真っ最中。
「ダメです先生……私達は生徒と教師、こんな事……」
『その前に人と人だ。その証拠にホラ、私のイチモツを───』
「ってな感じの事をハルとしたいの♪」
「不純だな!!サクラもノるな!」
新しく出来たカウンセリングルームとやらに来てみたが……
「大体、母さんにカウンセリングなんて出来るの?」
「大丈夫大丈夫、なにせ人生経験が豊富ですから!」
まぁ確かにそれは言えているが……
「とりあえず授業だから、また後でね。」
「あーん、母さん寂しいー。」
「はいはい、ほらこれでいい?」
そう言って母さんを軽く抱きしめる。
何だかんだ言ってもこの時間は嫌いじゃない。
……流されるなよ、俺。
「ハルー、チューはー?」
「母さん……ここ学校だし俺達親子だよ?」
「……今この扉はチューしないと開かないようにしました!さぁ!」
ガチャッ
「開くじゃん。」
「もー!」
「……」
可哀想なのでほっぺにキスをした。
「俺が来るまでおとなしくしててよ?……リア先生。」
シュンッ
「ふふっ。いい響き♪」
……
……
「やー、何事もなく初日が終わったなー。」
「ハルちゃん、帰りに甘いものでも食べてかない?」
「いいですなー。マクシルも行くよね?」
「モチのロン。」
【中等部2年ハルさん、リア先生がお呼びです。カウンセリングルームまで来てください。】
「……嫌な予感しかしないな。」
「部室で待ってるね!」
……
……
ガチャッ
「お呼びでしょうか、リア先生。」
「ハルさん……なぜ先生に呼ばれたのか分かってますか?」
「……このくだりをやりたかったんでしょ?」
「ふふっ、正解♪」
「色々と私物化しないでよ……甘いもの食べに行くけど母さんも来る?」
「いくいくー!そのあと買い物でもしよっか。ハルに可愛い服買ってあげるんだー♪」
……母さんの嬉しそうな顔。
何十年も出来なかった事。
したかった事。
してあげたかった事。
されたかった事。
数え切れない程あるんだろうな。
母さん……
「ほら、一緒に行こ。なんかお揃いで買おうよ。ね?」
俺から腕を組む。
その時の母さんの幸せそうな顔は……
俺だけの宝物だ。
……
……
みんなで街へ繰り出した。
勿論BTCのみんなも一緒だ。
50人を超える大所帯。
俺と母さんは手を繋いで、みんなと少し離れて歩いている。
「ハルは大人になったら何をしたい?何になりたい?」
「えっ?うーん……みんなと仲良く暮らせればそれでいいかな。普通に過ごせれば……」
「夢とかないの?母さん応援したいのに。」
「夢……多分あったんだけど、叶っちゃったし。」
「えー、なになに?」
「いいよ、恥ずかしいし……」
「母さんに言えない事?マミィ寂しい……」
「……家族が欲しかったんだ。お父さんとお母さん。手を繋いだり、一緒に買い物したり。お母さんの作るご飯を食べて……母の日には俺が作ってあげて。頑張ったら褒められて、悪い事をしたら叱られて……朝起きたらおはようって言ってくれて、寝る時はおやすみって言ってくれて。だから……俺……」
気が付かない内に涙を流していた。
母さんを見ると同じ様に涙を流していた。
「……母さんも同じ。ずっと、ずーっと……ハルを待ってた。一秒でも長く一緒にいたいの。だから……一緒に想い出いっぱい作ろうね、ハル。」
「……うん。大好きだよ、母さん。」
「大好きよ、ハル。」
……
「うぅぅ……泣けるっす……良かったっすね……」
「うむ……うむ……泣けるな……」
「俺も親孝行しよっかな……ヤベぇ鼻水が……」
「汚い人達ね……離れて歩きましょう。」
「汚物三人衆。」
「可哀想だよー……」
……
……
素直になるのは恥ずかしいけど、なった分だけ分かりあえて。
家族。
俺も母さんも、夢の真っ最中である。




