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第14話 イカン、それを聞くんじゃない!



リオンはショックを受けていた。


その沈みっぷりはダイさんにノックアウトされた時以来だろうか。



なぜなら…


知ってしまったのだ、彼もある事実を。




場所はいつもと変わらない栄林庵のカウンター席


ユーマの野郎がそこに座るオレの肩に手を置く。

そして一言、


「わかるよ…」



「……………」

わかる?なにが?



オレはこの状況がひとっつもわかんねーんだけど!?



混乱している彼の前にはまかないとして出された当店名物の栄林餡掛えいりんあんかけ丼がある。

すでに8割ほど食べ終えたまま放置されている。



事件の発端はそのうまさに感動した彼が聞いてはならぬことを聞いてしまったことだ。

それは数分前のことである…



◆◇◆



「うっめぇーー!!うまいっすよ、コレ!」

金髪ツンツン頭を何度も縦に振って彼が言う。


「そうかそうか!外人のオメーにもうけるとはな」

がっはっは、とリオンの高評価にダイさんもうれしそうに笑う。


てか、あんたリオンのこと絶対僕より気に入ってますよねー。

やっぱり体育会系同士、通じるものがあったのだろうか。


僕は少しいじけて栄林庵揚げ(タコのから揚げ)を頬張る。

相変わらず…美味い。

そこには罪悪感というエッセンスも含まれていた。


「んで、ダイさん、この白いの何すか?」

彼はレンゲで白い物体をすくって質問する。



そ、それは!


やめろ、リオン、聞くんじゃない!

そう僕が思った時にはもう遅かった。


「おう、それはイカだぜ…なんだしらねーのか?コレだ、コレ」

するとよせばいいのにダイさんはさばく前の実物を見せてしまった。

そしてその白い軟体動物をぷらぷらっと振る。



ああぁぁ~…!

僕は額に手を当てる。



「!!!」

カラン、カラン…


ショックのあまり彼はレンゲを取り落とす。



「おい、どうした?リオン、リオン!」

ダイさんの呼びかけにも暫く彼は応えなかった。



…返事がない、ただの屍のようだ




まあ、そうだよね~…。

僕は心から同情した。



◆◇◆



リオンは思う、

驚愕の事実を目の当たりにして。



ち、地球って…




地球って超、怖ぇー!!




いや、オレらも確かに侵略行為は繰り返したよ、洗脳でいいように操ったりもしたよ?

でもよ、でもあくまでそれは支配のためであって、断じて食べるためじゃねぇ!


この星ってそんなに残虐なことすんの?

天下の武闘派スルメールを…食べんの?



地球が青いのってオレ達の青い体液によるモンだったの?

そ、そんなの地球じゃなくて血球ちきゅうじゃねーかァ!




支配下に置くどころじゃねーよ。


知らず知らずのうちにオレ様は地球人の舌イカになるところだった!

いや、死体化?

…もう、さっきからウマく言えたのかどうかもわかんねーよ!



はっ!、だ、だだ断じてオレ様は美味うまくねーぞ!



もう帰りてーよ、震えが止まんねーよ…


このままじゃ

『正体バレたら地球のゴハン』だよ、

そんなの昨日TVでみたレトルト食品のCMと同じフレーズだよ!!

『玄関開けたら〇〇〇のゴハン』みてーな。

…いや、笑えねーよ!



ヤバい、ヤバすぎる…

誰か、誰でもいーから、助けてくれ!!

リオンは心の中で悲鳴を上げた。




結局彼はユーマが自室に連れ帰り、説明を受けるまで軽い放心状態だった。



◆◇◆


その日の夜



「今日はリオンさん、元気ないんですね…」

何かあったんですか、と僕に尋ねるのは遥さんだ。



目線の先には潰れた生卵のようにどんよりとした空気を放つ

リオンの姿があった。金髪のツンツン度合いも心なしか下がっているように見える。


てか遥さん、アイツにさん付けしなくていいんですよ?

見た目はアレでも実年齢は貴女あなたより下なんですから。

と思いもしたが、それは言わない。


「まあ、アイツなりにも考えごとでもしてるんじゃないですかね」

と答えておいた。


カルチャーショックとはそんなものだ、リオン…。



「なるほど…」

そう言うと少し思案顔になった後、遥さんはその場から離れてリオンのもとに向かった。



ん?

何か嫌な予感が…



「あの、元気出して下さい…」

彼女は優しく声をかける。


「遥…?」

僅かにリオンは反応する、がいまだ背を向けたままである。


お前はさんをつけろ!



「私でよければ相談にも付き合いますよ?」

その言葉に彼は固る。

今度はピクリと効果音が聞こえてきそうな反応だった。



「え?」

信じられないというようにゆっくりとリオンは振り返る。


「い、今のオレの空耳じゃねーよな…?付き合うって…」


「ええ、相談になら…」

しかし最後の部分は彼の耳には届いていない。



一瞬の沈黙…



「マジかよっ!!」

次の瞬間リオンはさっきのテンションはどこえやら、大きくガッツポーズを決めた。




「やったぜ!」

リオンはその場で小躍りしている。


「遥、後でやっぱヤメた、とかナシだぜ?」

そう言い残してウインクすると意気揚々とオーダーの仕事に戻っていった。




後には困惑気味の遥さんと絶望気味の僕が残った。


「なんか、元気になったみたいでよかったですよね?」


しかし僕は答えられなかった。


「は、ははは…」

代わりに口から渇いた笑いが出ただけだった。



同じく仕事に戻っていく彼女の背中を見て呟いた。



…後悔しても知りませんよ?


アイツ、絶対に『付き合う』以外のこと聞いてません!!

勝手に交際OKだと思ってますよ!?



なんで、

…なんでこんな展開ばかりになるんだァ!?

僕は自分の運命を呪った。






タイトルを含めて最近低俗なダジャレが横行しております。

というかダジャレを思いついてから執筆しているもんで…。

色々意見が聞きたいです。感想などのお便り待ってます!(できれば評価も…!)

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