ヤマト屋。
《イクス世界大会、その歴史は古く3千年以上前から行われ、この地球上で最も名のある、そして人々が───》
「おー、みんな集まってるっすね!」
「当たり前だろ、なにせハルさんの最高の晴れ舞台だからな。」
「うむ、胸が躍るな。」
《今回は大会直前に変更点が幾つかありまして……まず各地区代表者が二人になりました。これについて専門家の意見によりますと、大会の原初は二人一組で行われていたのでそれに習わしたのではないか、との事です。》
「しかしヤマト地区二人目の代表者って誰なんだろうな。」
「うむ、ハルさんの足を引っ張らなければいいが。」
《代表者どちらかがリタイアとなればその地区は敗退、つまり誰を狙うかというのも戦略の一つ。戦いの幅が広がりますね。そして気になるのがルール無し、つまり何をしても、何が起きても問題無い、という事なんですが……これについては専門家の意見が割れてますね。まずは反対派の───》
「なんだか緊張するね、二人とも大丈夫かな?」
「そうね、相手が気の毒ね。」
「えっ?」
「まぁ心配事は一つだけあるけど……始まってみないとわからないわね。」
「ハル……」
《さてそれでは舞台を説明しましょう!前回イクスinヤマトで使用した大陸を改良し、より頑固に強固に仕上げました!それもそのはず、ヤマト地区代表ハルるんが登場から大陸を半壊させるという前代未聞の力業を見せてくれたので、そのハルるんに合わせて作り変えたと言ってもいいでしょう!さぁ!選手紹介です!今回は選手二人と各地区の区長が登場します!まずは──》
「ほっ、本当にこんな事をするのか!?」
「今更逃げないでよ?チェフの秘密、みんなにバラされたくないでしょー?それとも棄権しちゃおっかなー。」
「くっ……死んだほうがマシだ……」
《さぁ!大本命のストル地区!前回前々回ともに圧倒的な力で優勝したキューネヤレッハ選手!そして二人目はステルマヤッカス選手!予選ではキューネヤレッハ選手と互角に渡り合った強者です!》
「Qちゃん大丈夫かな……」
『とにかくQ様は一時間様子見ですね。』
「さー始まるよー!みんな準備出来た?」
「嗚呼……神よ……」
《そして最後は……お待ちかね!!今大会のダークホースにして大注目のヤマト地区!異次元の強さ、可愛さ、優しさの三拍子そろったハルるん、今回はどう暴れ回ってくれるのか!そして二人目の情報が非公開になっていましたが、その神秘のベールが今剥がされます!おや?人の姿が見えませんね……あれはなんでしょう!?巨大な釜のような物に煮えたぎった液体、そしてローブをした人物がなにやら呟いています!カメラ近づいて!》
「─────ハッハッハッ、いよいよだ。我が一族積年の怨み……この秘術により晴らさせて貰おう───汝の眼、月に沈みし黄昏の刻、大地讃頌雨霰!日本○かりは良いお酒!いでよ!大魔王サタン!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
「フハハハハッ!!マグマと共に現れし魔王よ!我に!我に力を!!」
《おーっと!?チェフビーオスト扮する魔術師の手によって大魔王ハルるんが地底から呼び覚まされたー!っていうかこれは一体なんなんだー!?》
「やめなさいっ!!」
「なっ!なんだ貴様は!?」
「地上が悪に染まる時!聖なる天使が舞い降りる!」
《神々しい光と共に空から天使が舞い降りたー!なんと!ハルるんと同じ見た目だ!いや違う!おっぱいだ!おっぱいがあるぞ!?彼女は一体誰なんだ!?》
「まさか……古に伝わりし四大天使の一人……貴様は……」
「闇ある所に光あり!SUPER天使リアリスフィリー只今見参!!」
「今日も明日もアナタをメロメロ♪大魔王ハルるん!」
「フッハッハッハッ!魔術師チェフビーオスト!」
「「「我らヤマト地区代表!」」」
ドンドーーーーーンドドドドン!!
『よっ!ヤマト屋!!』
…………
「決まったわね!」
「大丈夫かな?ちょっとチープじゃない?」
「死にたい死にたい死にたい」
「なによチェフ、ノリノリだったじゃない。」
「なかなか様になってたぞ?」
「ふざけるな!もう終わりだ……」
「母さん、カメラ来たよ。挨拶したら?」
「いつも娘がお世話になってまーす!ハルの母親、リアでーす!男性諸君、私の愛はハル一筋だからラブレターとか送ってこないように!ハルー♪」
「か、母さん……」
「貴様達!公の場で何をイチャついている!」
「いいじゃない。あっ、もしかして妬いてる?」
「なっ……誰がそんな……」
「悪いなオッサン、母さんは俺のモノだから。誰にも渡さないよ。」
「キャー♪ハルー♪」
「だからそういうのを───っ!?」
「敵の攻撃!?母さん、大丈夫?」
「余裕余裕♪ハル、チェフを送って。」
「ほらオッサン。」
「なっ───」
シュンッ
「この席でいいんだろ?あとは俺に任せてくれ。終わったら祝勝会な。」
「ふん、誰が貴様なんぞと。そういうのは勝ってから言え。」
「俺が……俺達が負ける訳ないだろ?ヤマト代表だからな。じゃっ!」
シュンッ
「ふっ……生意気な奴だな。」
……
シュンッ
「お待たせ、母さん。」
「ありがと。さ、母さんの晴れ舞台よ!ハルは見てなさい。」
「でも……」
「娘に良い所見せたいのよ。ね?」
「母さん……攻撃が来るよ!」
「遅い遅いっ。」
母さんは巨大な礫をヒラヒラと避ける。
無駄が無い動きだ。
「ハルー、逃げなさーい!リアちゃんボンバー!!」
そう言って上空から落とした小さな光は地上で大爆発を引き起こした。
爆炎と共に、大陸に巨大なクレーターが出来上がる。
「あれ?手加減したんだけどなー……でもこれで一組撃破ね♪次行ってみよー!」
「サクラ、母さんってどれくらい凄いんだ?」
『ハル様が世界最強のアンドロイドなら……リア様は世界最強の人間ですね。』
「ははっ……凄いな……」
「ハルー、行くよー!母さんどうだった?」
「……俺の母さんだなって思ったよ。」
「ふふっ♪何言ってるの?当たり前でしょ♪」
嬉しそうにする母さんを見て俺まで嬉しくなる、けど……
今日、俺の出番あるのかな……




