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無口で清楚なコーニャお嬢様、実は落語の話になるとグイグイくる  作者: 春風亭吉好
俺はコーニャお嬢様に、Vtuber体験をさせる
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第33話 コーニャお嬢様、アバターを作る

 ねねちゃんがノートパソコンを広げてソフトを立ち上げる。俺もパソコンは使うがネットで調べ物するかゲームをする位だ。それに比べるとねねちゃんは手慣れている様に見える。


「ねねちゃんはパソコン詳しいの?」

「そうッスねぇー。人と比べた事ないからわかんないッスけどゲームしたり、ゲーム作ったり」

「……ゲームって作れるの?」

「ええ、簡単なのならできるッス。プログラミングの勉強もしてるんで」

「ねねちゃん凄い……」


 ゲームを作るという発想もなかったのかコーニャが凄く関心をしている。俺もゲーマーだから作ってみたいと思う事はあったが難しくて断念した。

 メガネっ娘でボクっ娘、お笑い好きでパソコンも得意とますます属性過多な子だ。


「えーと……これがアバターを作るソフトッス。"ぶいめーかー"って言うんスけど」

「おお、もう既にアバターが」

「へへ、実は早速試しに作ってみたんスよ」

「これ……ねねちゃん……?」


 ねねちゃんが立ち上げた"ぶいめーかー"というソフトの画面に既に作られたアバターが表示されている。

 コーニャが指摘したとおりねねちゃんに似た短身のメガネっ娘だ。


「こうして数値をいじると身長や目を大きくしたり小さくしたり、髪型のパーツを選んだりできるんスよ。これをこうすると……」

「おお、おお!」

「おっきくなった……」


 ねねちゃんが数値を入力すると短身だったアバターが高身長になり頭身が上がった。想像できないがねねちゃんがここから成長したらこんな風になるんだろうか。


「こんな感じで自分好みのアバターを作っていくんス」

「なるほど……じゃあこれでコーニャ用のアバターを作るんだな」

「そうッス。コーニャ先輩はどんなのがいいッスか?」

「私は……うーん、よくわからなくて……。上戸くんは?」

「俺? まぁコーニャっぽさを残しつつ、Vtuberで、落語を語る系だろ。となると……和服みたいなのはできるの?」

「ええ、確かあったはずッス。衣装のスキンから……あった。じゃあ和服ベースで作っていくッスね」


 ねねちゃんが新規のアバターを作成していく。デフォルトの女の子のキャラに着物っぽい和風の衣装を重ねて体型を整えていく。ゲームで簡単なアバターを作った事はあるけど本格的なソフトだと細かくできるんだな。


「髪の毛はどうするッスか? 色も変えられますけど」

「私は……なんでも……。上戸くんは?」

「金髪ロング!」

「あー、できますけどコーニャ先輩まんまですね。せっかくだから髪の色変えませんか?」

「金髪ロング! 金髪ロング! 金髪ロング!!」

「お、推すッスねぇ……。じゃあ金髪ロングで」


 俺が何度も連呼するからねねちゃんはその圧に根負けした。これだけは譲れない。子供の頃から、あ(・)の(・)時(・)か(・)ら(・)アニメでもゲームでも推しキャラは金髪ロング。せっかくキャラメイクできるなら金髪ロングは譲れない。

 ねねちゃんが入力するとアバターの髪型が金髪ロングに変わった。確かにコーニャまんまではある。


「ちょっとコーニャ先輩まんまなのでベースはそのままに少し弄りましょう。えっとサイドに少し編み込みを入れて……アホ毛も足して……」

「おお、おお!」

「可愛い……」


 ねねちゃんがまた入力するとアバターの髪型が変わっていく。いわゆるアホ毛も足される事でいかにも二次元なキャラクターになった。

 俺は更に可愛くなるアバターを食い入る様に見て、コーニャも少しウットリして見ている。


「あとは何か足すッスか?」

「羽つけようぜ、羽。天使の羽みたいな」

「いいッスね。天使はコーニャ先輩のイメージにピッタリッス!」

「私……天使?」


 俺とねねちゃんで少しずつ属性を足していくのをコーニャがボンヤリ眺めている構図で作業は進む。やはりキャラメイクは楽しいもんだ。


「できたッス!」

「おおー!」

「可愛い……」


 ついにアバターが出来上がった。

 コーニャの金髪ロングをモデルにしつつもアレンジを加え、清楚で和風なドレス。背中には翼を生やしたアバター。いや、完全に俺の好きな属性たっぷりだ。


「いいッスね、いいッスね! コーニャ先輩、どうッスか?」

「これで……お話するの?」

「そうだよコーニャ。これがお前の分身だ!」

「分身……」


 3人……と言ってもほぼ俺とねねちゃんで作り上げたコーニャの分身。それでもコーニャは気に入ったようだ。


「アバターができたのはいいとして、配信するにはどうしたらいいんだ?」

「んー、ソフトはフリーでもできるんで、後は配信機材ッスね」

「色々揃えなきゃなんないのかな?」

「いえ、そうでもないッスよ。パソコンがあるなら後はマイク、カメラ、キャプチャーボードがあれば。コーニャ先輩持ってます?」

「えーと、パソコンと……カメラはビデオカメラなら……」


 まぁパソコンとビデオカメラは多くの家にあるだろうが後の2つは無いだろうな。うちにもパソコンとカメラだけだ。寄席のマイクは……違うか。


「じゃあ次の日曜日にアキバへ行きましょう!」

「あきば……」

「アキバか……」


 ねねちゃんの言い出しでアキバへ機材を買いに行く事になった。

 アキバと聞いて俺はふとセバスさんを思い出してしまうのだった。

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