掌〜本来の記憶と力〜
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ーー昨日の夜に"迎えに来た"とか"昔のように呼び捨てで呼んで欲しい"とクラウド様に言われてからずっと気になっていたけど"遊び相手"だったなんて・・・
「私はクラウド様のことを覚えていないし魔法を使ったこともないわ。魔力がないと言われたもの。それにいくら小さな時でも少しぐらい覚えていてもいいはずなのに・・・本当?」
「覚えていないのはおそらくセレナを守るために記憶の一部と魔力を封印されたんだと思う。たぶん俺のせいなんだ。すまない。」
「クラウド様・・・」
目線を落とし、暗い顔をするクラウドを見てセレナは居ても立っても居られず、ハーブティの入ったカップをテーブルに置くとクラウドの横からそっと左頬に触れた。
「セレナ・・・?」
「私はこんなにも元気なんだから謝らないで。私を守るためのことなら仕方ないじゃない。クラウド様のそんな思い詰めた顔見たくないわ。」
セレナは微笑み、自分は何も気にしていないと伝えたかった。
ーークラウド様を安心させたい。自分のせいでそんな顔しないでほしい。
「ありがとう。セレナは昔から優しいね。」
クラウドは自分の頬に触れられた手に自分の手を重ねた。
「そんなことないわ。私はただクラウド様にいつも通り笑って欲しいだけ。」
「・・・そか、ありがとう。じゃあセレナが早く記憶を取り戻して昔のように名前を呼んでくれたらもっと元気が出るんだけどね。」
クラウドは悪戯っぽく微笑むとセレナの手を掴み、自分の方へ引っ張った。
「きゃっ!」
「おっと!」
セレナは倒れてしまいクラウドの膝に座る形になってしまう。クラウドが背中を支えてくれたおかげで床に落ちることはなかった。
「ちょっと!クラウド様?!」
「じっとして。少しでいいからこのままいさせてくれ。」
「無理!近すぎるわ!」
「しっ!静かに。」
クラウドの冷やっとした人差し指がセレナの唇に触れ瞬時にセレナの動きは止まるが鼓動は早まる一方だ。異性との免疫もなく、頭はパニックになり全身火照ってしまい、
ーー息もできない!!
「クラウド様??わ、私は向かいの椅子に座って話を・・・」
「俺はこのままがいい。時間が惜しいから話を続けるよ。」
「えぇ?!私の希望は無視??」
「セレナなら許してくれるからね。それに話が終わったら俺はエルトニアに戻るからしばらく会えないと思うんだ。だからセレナを充電しとかないと。」
「そう・・・なのね。」
クラウドは今ナルシャ王国で追われている身。身を隠すなら自国に戻るのが一番安全だろう。
「この国で潜んでいてもいいんだがセレナの記憶を戻すために解術師を探さないとね。既に手配はしていて探させているよ。」
「記憶が戻せるの?!じゃあ魔法も?」
「おそらく本来の記憶と力を取り戻せるよ。」
「でもどうしてこんなことに・・・」
クラウドに聞くまで自分の記憶が操作されていたなんて思ってもいなかった。それに誰かに操作されていたと考えると怖くなる。
「俺が第一王子で尚且つこの力のせいで殺されかけたんだ。それで生死を彷徨って諦めかけたときに命を繋いでくれたのが光の神子であるマリア様だった。でもマリア様でも完治は出来なくて闘病は続けないといけなかったんだ。そんな時に側で手を握って看病してくれたのがセレナだった。そしたら見る見るうちに元気になって完治した。」
「えっ??」
クラウドはセレナの手を握ると優しく微笑んで話を続けた。
「セレナの魔力のおかげだよ。でもその時のセレナはまだ光の神子ではなかった。つまりセレナは元々自身の魔力を持っていたんだと思うよ。光の神子より最強のね。」
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