依頼の理由。対抗策。
ギルドで依頼の受注を完了させ、依頼人に向かっていることを伝えた後、ギルドを出て大図書館へ向かった。
ギルドから大図書館まではほぼすぐなので、時間はかからない。
だが、大図書館が広いので、見つけるのに時間が掛かるかもしれないがーー
ああ、いや、すぐ見つけた。
寂れたローブ、使い古された腰を支えるのと魔法の補助を兼任した杖。
間違いない、あのじいさんだ。
じいさんか何やら資料を見ている所に声をかける。
「まさかあなたが依頼とは」
「む……ほおう、やはりお主が来たか」
口ぶりからして、僕が依頼を受けることをそもそも前提としたものだったのだろう。
ということは、この状況がわかっている、ということだろうか。
「ワシの家は代々魔法を受け継いどる……のは話したな」
「もちろん」
忘れるはずもない。
この世界で最初に魔法という物を見たのは彼の魔法なのだから。
そしてなにより、今この世界における唯一の魔法の使い手が、彼なのだ。
「あのへなっちょろい小僧がどこまで話したかは知らんが……そもそもの魔法のルーツは聞いたか?」
「魔法の……ルーツ」
ああ、そういえば魔法と化学の争いがループする、という部分の1点だけを強調していたな、ニコラは。
だが、何となく想像はつく。
魔法というものは、おそらくはマキナから派生する一族のものなのだろう。
「マキナの血……ですか」
「魔法だけなら、マキナの血は関係ないの。これはこの世界の人間そのものが貰った祝福じゃ」
「では、何故ーー」
「マキナの血筋のみが継承できる魔法があるんじゃよ」
「えっとそれは……直接の血筋だけ、ですか?」
「うむ。お主は魔法の適正はない、との事だったな」
「ええ、マナの扱いが何故か無理でしたので」
「じゃが、これはそもそもの魔法としての在り方が通常のものと違う。おそらくはお主でも使えるものじゃろう」




