↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
26/37

満月の夜

大変お待たせしました。読んでいただきありがとうございます!

クラウドがエルトニア帝国の王子で今後は大公という話が瞬く間に学校中に知れ渡っていた。昨夜の夜会に出席していた者がいたのだろう。


セレナはクラウドがなぜ学校に来ないのか気になってそれどころではなく、授業も頭に入らなかった。


クラウドは王子ということを隠す為に学生寮で寝泊まりしていると聞きつけ、休憩時間に寮生活している生徒にクラウドを見かけたか聞いてみたが昨日の夜に外出する姿を目撃されてから戻ってきていないという。


ーー王宮から帰っていない?今どこにいるの?


「ねぇ!ちょっと!セレナ聞いてる?前から聞いてて知ってたの?」


「・・・えっ?」


「もう!何ぼーっとしてるのよ!だーかーら!ウィリアム様が王子だったこと聞いてたの?って聞いたのよ!セレナはウィリアム様と仲良かったじゃない。」


「仲良くなんか・・・それに王子だったなんて昨日初めて知ったわ。私も驚いたのよ。」


今は昼休みの学食

セレナはクラウドのことで考え事をしていて上の空だったがミモザはお構いなしに昼食を食べながら畳み掛けるように質問攻めしていた。


「でもピッタリよね〜」


「何が?」


「ウィリアム様が王子様ってことよ〜♪カッコいいし行動もスマートで王子様気取りしてないところも魅力的。・・・だと思わない?」


ミモザはうっとりしながらセレナに目線を送る。


「そうね。誰に対しても同じ目線で平等に接していて王族の鑑だと思うわ。」


「平等?優しいのはもちろんだけどセレナには特別じゃない?」


「私は国は違えど同じ公爵位の子供同士ということで仲良くしていただいていただけよ。でも今後は接し方に気をつけるわ。」


「もう!そんな社交辞令的な返しはやめて本音は?セレナとウィリアム様ってお付き合いしてるってもっぱらの噂よ?」


「えっ!うそっ?!」


まさかクラウドとそんな噂になっているとは露も思っていなかった。


「あ〜きれった。だってマルクス殿下から助けられたり噂になる要素大ありじゃない。それにセレナって異性とは距離をとっていてあまり話さないのにウィリアム様とはよく話してたでしょ?図書館で2人仲良くしてたって目撃談も聞いたわよ。私に隠してたでしょ?」


「うっ・・・」


自分の気持ちに気づいたばかりでまだミモザには隠しておきたかった。でもこの調子じゃ勘付かれているようだ。


「セレナはウィリアム様のことお慕いしてるの?」


「そんな・・・畏れ多いわ。」


「どうして?公爵令嬢のセレナならエルトニア帝国に嫁ぐのなんて変でもないし現実的よ。畏れ多くなんかないじゃない。遠慮しなくてもいいし頑張りなよ!」


「・・・」


ーー肯定されてしまった。さすがだわ。


「セレナはもっと自分の価値を理解すべきだわ。本当はモテるのに勿体ない。私は応援してるからね。」


ミモザは右手でVサインしてウインクまでして見せた。


「でもセレナがもしエルトニア帝国に嫁ぐなら私もエルトニア帝国でお相手を探さなきゃね。」



❇︎❇︎❇︎


セレナは授業が終わると寄り道せず真っ直ぐに公爵邸に帰った。早くカインに会ってクラウドの話をするためだ。カインの教室まで行き、会うことも考えたが周りの目もある。我慢して帰りを待つことにした。


ーークラウド様は今どこにいるの?胸騒ぎがする。


クラウドと会えば全て話が聞けるはずだと思っていたのに学校に来なかった。

昨夜別れてから王宮で何かあったのかもしれない。


気づけばいつもの時間になってもカインは帰って来ず、夕食の時間になっていた。いつもなら父セブルスも帰ってくる時間だ。でも2人とも帰ってこない。


「セレナお嬢様?おひとりですが先に夕食をお召し上がりください。旦那様は帰りが遅くなると連絡がありました。」


マリーが部屋まで呼びにくる。


「お兄様は?」


「カイン様は旦那様と一緒のようです。セレナお嬢様がお戻りになられていることを気にされておりましたのでお伝えしました。」


昨日の話し合いの続きだろうか?これは今日は話せないと諦め夕食を1人で摂ることにした。でもあまり食欲がなくマリーは心配で早く休めるように支度をしてくれた。


「どこか辛いところはありませんか?先生をお呼びしましょうか?」


「大丈夫よ。昨日の夜会の疲れが取れないだけだから。ありがとうマリー。」


「そうだと良いのですが、こちらに温かいお茶を置いておりますのでゆっくりしておやすみくださいませ。」


マリーが部屋から出ていくとセレナは溜めていた重たい空気を一気に吐き出した。クラウドのことが心配で誰かに相談したいのに頼る人がいない。

ふとクラウドにもらった白い装丁の本を手にした。この本を触っているとなぜか心地よく、気分が落ち着く気がした。休む前にベランダでこの本でも読んで気分転換をしようと外へ出た。


「月が綺麗・・・」


今夜は満月のようで外はいつもより明るい。


ーークラウド様も同じ月を観て元気だといいんだけど・・・



月を見上げ手すりに手をかけた時・・・



「貴女の方が美しい。」



セレナが抱える白い装丁の本が月の光のように青白く光を放っていた。

読んでいただきありがとうございます^_^

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。