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無口で清楚なコーニャお嬢様、実は落語の話になるとグイグイくる  作者: 春風亭吉好
俺とコーニャお嬢様、オチケンを作ろうとする
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第17話 コーニャお嬢様、面談をする

 落語研究会の周りにたむろしていた生徒を順に部室へ招き入れる。試験というわけではないが入部にあたって軽く面談をする事にした。


 とある女子グループ3名の場合


「コーニャ様、相変わらず素敵です。こんな距離でお話できるなんて。私は隣のクラスの園田です」

「同じく笹木です」

「田丸です。私たちずっとコーニャ様の追っかけをしていて」

「はぁ……。ありがとうございます……。それで皆さん……落語は……お好きですか?」

「キャー、コーニャ様のお声ステキ!」

「まさに天使の声ですー」

「いや、あの、落語……」

「やだ、尊すぎる!」

「……落語は……お好きですか?」

「え……落語? 私たちはコーニャ様とお話できるだけで満足です」

「はぁ……」


う ーん、憧れのコーニャを目の前にして舞い上がってるな。気持ちはわからないでもないがここはコーニャ様ファンクラブじゃない。コーニャも困惑しているな。


「はい、面接以上です。次のグループ入ってくださいー」

「あ、コーニャ様ー」

「チッ!」


 3名の女子グループを部室から追いやると舌打ちが聞こえた。怖ぇ……。


 とある男子グループ2名の場合


「ねーねー、コーニャちゃん可愛いね。お話できると思わなかったよ」

「はぁ……。落語は……お好きですか?」

「落語? あー、うんうん。好きだよなー?」

「え? あー、落語ね。好きだよ」

「……! 師匠はどなたか好きですか?」

「シショウ? あー、えーと、ほら、アレ。なぁ?」

「そーそー、なんかテレビで見た、アレ」

「……? 演目は何を……?」

「エンモク? エンモクって」


 あー、これは完全にわかってない。ただコーニャ目当てで適当に話を合わせているだけだ。こんな連中を近付けるわけにいかないな。


「はい、お時間ですー。次の方どうぞー」

「あ、おい!」

「調子乗んなや!」


 男2人を部室から追いやると小声で凄まれた。

 こんな調子で部室の周りに屯っていた連中は全てがコーニャ目当てで、落語に興味がある生徒は1人もいなかった。

 それぞれ面談をして部室から追いやる度に俺へのヘイトが溜まっていた気がする。


 コーニャの人気ならすぐに人が集まると思ったが誤算だった。集まるには集まったが意味が違う。この様な部員が来るのはコーニャも望まないだろう。


「うーん、どうするコーニャ。今日来た連中の何人かを部員にする事もできそうではあるけど……」

「でも……落語を好きじゃないと……。好きになってくれそうじゃないと……」

「そこだよなぁ。今日来た連中は……ちょっと違う感じだな」


 もしかしたら落語を好きになってくれるかもしれないが、そもそもの動機が不順だ。コーニャが楽しく話せなくては意味がない。


「私は……上戸くんと落語のお話できるだけでも……」

「コーニャ……。でもそれだと部活の意味がさ」


 コーニャの言葉は嬉しいが2人で話すならどこでもできる。コーニャもきっと落語の輪を広げたかったからオチケンを作りたいと思ったはずだ。


 すると人がけたと思った部室に突然の来訪者が来た。


「ここですか。落語研究会の部室は」

「あ、生徒会長」


 そう、現れたのは我が校の生徒会長こと北袋天きたぶくろそらだった。


「何しに来たんですか?」

「何って、この部屋は私も中を確認した事がなかったですから。正式に使わせる為には生徒会長としてキチンと確認しないと。もちろん小須こす先生の管理を疑ってるわけではないですが」


 いや、そこは疑るべきところだ。あの人はここを私物化していた。まぁこの部屋の存在をスルーされていたからこそ、今は部室として使えるわけだが。


「先程ここからゾロゾロ出ていく方々が見えましたが」

「ああ、一応入部希望者というか」

「ふーん……。コーニャさんはあんな連中が部員になるという事でよろしいんですの?」

「あ……えと……あの……」

「そう、よろしくないのね」


 先程の連中の雰囲気、そしてコーニャの様子を見て生徒会長は気持ちを察したようだ。そこは長い付き合いからだろうか。


「いや、俺達もどうしようかなと思ってたんだけどさ。とにかく1人は入れないと」

「はぁ……全く、仕方ありませんわね」

「はい?」

「コーニャさんがどうしても、どうしてもと言うなら……」


 生徒会長が何故か顔を背けながら何かを言おうとした時だった。


「あのー、オチケンの部室はここっスか?」

「そうだけど、なにか?」

「はい、ボクは入部希望っス!」


 突如部室に入ってきたのは背の小さい、メガネをかけたボクっだった。

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