか?音の出処がはっきりせず、スーパーでよび○み君を探す時のようにキョロキョロしてしまう。


『どうかしましたか?』


「いや、どこから声が出てるのか気になって。」


『秘密です』


「そうか。」


秘密にされてしまった...。別にいいけど。

歩いて転送機の近くまで寄ると、ランプが明滅しコオォと音をあげ始める。


『待機状態を解除しました。転送も可能です』


何故?と思ったが本題に入ってしまおう。


「それで、会って話したいことってなんだったんだ?」


どこを見たらいいかよくわからないので、転送機のモニターを見ながら話しかけてみる。


『地上のウェブを覗き見している時に何点か気になることがありまして』


「覗く以外の方法はないのか...?」


『では言い方を変えましょう。そして話を戻します』


そういう問題ではないがひとまず聞いてみよう。


『地上の勉強をしようと調べ物をしていたところ、ウェブだけでは完結しない質問がありました。その答えをモモツカに聞こうと思いまして』


「そんなものあるか?大抵はウェブで解答得られると思うんだけど」


『大抵はありました。が、引っかからないものもいくつか出てきました』


「なるほど。どんな内容なんだ?」


『では1つずつ聞いていきます』



『まず1つ目。地上における地底の情報は、何故あんなにも嘘だらけなのでしょうか?』


「え?それはエナトスとかフローマ達の方がよく知ってるんじゃないか?」


『いえ、地底では基本的に与えられていない情報です。もちろん地上についての禁止事項はいくつかありますが、ラフタラが私達のことを知らないという情報はありませんでした』


『また、定期的に地上へ上がるエナトスもいたので親交はあるのだろうと考えられています』


「そうなのか...地上では都市伝説の類でしかないな。聞いたことある有名なところだとシャンバラ、アガルタに...アルザルだっけか。」


『...はい。実はそのアルザルこそがエナトスの住む地底文明です』


「...あんまり驚かなくなってきたんだが、名前は合ってるんだな。」


『ええ、ですが名前だけで中身は全くの別物です』


「へ〜。過去に地上に上がってきたエナトスが広めた...とか?中身の曖昧さに関しては分からないが。」


『あまり信じたくはありませんが、その意見はあながち間違いではないかもしれません』


『モモツカが読んだという書物についても気になるところです。誰かが故意に情報を漏らしている可能性があります』


「そこに根も葉もない話がついて広まったら、ウェブに落ちてる情報みたいになるだろうなぁ。」


『そうなのでしょうね。1つ目の答えはひとまず「ラフタラがアルザルについての知識を所有していないから」ということで。』


「フローマにヒントをあげただけな気がするんだけど。」


『それでいいんですモモツカ。あと今更ですが、すぐ前の椅子に座っていただいていいですよ』


急に座れと促されて少し驚いたが助かる、好意にあやかろう。


「ありがたく座らせてもらうよ。」


転送機の前に設置された長椅子に腰掛け、再びフローマの話を聞く姿勢をとった。

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