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首席。

挿絵(By みてみん)


「おーいゲス、そこの塗料取ってくれ。」


「はいっす!」


 自分たちで起ち上げた同好会。

 その小屋を自分達でキレイにしている最中だ。


「ハルさん、なんで念力使わないんすか?」


「そんなもん無くても出来るだろ?もし使えない世界だったらどうするんだよ。」 


「そんな世界考えられないっすよ。」


 良くも悪くも超能力が切り離せない世界なんだな……

 こんな力がなければもっと隔たりない世界になるのかもしれないのに。


「あー、もう塗料ないや。俺ちょっと買ってくるよ。」


 シュンッ


「いいっすね、俺もあの消えるの使いたいっす。」

 

「使えたら便利だよね。」


「……ハルさんはルイさんの事どう思ってるんすかね?」


「えっ?どうしたの急に……」


「率直な感想っす。自分ルイさん応援してるんで。」


「そんな……私なんか……女の子同士だし……」


「でもハルさん可愛い顔してオレオレ系っすからね、ワンチャンあるかもっすよ!」


「……私なんか釣り合わないし。」


「ハルさんはそんな事気にするようなちっぽけな人じゃないっす。あの人の受け皿はブラックホール級っすよ。」


「……」


「ハルさんのどこが好きなんすか?」


「……」


「あー、顔真っ赤っすよ?初心っすね。」


 シュンッ 


「ただいまー……何この空気は?」


「自分ちょっと飲み物買ってくるっす!」


 そう言ってゲスは走っていった。


「よーし、もうちょっとで仕上がるな。昼までに終わるかなー……そしたらどっか行かない?」


「うん……行きたい!私も頑張るね。」


 黙々と作業を続ける。

 小さい頃、近所の空き地に秘密基地を作っていたけど、なんだか似たような気分だ。


「……ハルちゃんって好きな子とかいるの?」


 女子トークだなこれは。

 若いっていいな……

 でも正直──


「異性に興味ないんだよね。男を見ると虫唾が走るっていうか……」


 同族嫌悪というか。 


「だからこうしてルイと一緒にいる時が今は1番好きかな。」


 女子万歳!


「ほっ、ほんとに?」


「?うん、ルイはそういう人いるの?」


「……いるよ?」


「そっかー、ソイツが羨ましいなー。ルイ可愛いからな。」


「……ふふっ、そうなの?」


「ちなみにどんな人?」


「うーん……内緒。」


「なんだよそれー。」


「〜♪」


 ルイが鼻歌を歌いながら作業をしている。

 なかなか見ない程上機嫌だ。


『私も女子トークにまぜてください!』


「サクラは好きな人いるの?」


『勿論!ハル様です!』


「会話にならんな……」


「ただいまっす!あれ、何楽しそうに話してるんすか?」


「各々の好きな人って話。ゲスは?」


「そりゃハルさんっすよ!可愛いし強いし!」


「お前らな……」


 ……


 ……


「よーし、作業終わりー。」


 丁度昼飯の時間だ。


「俺達なんか食べに行くけどゲスは?」


「えっ?いいんすか?勿論ご一緒───」


 チリーン


 扉に付けた呼び鈴が鳴る。

 この小屋に捨てられてあった物だ。


「自分出てくるっす。ハーイっす。」


 こんな出来立ての同好会に一体なんの用なんだろう……


「ハルさーん、お呼びっすよ!」


 入り口に向かうとそこには胸ポケットに眼鏡を入れた女性が立っていた。


「はい、ハルですけど……」


 その女性は俺を食い入る様に見てきた。

 何なんだ、この人は……


「あの、何か?」


「貴女が……背も小さいし華奢だし、そんなに強そうには見えないけど……貴女、本当に首席なの?」


「背の大小は関係ないんじゃ?」


「ハルさんなんか怒ってるっすね。もしかして小さいの気にしてるんすかね?」


「聞こえてるぞ。」


「何でもないっす!」


「……で、そんなアナタは誰です?」


「知らないの?私、この学校の生徒会長だけど。」


 生徒会ね、また面倒なのが来たな。


「転校してきたばっかりでね。それで、会長さんが何用ですか?」


「端末でもお知らせしたけど……見ました?」


「……ちょーっと見てないかな。」


「ハァ……この学校の同好会の数って知ってる?3000近くあるの。多すぎて学校でも管理出来ていないのが現状よ。中にはなんの活動をしてるか分からない物もあってそういった物は全て無くすことにしたの。」


「で、ここに来た訳だ。俺達はゆっくりまったりお茶を楽しむ会だ。」

 

「それで、何か実績は?」


「実績?紅茶一日何杯とか?」


「貴女ね……何かに貢献した、賞をとった、いろいろあるでしょ?」


「そんな事……出来たばっかりですよ?」


「じゃあ作る事ね。期限は1週間よ、分かった?じゃ、精々頑張りなさい?首席さん。」


 そう言って彼女は行ってしまった。


「なんなんすかね、アイツの態度。圧力かけましょうか?」


「あの人……たしか前首席だった人だよ。」


「はーん、それでハルさんにイチャモンつけてきたって訳っすね。」


 ……実績か。すぐに作れるものじゃないし、あの女分かってて言ってきてるな。

 でもそういう趣向じゃないからなぁ。


「とりあえず飯食べに行くか。」


「えっ、いいんすかハルさん?何かした方が……」


「俺達はブレイクタイム倶楽部だ。そんなにガツガツしてちゃ意味ないだろ?飯食ったら頼みたい事があるからさ、その後よろしくなゲス。」


「了解っす!じゃあ自分行きつけのバー行きましょう!」


「バカかまだ昼だろ!つーか何歳だお前は……なんかこう女子っぽい所ないの?」


「そんな事言っても自分一般人のお店知らないっすからねぇ……」


 ナルホド、飯屋1つとっても色々あるのね。


「じゃ、じゃあさ私のお姉ちゃんが働いてるお店行かない?」


「えっ?ルイさんねーちゃんがいたんすか?」


「俺も初耳だな。」


「なかなか言うタイミングもなくて……」


「じゃあ出発っす!」  


 ルイのお姉さんか、どんな人なのかな。

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