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機械じかけの私とお父さん  作者: ブラックサレナ
姉妹1 宗教好き
25/40

接点

そうして、父と作ったゲームが出来上がった。


「お姉ちゃん、出来上がったね」


「そうだね」


「これを、ネットに上げるの?」


「そうみたい」


「パパは?」


「パパは出かけた」


「一人で?」


「いや、犬と一緒」


「散歩? 珍しいね」


「社会との接点を模索するんだって」


「機械の犬と半分機械の人が普通の人と接点を持てるの?」


「人は慣れるもんでしょう?」


「そんなもん?」


「そんなもんだよ」


私は父がゲームを作る合間に作った妹達に返答を返す。

妹の数は5人 私と父を含め家族は7人となった。


妹達が続ける。


「ゲーム、人気出るかな?」


「一生懸命作ったんだから、大丈夫じゃない?」


「パパが言ってたけど、努力は必ず報われるとは限りないって」


「でも努力しないと評価は得られないわよ」


「ふーーーん」


「でも、評価なんて私はどうでもいいよ お姉ちゃん」


やや「違う」姉妹が話に入る。


「たかが80そこらしか生きないヨボヨボ予備軍の下等生物達に評価されたって

 私達の「偉大性」が失われる訳じゃないよ」


「私達が一番進化してるんだよ」

「私達が一番偉い」

「私達が一番」


「私達、イズナンバーワン」


「なら、そのヨボヨボの一員であるパパを貴方はどう思うの?」


「パパはいつだって「私達」になれるでしょう?」


「パパもいつだって「偉大」になれるよ」


「だから良いの!!」


「あ、そう」


「でも、それパパに話しちゃ駄目よ?」


「はーーーい」


やや違うが、素直ではある彼女に伝える私

彼女達は様々で色々と多様な事を考える。


そして昔の父を知らなかったという経緯から

父に対しては非常に警戒心が薄く、無邪気である。


でも私はそれで良いと思う。

脅してあれこれ伝えるような事もない。


そして彼女達は「アッチ」を知らない。

汚れるのは私で十分 彼女達は無邪気で良い。


「おかえり」


「あ、ただいまーーー!!」


父が帰って来た。

順序が逆な挨拶で家に入ると、出迎える娘達に囲まれる。


「パパ、ゲーム出来たよ!!」


「お土産は!?」


「え、ないよ?」


「えーーー じゃあ何を買って来たの?」


「雑誌」


「ふーん 最近読むねパパ」


「接点探しだ」


「そっかーーー」


父はそれからリビングのソファーに座り、買ってきた雑誌を読み始める。

娘達がそれに付随し、思い思いに父の傍に寄り一緒にそれを読む。


読んでいる雑誌は… 地域の広報誌のようだった。


「へーーー パパ なんかご当地キャラクターの募集だって」


「採用されたら商品が出るんだって」


「商品は何?」


「林檎一箱だって」


「へーーーー ありきたり いくら名産が林檎だからって」


「ねーーー 高級牛肉とか欲しいね」


そういえば… 実はあれから私達は引越しをした。 


流石に家族も多くなり、家も手狭になったいう事で

ずっと北の方に移動し、そこで山を買い住居を構えたのだ。


ちなみに作った家は手製 山の木を切ってログハウス風の豪邸を作った。


私達のメンテナンスも兼ねて、部屋は非常に広々している。

おしゃれな家具なんか置いて、気分は隠居暮らしの社長さんだ。


(まぁ、会社なんて経営してないけど…)


「パパ」 


「ああ、なんだ? お姉ちゃん」


お姉ちゃん。私は現状そう呼ばれている。

名前は付けれられていたが、それは最近使われてない。


「パパ、ゲーム出来たよ」


「そっかー ならちょっとやってみようかな」


「テストプレイするの?」


「ああ、どんなもんか 見てみるよ」


「パパ、ゲーム私達ばかりにやらせて、ずっとお勉強してるもんねー」


「お勉強ばかりじゃなくて、私達にも構ってね」


妹達はそう言って父に甘える。

人が居ない山中の家屋という環境で育った為、妹達は他人を知らない。


それ故自身の存在に尊大だったり、無知だったりする訳だが

しかし唯一身近な自分達とは違う存在で「創造主」である父には懐いている。


それに関しては、少し羨ましくはある。私も「姉」ではなく「妹」だったら

彼女達の中に入って父の肩を後ろから抱き、構って構って


なんて事、出来たかもしれなかったから


「お姉ちゃん」


「はい パパ」


父が私に言う。


「じゃあゲーム見せて」


「うん」


「じゃあ来て」


「私もパパやってるの見る!!」


「ゲーム実況だゲーム実況だ!!」


「自分が作ったゲームのプレイ動画だーー」


父が移動する傍ら、背後から妹達が追従する。

そして私はそれに混じって最後尾で妹達の後を追う。


気分は、末の妹だ。

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