覚醒のためには。
必須条件は、神代のマナに触れられること。
神代のマナを引き出し、神代の力を得ること。
土地や街の空気から記憶を引きずり出すのが覚醒だとすると、何が足りないんだろうか。
遡れる時間自体はかなり増した。
せいぜい数時間くらいしか遡れなかった記憶の抽出も、今は5年ほどまでなら脳の負担が多少大きい、程度で越えられる。
そこから更に神代となると……何百何千と時を遡る感覚が必要になる以上、間違いなく急造の力として使うことすら叶わないだろう。
覚醒のハードルが、あまりにも高すぎる……
「ふむ……神代まで遡るなんて自分にできるのか、という顔をしているな」
「そりゃあそうですよ……今の僕はせいぜい5年まで記憶を遡るのがやっとですし……」
「マナは常に触れているものだからな。感覚を研ぎ澄ます必要があるだろうな」
感覚を研ぎ澄ます……簡単に言ってくれるけど、それ自体のハードルがかなり高い。
それに、まだ空気や無機物からの記憶の読み取りは出来ていない。
理論上は可能なのはわかってる、でも僕にはまだ出来ない。
「……ワシは記憶を遡る、という感覚はわからんがの。だが、マナを感じる力は備わっている。アドバイスくらいしかできんがの」
マナを感じる力……魔法使いじゃないと、無理なのだろうか。




