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女学園にて無期留年を言い渡された僕は、毎日奴隷のようにサウナで働かされています。(※ただし、神熱波師)  作者: 米太郎
サウナの奴隷

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02話 入学初日から

「話しかけてこないでくださる?」


 学園の中の女子は、大抵このような反応をしてくる。

 近くにいた女子に道を聞いただけなのだけれども、強めの口調で拒絶されてしまった。これで、何人目だろうか……。

 立て続けに同じような拒否反応を示されている。僕は体育館への道を聞こうとしただけなのに……。


 初めて登校する輝舞女学院。

 学内の広大な敷地で迷ってしまった僕は、困り果てていた。


「初日からこれじゃあ、先が思いやられるな……」


 なにをしたわけでもないのに、拒否されてしまったら何もできない。朝から話しかけられたくない人が多いのかな?


 真面目な女子校だろうし。見慣れない制服を着ている僕のことを、部外者とでも思ったのかもしれない。とりあえず、答えてくれる人が現れるまで聞いてみるしかないか……。高校生にもなって、迷子で入学式に出れないなんて恥ずかしいにも程があるからね。

 また通りかかった女子二人組がいたので、聞いてみる。


「あ、あの、すいません……。体育館ってどちらにあるでしょうか……?」


 今まで以上に丁寧に聞いてみるが、やはり反応は同じものであった。

 睨みつけられてしまうと、どうしようもない。とりあえず、謝ると良いのかな……。


「すいません、いきなり話しかけてしまって……。気に触ったのなら、申し訳なかったです。学園内の敷地が広すぎて、校舎の位置とかわからなくって……」


 眼鏡を掛けた大人しそうな女子であったのだが、あからさまな苛立ちを顔に出していた。



「……この学園のことがわかってないんだな? オマエみたいな、頭の悪い底辺男子高生にもわかるように説明してやるよ」

「茜さん、少し品がないですよ。気を付けてください?」


 二人組のもう一人がなだめてくれた。

 清楚なお嬢様風のストレートヘア。肩程まである艶やかな黒髪を揺らし僕に優しく教えてくれた。


「今日は入学式ですよね? 一緒に行きましょうか?」

「あ、ありがとうございます!」


 僕に向けてくれた笑顔は、まさに天使のそれであった。天国はここにあったのかもしれないと思わせてくれた女子は、ゆっくりと僕の前を歩いて体育館への道を教えてくれた。

 この子たちも学園の入学生なのかもしれない。僕に付き添って一緒に向かってた。

 もしかすると、この二人は中等部からの内部進学かもしれない。輝舞女学院は小中高の一貫校なのだ。お嬢様学園だけはあって、内部からの進学者は品がある。

 終始、茜と呼ばれた女子には睨まれ続けたが、もう一人の方はとても僕に優しく話しかけてくれた。



 ◇


 無事に体育館へ着くと、入園式が始まった。

 僕を連れて来てくれた二人は、体育館の入口へ着くとサッと分かれてしまい見失ってしまい、どこにいるのかと探そうと思ってキョロキョロと辺りを見渡すが、それらしい人影は見えなかった。見えるのは、どれも規律を重んじているような女子ばかり。男子の姿はどこにも見当たらなかった。


 ここは元々は女子だけが通う学園。成績も高く、学費も高いため、お嬢様だけが通う学園として有名であった。今年から共学になるということで、何故だか僕に入学案内が届いたのだ。

 元々入学予定であった高校、そことの交換学生として共学のための礎になるようにとのことだった。


 厳かに入学式が行われると、途中壇上に在学生代表と思われる女子が上がってきた。


「ようこそ、我が学園へ。私はこの学園の生徒会長、兼、理事長をしている天ヶ瀬(あまがせ)湯乃(ゆの)だ」


 理事長……?

 透き通る声で、体育館中を包む。言葉の響きが強い。理事長の娘ではなくて、理事長そのものということであっているのか。理事長挨拶として、壇上に上がっている。


「男子が来たことで、新しい風が吹いてくることを期待している。新入生に伝えたいのは、この学園では規律を重んじ……」


 数少ない男子入学生である僕。直接僕に語りかけているかと思わせる話しぶりで、会長の挨拶は進んでいく。

 男子学生のことを中心に話すものだから、周りの女子からの目線が僕に集まるかと思いきや、女子たちは壇上にいる女子に目が釘付けであった。


 中等部からの持ち上がりが多いと思われるのだけれども、昔から憧れの存在であったかのような、全員がうっとりと会長を見つめている。

 会長は、ハキハキと学園生活における注意点などを述べていく。物おじしないハッキリとした喋り方。カリスマ性がありそうだ。



「あらためて。今年から、我が学園は共学として新たな一歩を踏み出します」


 会長が挨拶を終えると、女子生徒は全員規則正しく礼をする。僕も少し遅れて礼をする。


 会長が壇上から去ると、落ち着いた女子たちは僕を睨みつてくる。やはり、僕は女子の敵のようだった。何もしてないのに……。


 僕とは、もう一つ別な所へ視線が集まっている。そちらを眺めると男子がいるようであった。そちらに対しては、厳しい目つきではなく、柔らかく包み込むような優しい視線の送り方であった。


 イケメン男子と、モブ男子では、こうも対応が違うらしい。


 僕は、この学園で生き残れるのかな……?

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