デリケート。
「〜♪」
「あら、朝から随分機嫌が良いのね。」
「まぁね。」
……
……
「〜♪」
「ハルさん機嫌良いっすね。何か良い事あったんすか?」
「まぁね。」
「……あんなにニコニコして、何があったんすかね?」
「そうだな、あそこまで上機嫌なのはなかなか見た事がないな……」
「おう、ハルさんがどうしたって?」
「いや、今日のハルさん目茶苦茶機嫌が良いんすよ。ほら、今も窓に映った自分見てニコニコしてるし。」
「うむ、可憐だ。」
「……男でも出来たのか?」
「いやー、あのハルさんに限ってはそんな事ないでしょ……ないっすよね?」
「うーむ……しかしハルさんも女性だ。ゼロではないだろう。」
「よし、俺がちょっと探ってくるよ。」
「頼むぞ元ヴィン。」
「なんだその元ヴィンって。」
「元ヴィンスター派だから元ヴィンっすよ。」
「そんな事言ったらコイツは元オルだろ。」
「俺には隊長というニックネームがあるからな。貴様には無いが有象無象のモブよりマシだろう。さぁ行け、元ヴィン。」
「俺にも名前あるんだけどな。」
……
……
「ハルさん、機嫌良さそうだな。何かあったのか?」
「おぉ元ヴィン。まぁな。」
「元ヴィン……これ定着してんのな……」
「まぁまだ恥ずかしくて人には言えない事なんだ。察してくれ。」
……
……
「って言ってたんだ。」
「恥ずかしくて人に言えない事……やっぱり男か?」
「いや、初潮かもしれないっすよ。あのハルさんがまだ迎えてなかったっていうのも……」
「うむ……ハルさんもデリケートな部分は人並みなんだな。」
「確かどこかの地区だと初潮を迎えたらお祝い事をするんだったな、何するんだっけ。」
「うーん……あ、会長がいるっす。丁度いいから聞いてくるっす!」
「おいっ!バカ……行っちまった。アイツ殺されるぞ。」
「うむ……お、蹴られている。今日は派手に吹き飛んだな。」
……
……
「ゴフッ……骨を何本か持ってかれたっす……」
「ご苦労だったな。端末で調べておいたぞ。家族でパーティーをするそうだ。」
「パーティーっすか……肉とケーキと酒でもあればいいんすかね。」
「うむ、では分担して取り掛かるとしよう。」
……
……
「準備出来たな?誰かハルさんを呼んでこい。」
……
「おっ、なんだ?今日は誰かの誕生日だっけ?」
「何言ってるんすか、ハルさんのお祝いパーティーっすよ!」
「えっ?何だよ、みんな気づいてたの?」
「はい、その、より魅力的になったというか……嗚呼!鼻血が!」
「おめでたいっす!」
「へへっ、みんなありがと♪」
「可愛いっす……」
「可憐だ……」
「あれ、飾り付けしてある……今日なんの日だっけ?」
「ルイさん!今日はハルさんの──」
「どう?ルイも見て分かる?」
「見て?うーん……あっ、背伸びた?」
「分かる?いやー、朝起きて測ったら2センチ伸びてたのよ。みんなも良くわかったなー。」
「……モ、モチロンッスヨ!ネ?」
「ウム……ウム。」
「?おっ、肉がある!食べていい?いいよね?いただきまーす!」
「ハルちゃん、よく噛んでね。」
「いやー、幸せ。良い友達に恵まれたなぁ……」
……
「……見てみろよ、ハルさんのあの笑顔。」
「……うむ、胸が張り裂けそうだ。」
「まぁ……結果オーライって事でいいんじゃないっすか?」
「……荒んでるな、俺達。」
「うむ。」
「見ろ、マクシルさんが軽蔑した顔でこちらを見てるぞ。」
「すごい表情っすね。」
「うむ、バレてるな。」
「でもあのハルさんの嬉しそうな顔……これで良かったんじゃねぇの?」
「うむ、全てはハルさんの為!」
「よーし俺らも騒ぐっすよー!」
「貴方達、ちょっと外に出てもらってもいいかしら?」
「……終わったな。」
「うむ……」
「ッスね……」




