食われ気味。
《今大会突如として現れた超新星、ヤマト地区代表リアりん!すでに二地区撃破し、その勢いは止まりません!っていうかハルるんはどこいっちゃった?》
シュンッ
「ここでーす。今日は出番なさそうだな……」
《ややっ!ハルるん!放送席にハルるんが来てくれました!前代未聞だね。っていうかお母さん強いね!可愛いね!》
「ね、滅茶苦茶だよ。なんか色々と壊してく感じ……あれ?なんだろう……既視感が……」
【ハルちゃん色んなもの壊すから───】
そっか……俺の事か。
俺の中に流れる血がそうさせているのか、それともそんなものがなくても俺と母さんは……
もしそうだったら……嬉しいな。
シュンッ
「そうに決まってるでしょ?ハル。」
「か、母さん!?」
「余計な事考えなくてもいいの。親子なんだから。ね?」
「……うん。」
「よしよし……可愛いね、ハルは。」
《親子の愛はいつ見てもイイね!所でリアりん、カロル地区の二人と戦っていたんじゃ?》
「倒したよ?ホラ、画面見て。」
《……なにやら黒い塊がありますが……っていうかこれは殺人では……?》
「いいのよ、彼らアンドロイドだから。」
《アンドロイド!?そんなもの都市伝説では!?》
「見て、あんな状態でも微かに動いているでしょ?自己修復を始めてるのよ。」
《……確かに動いてますね。これは人間ではありえない!》
「私達とそれからキューネヤレッハ以外に何か取材でもしてみたら?基本的にアンドロイドには自我がないから、まともな会話は出来ないはずよ。もっとも、今日私が全部壊すけど。」
《そういえば各選手、具体的なデータが出ておらず、出生も謎でしたし……それに無機質な感じはしますね。っていうかリアりん詳しいね!》
「ふふっ、みんなにはナイショよ?」
「母さん、これ全国中継だよ……」
「えっ!?もう、初めに言ってよね。」
《リアりんお茶目だね!今きっと世界中でとんでもない事になってるよ!せっかくだから聞くけど、何でアンドロイドなんかを作ってるのかな?》
「私とハルには宇宙の民の血が流れているの。それを政府は執拗に欲しがり、襲ってくる。アンドロイドを使ってね。強襲用、とでも言えばいいのかな。勿論、この世界にだけじゃないわよ?」
「か、母さん……良いの?そんなに話しても……」
「いいのよ、せっかくだし。やい!政府ども!よく聞きなさい!これ以上ハルを虐めたらどうなるか分かってる?私が本気を出せばどうなるか、誰を呼べるか。よーく考えなさい?」
《フー、お母さん怖いねー!つまりリアりんの強さの秘訣は血統なのかな?》
「この世界で母親より強いものなんていないんだから。ただそれだけ。じゃ、残りも壊してきまーす!」
シュンッ
《うんうん、説得力あるね。じゃあハルるんからも何か一言いいかな?》
「……俺が主人公なはずなんだけどなー……なんかおかしいな……」
シュンッ
《うんうん、確かに食われ気味だね!じゃあ後半戦行ってみよう!》
─────
「お義母様、滅茶苦茶ね……」
「でもなんか楽しそうだね。」
「私達も完全に食われてる。」
「えっ?そうなの?どうしよう……ハルちゃん取られちゃうよー。」
「すでに取られてる。」
「まさかお義母様がトップに立つなんて……あの人に料理作りたいのに結局お義母様が作ってるし……」
「ハルと寝たいのにいつも占領されてる。」
「えーん……私なにもしてないよー……」
……
……
「母さん、なんで母さんはそんなに強いのに今まで何もしなかったの?」
「え?……興味なかったからね。この世界がどうなろうと。大事なものを取られて……私の人生はそこで一回終わったのよ。」
「ご、ごめん……なさい……」
「……ふふっ、だから今とっても幸せなのよ?ハルがこの世界で新しい人生を始めたように、私も新しい人生が始まってるの。今度は絶対に手放さないんだから……だから戦うの。」
「母さん……」
「……私はハルみたいに世界をこうしたいとか無いの。ハルがいてくれれば、ハルといれればそれでいい。だから──」
「母さんっ!来るよ!」
「邪魔する奴はブッ壊す!」
『ふーっ!カッケー!!』




