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ベルト。

 

 遡ること30分


「大体欲しい物はそろったっすかね。」


「満足。」


「良かったっす。でもなんでみんなで行動しなかったんすか?」


「今日はルイの番。ゲスには関係……よくない人が来る。」


「えっ?」


 目の前に現れた5人組の男達。

 彼らは二人を囲み始めた。


「彼女可愛いね、お兄さん彼女貸してよ。」


「ダメっすよ。さ、帰ってください。」


「まぁ硬いこと言わないでさっ!」


 男の一人がゲスの腹目掛けてパンチする。

 鳩尾を叩かれたゲスはその場に跪く。


「ゲス!大丈夫?」 


「大丈夫っす……マクシルには指一本触れさせないっすよ。」


 ゲスはマクシルを守るように立ちはだかる。


「おー兄ちゃん頑張るねぇ。どこまで続くかな!」


 男達は2発3発とゲスに拳を振るう。

 ゲスの鼻からは血が垂れている。


「おう、反撃してこないのか?それともそんな元気もないのかな?」


「ゲス、やり返す。」


「ダ、ダメっすよ……」


「どうして?ゲス死ぬ。」


「い、今までの自分は奴等と同じでした……力と立場を利用して……自分はあんなにも下衆だったんすね……」


「でも──」


「ハルさんだったら手を出さずに、相手を傷つけずに片づけるっす!自分は決めたっす、ハルさんみたいになりたい!あの人に少しでも近づきたい!だから、だから手を出さない!マクシルも守る!」


「ゲス……」


「お話は済んだか?じゃあ彼女頂くよ!」


 しかし男達の体はゲスに向かうことなく空へと向かっていった。


「な、なんだ?何が起きてやがる!?」


「どうなってるんすか?もしかしてマクシルが?」


「あんな奴等これで十分。」


 男達を宙に浮かせ身動きをとれないようにする。


「自分すげーかっこ悪いっす……」


「そんな事ない。」


「……だといいっすね。」


 その時だった。

 背後から刃物を突き出して男達の一人が襲ってきた。 


「しまった、意識が散漫して──」


 キンッ!


 二人の背後に出来る影。

 指二本で刃物を止める。


「大丈夫か?二人共。」


「ハ、ハルさん……その登場の仕方はズルいっすよ……」


「マクシル、もう力を解いていいよ。後は俺がやる。」


 パキンッ!


 指で刃物を割ると男は腰を抜かした。


「な、なんだよお前……化け物か!?」


「そうだ、化け物だ。」


 男達を上空一箇所に集める。


「お前達聞こえるかー、10秒したらそこから落とすぞ。それまでに懺悔するんだ。俺の心に響いたら止めてやる。1──」


「わ、悪かった!俺達が悪かったよ。だから下ろしてくれ!」


「4──」


「もうしない!誓うよ!だから下ろしてくれ!」


 ゆっくりと地上に下ろす。

 しかし拘束の力は緩めない。


「さっき言った言葉に偽りはないな?」


「あぁ、勿論だ!悪かった。」


「マクシル、どう?」


「(この野郎俺様にこんなことしてただで済むと思うなよ。穴という穴を────にして────にしてやるからな。)だって。」


「ふーん、全然反省してないな。」


「なっ、なんで俺の……プロテクトしてあるはず……」


「なぁゲス、どうする?お前が決めろ。」


「……」


 ゲスが男達の前に立つ。

 量の拳を握りしめている。


「……俺はアンタ達とは違うっす、立場を利用しているだけの下衆じゃないっすから。こんな奴等殴る価値も無いっす。」


「くっ……」


 男達は苦虫を噛みつぶした様な顔をしている。


「アンタ達、最高にカッコ悪いっすよ。ね、マクシル。」


「ゲスの方が若干マシ。」


「と言う訳だ。俺が視界にいなくなるまで力は解かないからな、じゃ。」


 ……やっぱり学生とは違うな。

 こいつ等を改心させるにはどうしたらいいのか。

 会長の言葉が俺の心に突き刺さる。


「ゲス君大丈夫?血が出てるよ……?」


「大丈夫っす、ほっとけば治るっすよ。」


 ゲスは親指を立てて笑っている。

 ……成長してるんだな。


「そういえばハルさん、その荷物なんすか?」


「あぁこれは色々あってな……」


 ……


 ……


「ってな訳で今日センターに行ってきたんだよ。」


『おかけで私は閉じこもりっぱなしでしたけどね。』


「へー良かったね、凄かったでしょ?」


 家に帰るとヒロに一日の事を話す。

 これも日課だ。


「いやもう凄いのなんの。で、こんなの貰ったんだ。」


 俺は老婆に貰ったベルトをヒロに見せた。


「随分古いタイプのベルトだね……!?それは?誰に貰った!?」


「ジャンクショップ屋の婆さんが俺にくれたんだ。俺の顔見て勝手に納得して色々とくれたんだ。」


「そうか……生きていたか!良かった……」


 泣きそうな、でも嬉しそうな顔をしてヒロが言う。


「昔の仲間でね、君の体を盗む時に手伝ってくれたんだよ。じゃあ彼女はセンターにいるんだね?」


「あぁ、ちょっと見てくるよ。」


「勝手に入ったら気づかれちゃうでしょ。」


「大丈夫、この貰ったターバン、ステルス機能が付いてるって言ってたし。」


 シュンッ


「流石にこの時間じゃ人も殆どいないな。確かこの路地に……えっ……?」


 そこにあるはずのジャンクショップ屋は粉々に破壊され見る影もなかった。


「な、なんだこれ……どうなってるんだ……」


『ハル様!来ます!』


 空から光が見えたと同時に俺の目の前に人が高速で降ってきた。


 地面は抉れ煙を立てている。


「どうなってんだこれ……人間か?」


『いいえ、この者は人ではありません。この者は──』


【目標発見、捕獲します。】


『全世界で7つあるアンドロイドの内の1つ。メールクリオルスです。』


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