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持ちつ持たれつ。


「なんかこの家狭いよな。」


 みんなでお茶をしている時に、ふと思った。


「あのね、君が女の子3人も連れてくるからでしょ?」


「ヒロ博士、それじゃまるで私達が邪魔者みたいな言い方ですけど?」


『そうだそうだー!もっと言葉を選べー!』


「邪魔者……」


「私なんかが居座っちゃっててごめんなさい……」


「えっ?何この流れ……ここ僕の家なんだけどな……」


「……じゃあ出てくか!」


「……そうね、その方が気が楽だわ。」


「でもどこか当てがあるの?」


「第4地域に別荘を買ったんだ。移動は俺のテレポートがあるから、不自由しないと思うよ。」


「わーい、楽しみだね!」


「お世話になりました。」


「よーし、必要な物持って集合な。」


「えっ……ちょっと……僕一人になっちゃうの?」


「研究の時は来ますから。あとは伸び伸びとして下さい。」


『ヒロ様、今までお世話になりました……サクラは……サクラは今日お嫁にいきます……』


「じゃあいくぞー!またな、ヒロ。」


『フーーーッ!あばよっ!!』


 シュンッ!


 シーン……


「……えっ?何これ?僕の心配とか誰もしてくれないの?」


 ────


 ────


 シュンッ


「ほら、ここが俺達の新しい家。」


 別荘の庭にテレポートした。

 辺りは木々に囲まれ、都市部にも関わらず、小さい綺麗な川が敷地に流れている。


「すごーい!なんだかお伽話に出てくるような場所……」


「でしょ?でも歩いて5分で繁華街なんだよ。良い所があってラッキーだった。」


「ここ高かったんじゃない?大丈夫なの?」


「ふっふっ。世界のハルるんだぜ?もう働かなくても一生お金には困んないよ。」


「……じゃあずっとここで……みんなでいれるね。」


「そのつもりで買ったから。中見てみてよ。」


 ……


 ……


「わーすごーい!……ってさっきから私凄いしか言ってない気がする……あれ?テーブルが多いね……これって……」


「喫茶店でもやろうかと思って。一階はお店が出来るようにしたんだ。」


「わー……最新式のキッチンだ……お姉ちゃん羨ましがるだろうなぁ……」


「ははっ、そうだな。二階も見てよ。」


「わっ、凄い。私達浮いてるよ?」


「反重力装置を使ってるから、何もしなくても行き来できるんだよ。この家全体がハイテクだからな。手を使わずに生活出来るようになってる。それにちょっとした段差とか余計な仕切りは取ってあるんだ。マクシルが大変かと思って。」


「ハル……好き。」


『いーえ、私が一番好きです。』


「わっ、私!」


「あら、ヒロインは私でしょ?」


『なーーーにを言っとるだぎゃ!あなたなんか私が肉体を持つまでの前座!私こそが正ヒロイン!』


「わっ、私が一番初めに出会ったよ!」


『いーえ、私が一番初めです!』


「えーん……」


「初ハグも初キスも私。つまり私が一番。」


「埒が明かないわね。本人に聞いてみましょう。誰があなたの中で一番なのかしら?」


「私だよね?」


「私。」


「私でしょ?」


『ダーリン……』


「……」


 シュンッ


「あっ、ハルちゃん……」


「逃げたわね。」


「照れてる。」


 ……


 ……


 シュンッ


「はー……緊張した。」


『もうダーリンったら。私と二人きりになりたかったんですね。』


「あれ、ここどこだ?」


 見たことのない街並み。

 見た感じ地方都市だろうか。


『ここは第4地域郊外ですね。特にめぼしいものは……あら、これは……ふんふん……そうきましたか。』


「なんだよ、一人で納得しないでよ。」


『もー、ハル様ったら仕方ないですねー。でもなー、どうしよっかなー。』


「……なんとなく変な気配がするからこっち行ってみるか。」


 ……


 ……


 郊外と言ってもやはりこの世界は凄い。 

 第4地域らしく自然と街が一体化した街並み。

 住むところが統制されている代わりに、景観作りは流石としか言いようがない。

 そしてなにやら不穏な気配を感じる場所に着いた。

 

「これは……凄いな……」


 昔本で読んだような、木々の上に家がある。

 ツリーハウスと呼べばいいのだろうか。

 ……色々な気配がして誰がいるのか特定出来ない。


「ここであってるんだろ?」


『はい、この建物の中です。』


 しかし勝手に入るわけにはいかない。

 どうしたものか……


 “大丈夫よ、入ってきなさい”


 これは……テレパシーか?

 って事はいいんだよな?


「……これ階段ないけどよじ登れって事かな?見た感じ建物に入り口が無さそうだし……もしかして……」


 シュンッ


「正解、よく一発で分かったわね。」


「いやー、これしか思いつかなくて……ってあなたは……」


 頭にスカーフを巻き民族衣装を着た老婆。

 間違いない、センターで出会った婆さんだ。

 そしてヒロの知り合い……


「あなたがオーベイね。この子を守ってくれてありがとう。」


『いえ……持ちつ持たれつな関係なので。ねっ、ダーリン♪』

 

「まぁな、助かってるよ、ハニー。」


「ふっふっ、仲が良いのね。」


 そう笑って婆さんは頭に巻いてあるスカーフを取った。

 

「!……その髪の色は……」


「珍しいじゃろ?あなたと同じピンクじゃよ。」


「あなたは一体……」


「私の名前はリアリスフィリー。さて、何から話そうか。」


 

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