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文化祭。


「いいな、順番は俺、ルイ、姉さん、マクシル、会長の順。台詞は覚えたな?」


「ほ、本当にやるの?私恥ずかしい……」


「やる、ハルの為。」


「よくわかんないけどお姉さん頑張っちゃうよー!」


「無理よ無理……こんな卑猥な格好で……」


 以前カロル地区で着た衣装。

 あれを改良し各自動物をモチーフにしてある。


 俺は鳥、股から垂れ下がる生地を鳥の羽ような柄にして更に胸に羽のマークをつけた。

 要は貧乳隠しだ。


 ルイと姉さんは犬、耳と尻尾を付けさらに胸と尻をより目立つように強調させてある。

 エッチだ。


 マクシルと会長は猫、原型が無くもはやただの猫のコスプレに近い。

 ただ会長の衣装はさらに胸がパックリ見えてスカートを極限に短くしてある。

 エッチだ。


「ジョロさん、準備オッケー?」


「イツでもイイヨ!みんなエッチネ!」


『いきまーす!3、2、1……』


 ……


「BTC代表のハルです、みんな私達のお店に来てくれたかな?これからの時間はちょっと趣向を変えてお客様をお饗ししたいと思います。」


 敷地内全てのモニターに俺が映る。

 ジョロさんは舐めわすようなカメラワークをしている。

 

[なんだなんだ?  あれ、雷帝じゃん。  やっぱ可愛いな。  他の子もみんなエッチな服着てるぞ。  あれって生徒会長?おいみんな見てみろよ!]


 皆一斉にモニターを注視する。


「わっ、私達……やっぱり恥ずかしいよー!」


「ほら愛するハル君の為にやるんでしょ?妹がお世話になってます!ルイの姉ちゃん、21歳でーす!私が1番ナイスバディかな?見ろこの弾力を!」


 姉さんが暴走している。

 エッチだ。

 ジョロさんがタイミング良く胸を撮る。

 

「イイヨー!エッチだヨー!!」


「ハルちゃんの為……うぅ……ご、御主人様が来てくれるのを……」


 ルイが顔を真っ赤にして涙目になっている。

 こう、ぐっとくるものがあるよね。


 マクシルの番だがマクシルは会長の後ろに隠れて出てこようとしない。


「ちょっと、貴女の番でしょ!?えっ?撮らないでよ!?」


 騒がしかった学校内も静まり返り誰一人として言葉を発していない。

 皆、モニターに映る会長を注視する。


「……」


 固唾をのんで彼女を見守る。


 ……そろそろだな、マクシルいけるか?

 マクシルの方を向くと会長の後ろで指でオッケーを作っている。


(会長、会長聞こえるか?)


「!?……」


 会長が俺の方を見ている、成功だ。

 マクシルは触れている者のテレパシーのプロテクトを一時的に解除出来るらしい。

 

(今ここでやらなきゃ駄目なんだ。この世界の命運は会長にかかっている……これは世界を変える第一歩なんだ。それには会長の力が必要だ。)


「……」


 会長は俯いて首を横に振っている。


(……聞け!ラウラ。俺の為にやれ。俺にはお前が必要なんだ。頼む、俺の……力になってくれ。)


「……」


 会長は手を丸め招き猫のようなポーズを取りはじめた。


「お……お待ちしてますニャン♪」


 遠くで歓声が聞こえた。

 この学校でも1、2の知名度を持つお固い生徒会長ラウラが絶対にやらない、想像出来ない事を目の当たりにした連中はそのギャップに興奮した。


「ハルさん、目茶苦茶グダグダでしたけどあれでいいんすか!?」


「あれでいい、最高だよ。よーしお前達、客が来るぞー!男共は裏方にまわれ。俺達女子が饗すからな。」


「きゃー恥ずかしかった……」


「そう?お姉ちゃんスッキリしたよ。」


「あぁ……もう死んだほうがマシよ……」


「みんな可愛かったぞー!特にラウラ、ありがとう。」


「っ……うん。」


 やけに素直だな。


「ハル、私は?」


「おう、いい仕事だったぞ。服も可愛いし。ほら、客が来た。みんな可愛くやるんだぞー。」


 ……


 ……


 最後の客が帰り店じまいとなった。

 あの後男性客中心に繁盛した。


「よし、みんなお疲れ様!代表者の集まりで結果発表があるから行ってくるよ。」


 ……


 ……


「──で、あるからして──」


 偉い人の退屈な話を聞く。

 朝よりも大きな欠伸が出る。


「それでは最後に、今年の優勝者BTC代表のハルさん、お願いします!」


「えっ?なにまた喋るの!?」


 会場で笑いが起きる。


 ジョロさんがカメラを回している。

 って事はみんなも見てくれてるのかな。


「えー、ハルです。ここにいる殆どがお店に来てくれました。ちゃんと一人ひとり覚えてるからな?みんな、ありがとう。そこの端っこで偉そうにしてる奴等、なんで自分が負けたか分かってないな?俺達は何だ?学生だろ?学生にプロの味を求めてるのか?プロのパフォーマンスを求めてるのか?文化祭ってのはな、学生の作った素人感が大事なんだ。プロ程美味しくなくても、いいパフォーマンスが出来なくても良い。学生が頑張ってやってるから、楽しんでやってるからお客も楽しんでくれるんだ。朝言ったろ?学生らしく笑顔で、ってな。長ったらしくなってすみません……お前達!モニター見てるかー!勝ったぞーーー!!」


 耳をすますと遠くの方で歓声が聞こえた。


 会場からは前代未聞の結果に称賛の拍手が鳴り響いた。


 これにて文化祭終了!

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