作ろう、最強を。スーベルニカの粋で。
突破口の唯一、それは最強のモドキを作ること。
なにも、この結論に辿り着くのは変では無い。
この世界の「血 」が大事なら血の通わない機械の体こそが唯一の突破口となるのだろう。
また、スーベルニカ王もそのつもりこそなくとも、いずれこういう時が来る可能性は想定していたようで、元々そのつもりでモドキという技術体系を進化させてきたと。
「スーベルニカ王の元々の目的は技術と魔法の交互に無くなるループを止めること…なら、その目的に今回のような件は問題なく関われると」
「モドキを作るのに必要なのはテオ、君の力だ」
「…大体少しは想像がつきますよ。所謂AIの作成に膨大なデータが必要。だけど、僕の力で記憶のやりとりが可能ならば圧倒的に時間の短縮が可能、そうですね」
「その通りだ。だが、少し違うな。今回必要なのは神に抗えるほどの強さだ。なら、必要なデータは既に君もわかるだろ?」
「サブラス最高戦力だった3人+ヘルタの記憶データ…ですね?」
「そう。エルメロス、ギルメイ、ハーティ、ヘルタ。そこに今回は神の行動パターンを知ってそうなニコラのデータを使う」
「でも彼らの戦闘力に機械の体がついて行きますかね?」
「何のための研究の人生だと思っている。舐めてもらっては困るな」
スーベルニカ王のこの地震は、自分の技術こそがこの世界の何よりも優れている、という自信からだろう。
実際、おそらく現在機械の技術をどんなに寄せ集めてもスーベルニカ王の技術というその1点に勝つことはないだろう。
「…まさかとは思いますが、データ取るために戦わせた、とか言わないですよね」
「ふむ。その側面もあったのは事実かな。もっとも、君たちが今こうして私に協力的でいてくれることが想定外ではあるね」
この人は元々ヒグチの脳を媒介にした力で作る気だったんだ、最強のモドキを。
敵に回さなくて…良かった。




