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無口で清楚なコーニャお嬢様、実は落語の話になるとグイグイくる  作者: 春風亭吉好
俺とコーニャお嬢様、オチケンを作ろうとする
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23/33

幕間その3 メイドのセバスさん、実は 前編

 落語研究会が無事に発足した次の休日。俺は好きなRPGの最新作『オデッサニアオーダー』の最新作を買いに秋葉原へ来ていた。


 『オデッサニアオーダー』はシナリオ、ビジュアルが素晴らしいのはもちろん、金髪ロングのヒロインであるオデッサ様のビジュアルが俺的にどストライクなのだ。半分はキャラ目的でプレイしていると言っても過言ではない。


「さて、お目当てはゲットしたし、とりあえずアニメショップでも覗くか」


 特に買う物はなかったが某アニメ専門店へ向かった。3階のアニメ・ゲームCDのフロアを散策していると見覚えのある姿があった。


「あ……声かけようかどうしようか。ま、無視もできないか。セバスさん、お買い物ですか?」


 そう、そこにはコーニャ専属のメイドであるセバスさん(本名不明)がいた。


「え、いや、これは違くてっ!」

「ちょっ、セバスさん!」

「あっ!」


 バサバサっとセバスさんが落としたCDを拾い上げると最近アニメでやっていた『オレの語りをキミにだけ聞かせたい』のドラマCDだ。

 この作品は舞台がなんと寄席よせ。耽美なイケメン落語家同士による禁断の恋愛もの。

 落語がテーマという事で一応アニメを見てみたのだが、シナリオがしっかりしていて思わず引き込まれてしまった。

 いわゆるBLが好きなお姉様方に大人気な作品でこれをキッカケに寄席にいつもとは違う客層がチラホラ増えたという話だ。


「あれ、でもセバスさんがこれを?」

「セ、セバスさんってどなたでしょうか? 失礼します!」

「あ、ちょっと!」


 もう会計済みらしきCDを置いていってしまった。俺が持っていてもしょうがないし、コーニャに渡してもらうにはちょっと難しい物だ。足早に去ろうとするセバスさんを俺は追いかけた。


「ちょっとセバスさん、待ってくださいよ」

「待ちません。私はセバスではありません」

「いや、多分セバスさんだと思いますけど……」


 すると急にセバスさん(仮)がクルッとこちらに振り向いた。


「ど、どこがセバスだって言うんですか?」

「どこって……」


 その言い方が半分自白しているようなものだが。

 確かにいつもの様にメイド服は着ていない。地味目な、ダボっとした服。いつもはシャープな形のメガネをしているのだが今日はぐるぐるの丸メガネ。それでもやっぱり……。


「どう見てもセバスさんですよね?」

「ど、どこがですか?」

「どこって、いつもはシャープな形のメガネの裏に隠れている意外とクリッとした瞳。今しているピアスは確か落語会へ行く時にしていましたよね? あと首筋のところのホクロと……」

「わ、も、もういいです!」


 俺が言いかけたところでセバスさんは慌てて止めた。そう、俺が知る限りのセバスさんの特徴そのままだったのだ。()()()()()()()()ので一度会った人の特徴は間違えない。


「うー、そうです。セバスです。メイドの姿で会った方に気付かれないようお忍びの恰好していたんですが。あの、よく……見てるんですね」

「まぁそれだけが取り柄みたいなもんで」

「あ、あの、上戸様。とりあえず場所を変えていいですか?」


 日曜日で人通りも多い秋葉原で言い合いをしているとどうしても目立つ。俺とセバスさんは立ち話をやめてどこかに入る事にした。

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